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「青年の木」ユッカはなぜ初心者におすすめ?手間いらずで枯らさない育て方と置き場所

  • 2026.2.16

観葉植物として根強い人気のユッカ。寒さや乾燥に強く手間がかからないので、初心者でも育てやすいのが魅力です。近年は造園用のスタイリッシュな株姿が魅力の種類も登場し、さらに人気が高まっています。この記事では、観葉植物として育てられる「青年の木(ユッカ・エレファンティペス)」を中心に、特徴と地植えで失敗しないコツなどを栽培のプロが解説します。

ユッカの基本情報

ユッカ
エレファンティペスの大木。Jordi Roy/Shutterstock.com

植物名:ユッカ
学名:Yucca
和名:イトラン
科名:キジカクシ科
属名:ユッカ(イトラン)属
原産地:北アメリカ、中央アメリカ、バミューダ諸島
形態:常緑低木

ユッカの仲間は、約50種類が知られています。比較的寒さに強いものが多く、造園に使われる種類も多いです。また、北アメリカの乾燥地域が分布の中心とされますが、中には熱帯雨林が原産の種類もあります。

観葉植物として主に育てられるのは、「青年の木」の名でも知られるエレファンティペスです。剣のような形の葉が上によく伸びる様子は、青年のような若さや力強さをイメージさせます。スピンレスユッカ(トゲのないユッカ)の英名があり、葉の先端にトゲがありません。葉が広がらないので場所をとらず、トゲの心配もないので、室内などで育てるには最適です。

自生地などで大きく育った株は、観葉植物として見るイメージとは違い、迫力ある株姿になります。

以前から庭木としてアツバキミガヨランやキミガヨランがよく植えられてきました。葉は鋭く尖りますが放置気味でよく育ち、花茎を長く伸ばして人目を引く美しい白花を咲かせます

最近はロストラタが造園用などとして流通します。おしゃれなイメージの植物として高価な価格で取引され、人気があります。他にもヨシュアツリーの名で知られるブレビフォリアなど、さまざまな種類が育てられるようになってきています。

広い庭でダイナミックに開花するユッカ。KatMoys/Shutterstock.com

ユッカの特徴・性質

ユッカ
aquatarkus/Shutterstock.com

園芸分類:観葉植物・庭木・多肉植物
樹高:20~150cm
耐寒性:普通
耐暑性:強い
花色:白、黄色、緑

葉は放射状に付き、剣や針に例えられます。また多くの種類の葉は硬く厚みがあり、先端が尖ります。

根茎は多肉質で、ほとんどの種類が乾燥地に適応しています。乾燥気味に保てば寒さにも強く、成株は寒冷地でも地植えできる種類が多くあります。ただし観葉植物として育てられるエレファンティペスは寒さにあまり強くありません。

先端から花序を伸ばし、たくさんの花を咲かせます。花色は白が多いですが、種類によっては黄色や緑がかった色の花もあります。

小さなころの株姿は同じ科のアガベに似ていますが、成長につれて違いがよく分かるようになります。ユッカは幹が伸びて背が高くなる種類が多いです。またアガベは花が咲くと枯れてしまいますが、ユッカは開花後に枯れず、成株は毎年花が咲きます。

ユッカの仲間

多くの種類の葉は鋭く尖り、大きく広がるので、広めのスペースが必要です。

ユッカ・エレファンティペス Yucca elephantipes(=Yucca gigantea )

ユッカ
MAXSHOT.PL/Shutterstock.com

中央アメリカ、メキシコが原産で、高さが10m以上になります。夏頃に咲く美しい花は、エルサルバドルの国花とされます。原産地などでは花や茎の先端の柔らかい部分などが食用とされます。

環境適応性が高くトゲがないので、世界でも広く観葉植物として育てられます。観葉植物の中では寒さに強いほうですが、他のユッカに比べると耐寒性は強くありません。

ユッカ・ロストラタ Yucca rostrata

ユッカ・ロストラタ
Deena6/Shutterstock.com

アメリカテキサス州、メキシコ原産で、世界でも広く植栽に利用される人気の種類です。日本のほとんどの地域で植栽可能なほどの耐寒性があるとされますが、雪が降り積もるような地域では鉢植えを室内で越冬させたほうがよいでしょう。また株全体をビニールなどで覆い、湿気を防ぐなどの対策も有効です。

アツバキミガヨラン Yucca gloriosa

アツバキミガヨラン
Vipul1989/Shutterstock.com

アメリカ合衆国南部原産で、国内でも古くから最も多く植えられるユッカです。高さ2.5mほどに成長し、細長い葉は非常に硬く、先端は鋭いトゲがあります。マイナス20℃の低温に耐えると言われており、関東地方では地植えが十分可能です。6月頃と秋の2回開花することがあります。開花後に結実するので、関東南部の海沿いの地域などの暖地では帰化しています。

よく似たキミガヨラン(Yuccarecurvifolia) も地植えにされますが、キミガヨランの葉はより薄くて柔らかく、少し垂れ下がります。

イトラン(フィラメントサ) Yucca filamentosa

イトラン
MemoSaBAM/Shutterstock.com

アメリカ合衆国南東部原産で、高さ3mほどになります。イトランの和名は、葉の縁にねじれた糸状の繊維を出すことに由来します。初夏の頃に花茎が伸びて3mほどの高さになり、たくさんの白色の花を咲かせます。

ヨシュアツリー(ジョシュアツリー) Yucca brevifolia

ヨシュアツリー
A. Viduetsky/Shutterstock.com

アメリカ合衆国南西部、メキシコ北西部原産で、高さが10m以上になる大型種です。よく分枝して木のように見え、砂漠の中でも人目を引く存在です。絶滅が危惧される植物ですが、小苗や種子が少数流通します。栽培は難しく、夏に過湿などで突然枯れることがあります。

ユッカの栽培12カ月カレンダー

植え付け適期:5~6月
植え替え適期:5~8月
肥料:5~10月
剪定:5~6月
挿し木:5〜8月

ユッカの栽培環境

ユッカ
Alexeysun/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

日当たりと排水のよい場所を好みます。日光によく当てることで、剣状の葉が上方向に伸びる本来の株姿に育ちます。一方明るい日陰でも育ちますが、葉が細く間延びして垂れ下がるように育ち、ドラセナに似たような株姿になります。

生育温度

10~30℃が生育温度の目安です。夏の猛暑にも強いです。

エレファンティペスはマイナス3℃くらいまでの耐寒性があるので、室内なら容易に越冬します。関東地方南部の霜が降りにくい地域では屋外でよく越冬します。関東地方の多くの地域でも、屋外の雨や北風の当たらない軒下のような条件のよい場所などでは越冬します。

エレファンティペスは、熱帯の地域から太さ5~10cmくらいの幹がある苗を輸入し、芽を出させたものが流通しています。購入したばかりの鉢植えは根が少ないことが多く、寒さに比較的弱いです。暖地でも1年目は室内で越冬させてください。

ユッカの育て方・日常の手入れ

ユッカ
Simol1407/Shutterstock.com

水やり

乾燥に強い植物なので、多く水やりする必要はありません。鉢土の表面が完全に乾いたら水やりします。ただし水やりする時は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えてください。

冬は乾かし気味に管理します。冬に水を与えすぎて過湿にすると、特に根腐れしやすいので注意してください。

肥料

5〜10月に3要素(N:窒素、P:リン酸、K:カリ)が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。早く大きく育てたくない場合は、規定量の半分程度与えればよいでしょう。

病害虫

閉め切って風通しの悪い室内に長く置くと、カイガラムシが発生することがあります。見つけ次第ブラシなどでこすり落とし、薬剤などで防除してください。春から秋はできるだけ屋外でよく日光に当てたほうが、病害虫の発生を防ぐことができます。

ユッカの手入れ作業

ユッカ
Valerii Kolomiiets/Shutterstock.com

植え替え

根が肥大するので、植え替えを怠ると鉢が割れるほど根詰まりします。

管理方法によって植え替え間隔の目安が変わります。水や肥料を多めに育てている場合は、1~2年に1回、水や肥料を控え気味に育てている場合は、2~3年に1回植え替えてください。適期は5~8月です。

幹が数本寄せ植えになっている鉢植えは、根鉢を崩すと幹の安定が悪くなることがあります。幹がグラグラする場合は、倒れないように幹をすべてまとめて結束するとよいでしょう。

用土

観葉植物用、または多肉植物用の培養土が使えます。水を与えすぎる人は、多肉植物用の培養土を使うとよいでしょう。配合する場合は、赤玉土5:腐葉土3:軽石2の用土などが適します。

剪定・仕立て直し

伸びすぎた株は、幹を切り戻して仕立て直します。適期は5~6月です。何本かの幹が寄せ植えになっている鉢植えは、段差をつけて好きな位置で切り戻します。切り口の下の部分から新芽が出るので、バランスを考えながら切ってください。

同時に根鉢を崩して植え替えるとよいでしょう。

増やし方

5〜8月に挿し木で増やすことができます。枝を10cmくらいの長さで切り、赤玉土などに挿します。葉の付いた天芽は葉を半分くらいの大きさにカットしてください。1カ月くらいで発根したら、3号くらいの鉢に鉢上げします。

ユッカ栽培のQ&A

Q ユッカ・ロストラタの鉢植えを早く大きく育てたい

ユッカ・ロストラータ
ZANTACUZ/Shutterstock.com

乾燥に強いので雨水だけでも育ちます。ただし水やりしないと生育は遅く、株の状態もよくありません。春から秋の生育期は、しっかり水やりしたほうが株姿もよくなります。また肥料も十分与えたほうが、早くよく育ちます。

用土も水はけがよいだけでなく、適度に肥料持ちのよい肥沃な用土のほうが生育が早いです。根詰まりすると生育が衰えるので、鉢もやや大きめのサイズが適します。

以上のようにロストラタの生産者は、水や肥料は多めに与えて育てます。ただし水やりや肥料が多いと根腐れで失敗しやすくなります。特に小苗は枯れやすいので注意してください。

Q 葉先が茶色く枯れてきました。株の生育も悪いようです。

植替えを行わず、放置しすぎたのが原因と思われます。ユッカは根が肥大するので、鉢の中が根でいっぱいになります。そのような状態では水分を十分吸収できないので、葉先から枯れこみます。

鉢から株を抜いて早めに根を整理し、早めに植え替えてください。

スタイリッシュで初心者も育てやすいユッカ

ユッカ
horiyan/Shutterstock.com

暑さや寒さ、乾燥に強く、初心者や忙しい人におすすめの観葉植物です。庭木に使える種類は放置気味で育ち、美しい花も楽しめます。最近は迫力ある株姿が魅力のロストラタの人気が高く、注目されています。

ユッカは、室内やベランダ、庭など、さまざまな場所で楽しむことができます。またロストラタを玄関先などでシンボルツリーとして育てるのもいかがでしょうか?

Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

おがわ・やすひろ/1988

年、東京農業大学農学部農学科卒業。千葉県館山市の植物園「南房パラダイス」にて観葉植物、熱帯花木、熱帯果樹、多肉植物、ランなど温室植物全般と花壇や戸外植物の育成管理のほか、園全体のマネジメントなどの業務に

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年携わる。現在フリーランスとして活動。著書に『わかりやすい観葉植物』(大泉書店)、『ハイビスカス』(

NHK

出版)がある。

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