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キャロリン・ベセット=ケネディの私物25点がオークションへ。伝説のファッションアイコンのピースは誰の手に?

  • 2026.2.17
CBK_Lilah

1998年10月、キャロリン・ベセット=ケネディはトライベッカで犬の散歩をしているところを写真に撮られた。あまりにも平凡な光景で、本来ならば誰からも見向きもされなかったはずだ。しかし、精密にカットされたキャメル色のプラダPRADA)のコートに身を包み、髪を後ろでまとめた控えめな装いの彼女は、なぜか斬新に映った。

クールで、悠然としていて、厳かな雰囲気さえ漂うこの写真は、撮影されて以来、90年代モードの永遠のインスピレーションとして、ありとあらゆる場面であげられている。ベセット=ケネディの不朽のスタイルや、20世紀後半のファッションをまとめたムードボードに、必ずと言っていいほど登場する1枚だ。そして30年近くが経った今、彼女が写真で纏っているほかならぬこのコートが、ベセット=ケネディの私物を集めたオークションの一環として、チェルシーで展示されている。

1998年、トライベッカで愛犬を散歩するキャロリン・べセット=ケネディ。
John John with Carolyn Bessette1998年、トライベッカで愛犬を散歩するキャロリン・べセット=ケネディ。
プラダのシングルブレストウールコート。
プラダのシングルブレストウールコート。

2月14日(現地時間)、The Fashion Auctioneerとしても知られる独立系オークショニアのルーシー・ビショップは、ベセット=ケネディがかつて愛用していた服やアクセサリー25点の入札を開始した。うち4点は、1990年代にジョン・F・ケネディ・ジュニアの長年のアシスタントであり、『George』誌の元スタッフであったローズマリー・テレンツィオがベセット=ケネディ自身から譲り受けたものだ。残りの21点は、ライアン・マーフィーがエグゼクティブ・プロデューサーを務める、コナー・ハインズ制作のドラマ『ラブストーリー ジョン&キャロリン』の衣装部にも、ベセット=ケネディの貴重なピースの数々を貸し出した個人コレクターから出品された(なお、このコレクターはベセット=ケネディの熱狂的なファンだという)。

なかでも目玉は、ベセット=ケネディが1990年代後半に好んで纏っていたキャメル色のプラダのコート2着だ。ほかにも、ニューヨークで着るには「マイアミっぽすぎる」と言い、テレンツィオに譲ったオフホワイトのプラダのコート、袖口にビーズがあしらわれたヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)のイブニングアンサンブルなどが競売にかけられる。キャメル色のコートは、愛犬との散歩中やジョン・F・ケネディ・ジュニアとダウンタウンに赴いたときに着用していたことで有名で、イブニングアンサンブルは、ホワイトハウスでのイベントなど、フォーマルな場面で好んで纏ったしなやかなスタイルの1着だ。また、キャメル色のスカート、構築的なアウター、パテントレザーのショルダーバッグといった、彼女が毎日、制服のように着ていたプラダのアイテムも多く揃っている。

1996年、トライベッカのアパートを後にするジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・べセット=ケネディ。
JOHN JOHN KENNEDY AND HIS WIFE CAROLYN IN NEW YORK1996年、トライベッカのアパートを後にするジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・べセット=ケネディ。
プラダのウールペンシルスカート。1996-97年秋冬コレクションより。
プラダのウールペンシルスカート。1996-97年秋冬コレクションより。

「キャロリンは私にとって、フェアリーゴッドマザーのような存在でした」とテレンツィオは語る。「私に時間を惜しみなく割き、たくさんの服を与えてくれました。彼女は人にただ物をあげるのではなく、相手に似合うものをしっかりと見極めた上で譲ってくれました。そして、その目に狂いはありませんでした。彼女からいただいた服は本当に長く愛用してきたので、今度はほかの人にも同じように、大切に着ていただきたいです」。また、ビショップについては「信頼できる人で、そして何より、思い入れの強い服であることを理解してくれています」と言う。

今回のオークションは、ビショップが10年近く密かにあたためてきたものだ。21点ものピースを出品した個人コレクターから最初に連絡を受けたのは、ロンドンのオークションハウスで働いていた約10年前のことだった。オークションの開催について上司に相談したところ、「そんなものは誰も欲しがらない」と言われ、提案を真っ向から却下されたと彼女は振り返る。

1995年ごろのジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・べセット=ケネディ。
John F. Kennedy Jr.1995年ごろのジョン・F・ケネディ・ジュニアとキャロリン・べセット=ケネディ。
ヨウジヤマモトのウールシルクスカート。
ヨウジヤマモトのウールシルクスカート。

だが、これらのピースが「売れない」とビショップは決して思わなかった。そして昨年、サザビーズで働いていたときに、ベセット=ケネディの遺品を集めたオークションを再び企画しようとした。そこでテレンツィオの存在を思い出し、電話をかけた。

「(改めて)自己紹介をして、キャロリンの服をお持ちではありませんか?」と聞いたのです。

果たして、テレンツィオは何点か所有していた。ビショップは2024年12月に、ベセット=ケネディの衣服を揃えた初のオークションを開催し、プラダの黒いコート、ヴィンテージのレオパードコート、ヨウジヤマモトのジャケットが競売にかけられた。3着を合わせて177,600ドルで落札したのは、長年ベセット=ケネディのスタイルに魅せられているスタウドSTAUD)のデザイナー、サラ・シュタウディンガー。ベセット=ケネディの服の市場価値が明らかになった瞬間だった。

今回はビショップがテレンツィオから直接調達した衣服4点が、最も高額で落札されると予想されている。べセット=ケネディが頻繁に身につけていた、2着のプラダのコートを含むこれらは、すっきりとしたライン、ニュートラルな色使い、完璧な仕立てが印象的なピースで、現代のミニマリズムを定義する凛としたエレガンスが漂う。

オークションカタログによれば、その他21点は、2017年に出品者である個人コレクターがeBayで手に入れたものだ。コレクター曰く、eBay上の説明文には「キャロリン・ベセット=ケネディ着用」と記載されていた。そしてやり取りを重ねるなかで、出品者はさらに別のアイテムも所有していることを明かし、これらは2011年に『George』誌の元スタッフから入手したベセット=ケネディの私物だと主張したという。ビショップは、『George』誌の元スタッフや元の出品者にコンタクトを取ろうと試みたものの、いまだに接触できていない。したがって21点の出所は確認できておらず、予想落札金額もアイテムの不確かな来歴を反映している。

プラダのシングルブレストウールコート。
プラダのシングルブレストウールコート。
ヨウジヤマモトのリトルブラックドレス。
ヨウジヤマモトのリトルブラックドレス。
ヴァレンティノのグリーンチェック柄のウールコート。
ヴァレンティノのグリーンチェック柄のウールコート。
ヨウジヤマモトのシルクブレンドのツーピース。
ヨウジヤマモトのシルクブレンドのツーピース。
袖口のディテール。
袖口のディテール。
プラダのカーコート。
プラダのカーコート。

オークションが進められている一方で、『ラブストーリー ジョン&キャロリン』も話題を呼んでいる。昨年、スクリーンテストで撮影されたスチール写真が公開されたとき、世間はべセット=ケネディ役に起用されたサラ・ピジョンの髪の色から、彼女が身につけていたキャメル色のコートまで、あらゆるものを批判した。確かにコートのカットにはどこか引っかかりを覚え、何かが決定的に違うと思ったのは事実だ。

「キャロリンが着ていたキャメルのコートは、こだわりのものだったということは誰もが知っています」とビショップは言う。「とても特徴的なんです。ドラマの衣装に対するこの反応は、ニューヨークの街中でキャッチされた彼女の姿が、いかにアイコニックであるかを物語っています」

世間の反応を受けて、衣装は見直された。ベセット=ケネディが着ていたものと瓜二つのヴィンテージピースがいくつか調達され、今回のオークションにピースを出品した個人コレクターも、何点かのアイテムを貸し出した。ビショップによれば、最終的にかなり再現度の高い衣装になったという。「私が見た限りでは、素晴らしい出来栄えです」と彼女は語る。「実際にオリジナルのヴィンテージ品を入手できると、その差は歴然です」

ドラマの衣装に対して思うところがあったベセット=ケネディ信者たちこそ、今回出品される25点のピースを実際に目撃すべく、チェルシーに足を運んでみるべきなのかもしれない。

25点のピースは、チェルシー地区149 West 27th Streetにて2月20日(金)の午前9時から午後6時まで、2月21日(土)の午前9時から午後5時まで一般公開される。入札は3月3日まで受付中。(日時はすべてニューヨーク現地時間)。

Text: Lilah Ramzi Adaptation: Anzu Kawano

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