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【人気の庭木】ハイノキの育て方|枯らさないコツは? ローメンテナンスで爽やかな常緑シンボルツリーを徹底解説

  • 2026.2.19
GardenStory (ガーデンストーリー)

繊細で軽やかな葉に、春には雪のような白い花を咲かせる「ハイノキ」。半日陰でも生育し、その柔らかな枝ぶりと野趣ある雰囲気から、いまモダンな住宅のシンボルツリーとして絶大な人気を誇ります。そんなハイノキを楽しむためには、環境選びが重要。この記事では、ハイノキを美しく育てるために絶対に外せない日当たりや水やりのポイント、似ている種類との見分け方を詳しく解説します。

ハイノキの基本情報

ハイノキ
GardenStory (ガーデンストーリー)

植物名:ハイノキ
学名:Symplocos myrtacea
英名:Japanese sapphireberry
和名:ハイノキ(灰の木)
その他の名前:イノコシバ
科名:ハイノキ科
属名:ハイノキ属
原産地:日本
形態:常緑性小高木

ハイノキはハイノキ科ハイノキ属の常緑樹で、学名はSymplocos myrtacea。原産地は日本(近畿地方以西〜九州)で寒さにやや弱く、地植えにするなら近畿以西の霜が降りない地域が適しています。常緑性で冬でもみずみずしい葉姿を保つのも魅力の一つで、半日陰の場所でも生育し、あまり手がかからず放任してもよく生育します。軽やかな葉姿は和洋のスタイルを選ばず、シンボルツリーとして人気のある樹種です。

ハイノキの花や葉、樹形の特徴

ハイノキ
Illust/draw inks/Shutterstock.com

園芸分類:庭木
開花時期:4〜5月
樹高:5〜10m
耐寒性:やや弱い
耐暑性:普通
花色:白

ハイノキの樹高は5〜10mで小高木に分類されていますが、毎年の剪定によって適した樹高にコントロールすることができます。成長スピードはゆるやかで、比較的手入れがしやすいのも特徴です。常緑の葉は長さ5〜7㎝ほどの楕円形で先端が尖っており、斑入り種も出回っています。

ハイノキの開花期は4〜5月で、花色は白。花弁は5つに深く裂け、長い雄しべが多数集まった直径1cmほどの小さな花を咲かせます。花は葉の脇に集まって咲き、ほのかに漂う甘い香りも魅力の1つ。年によって花数が多いときや少ないときがある傾向にあります。8〜10月に果実をつけ、熟すと黒紫色になり、野鳥が好んでやってきます。

ハイノキの名前の由来と花言葉

ハイノキ
GardenStory (ガーデンストーリー)

ハイノキは、漢字で「灰の木」と書きます。これはハイノキを焼いて出た灰が、染色の触媒として利用されていたことが由来です。「イノコシバ」の別名もあり、九州でイノシシを縛るための枝として利用されてきたことにちなみます。

ハイノキには広く認知された花言葉はありませんが、小さな花が集まって咲く姿を、誕生日をみんなで祝う様子に見立てた「誕生花」などとされることがあります。そのため、新しい生活のスタートや家族の記念日を祝うシンボルツリーとして、新築祝いや誕生記念の記念樹としても人気があります。

ハイノキに似ている樹木の種類

ここでは、ハイノキに似ている樹種をいくつかピックアップし、ご紹介します。

クロキ

クロキ
GardenStory (ガーデンストーリー)

日本原産で、南関東地方以西の暖かい海岸付近に多く分布しています。樹高は5〜10m。開花期は3〜4月で長い雄しべをつけた白い花が咲き、秋になると黒く熟します。また、株によっては秋に奇形花として紫色がかった花を咲かせることもあります。枝葉を燃やした後に出る灰は染料の材として利用されてきました。

チチジマクロキ

小笠原諸島の父島に自生するクロキの仲間で、50本ほどしか確認されていない貴重な樹種です。樹高は1〜2mほどで、10〜12月頃にハイノキに似た白い花を咲かせ、翌年の秋に黒い果実をつけます。

クロバイ

クロバイ
GardenStory (ガーデンストーリー)

関東地方南部以西に分布しているハイノキの仲間です。樹高は5〜10mで、4〜5月に5cmの総状花序に小さな白い花を咲かせます。開花後に楕円形の果実をつけ、秋から冬にかけて黒く熟します。ハイノキよりも葉色が濃く厚いのが特徴です。樹皮は灰黒色で、地域によってはこちらをハイノキと呼ぶこともあります。

シロバイ

シロバイ
Hank Asia/Shutterstock.com

近畿地方以西に自生しているハイノキの仲間です。樹高は7〜8mほどで、8〜9月にハイノキに似た白い花を咲かせます。10〜12月に丸い実をつけ、熟すと黒くなります。葉の表面に光沢があり、縁が波打つのが特徴です。クロバイによく似ていますが、樹皮の色が白っぽく、葉柄が短いなどの違いがあります。

サワフタギ

サワフタギ
GardenStory (ガーデンストーリー)

北海道〜九州に分布している、ハイノキ科の落葉樹で、樹高は2〜5m。開花期は5〜6月で、ハイノキに似た白くて小さな花が集まって咲きます。9〜11月に果実をつけ、熟すと深いブルーになり、実姿が大変美しいのが特徴。野鳥が実をついばみにやってきます。

サワフタギの実
サワフタギの実。

ハイノキの栽培12カ月カレンダー

開花時期:4〜5月
植え付け・植え替え:4〜5月
肥料:2月頃
剪定:3~4月、6~7月、11~12月
挿し木:5~6月

ハイノキの栽培環境

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】西日が当たらない半日陰の環境を好みます。ただし、あまりに暗い環境では葉色が冴えなくなったり、間伸びして株姿が乱れたりするので注意してください。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】乾燥に弱く、また強い日差しを浴びると葉焼けすることがあるので、西日が当たる場所は避けましょう。また、水はけ・水もちのバランスがよい、ふかふかとして腐植質に富んだ土壌を好みます。

耐寒性・耐暑性

冬の寒さはやや苦手で、特に乾燥した寒風により葉を落とすことがあるため、北風が吹きつける場所は避けます。関東以南の太平洋側などの暖地では地植えにしても冬越しできますが、凍結する寒冷な地域では鉢栽培にして季節によって移動できるようにし、冬は室内の窓辺や温室などに置いて越年させるとよいでしょう。耐暑性は普通程度にありますが、乾燥や葉焼けには注意が必要。根元を下草やマルチングで覆って乾燥を防ぐのもよいでしょう。

ハイノキの育て方のポイント

用土

土
funnyangel/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

庭木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
Osetrik/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥する場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が緩慢になり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

肥料

肥料
sasimoto/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

植え付け時には、元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。

越年後は、毎年2月頃に有機質肥料を株の周囲にまき、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えると、新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。

注意する病害虫

【病気】

ハイノキに発生しやすい病気は、黒点病やすす病などです。

黒点病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜20℃の環境を好むため5〜7月に発生しやすく、葉、枝、果実に黒っぽくて丸い斑点が現れ、全体に広がっていきます。日当たり、風通しが悪いと発生しやすくなるので、込み合っている枝などはすかすように剪定して発生を防ぎましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して防除します。

すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気で、病状が進むと黒いすすが全体を覆っていきます。葉に発生すると表面につやがなくなり、見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなって樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因になるので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば、剪定して日当たり、風通しをよくして管理します。

【害虫】

ハイノキに発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると枝葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われ、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

ハイノキの詳しい育て方

苗木の選び方

がっしりと締まって勢いがある苗木を選びましょう。枝がヒョロヒョロと間のびしているものや葉色が冴えないもの、虫食い跡のあるものは避けたほうが無難です。

植え付け・植え替え

ガーデニング
Jurga Jot/Shutterstock.com

ハイノキの植え付け・植え替え適期は、4〜5月です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。根付いたら、支柱を取り外してもOKです。

地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れ、苗木を鉢に仮置きして高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内の隅々まで行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水やりをします。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。根付いたら、支柱を取り外しても構いません。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。

剪定

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

ハイノキの剪定適期は新芽が動き始める前の3~4月、花後の6~7月、生育が止まる11~12月などです。生育は遅めで自然に樹形が整うので、剪定はほとんど必要なく、強剪定すると回復に時間がかかります。深く切り戻すというよりは樹形を生かした透かし剪定を基本にするとよいでしょう。

ハイノキは、緩やかにカーブした細い幹が地際から数本立ち上がる株立ちの樹形をしています。1本の幹を大きく育てる単幹と比べて、株立ちの樹形は華奢な雰囲気に人気がありますが、放任するとそれぞれの幹が太く大きくなって、手に負えなくなりがちです。株立ちの樹形を維持するには、株元から出てくるひこばえを1〜2本残して上に伸ばすようにし、数年経って太くなりすぎている幹は地際から切り取ります。切り口には癒合剤を塗っておいてください。こうして数年ごとに幹を切り替えるようにメンテナンスすると、細い幹のまま楽しむことができます。常に4〜5本の細い幹をキープするとよいでしょう。

株立ちの樹形を維持する目的以外の剪定は、地際から立ち上がっている「ひこばえ」は元から切り取ります。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ていたら、間引いて枝を透かすとよいでしょう。

これ以上大きくしたくない場合は、大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。

増やし方

ハイノキは、挿し木で増やすことができます。ただし、生育が遅く、成功率が低いため上級者向け。挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。

ハイノキの挿し木の適期は、5〜6月です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。成長とともに鉢増ししながら管理し、苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

成長がゆっくりで剪定もほぼ不要!シンボルツリーに取り入れよう

ハイノキ
GardenStory (ガーデンストーリー)

春に白い小花をびっしりと咲かせるハイノキは、秋には果実をつける姿も愛らしく、シンボルツリーとして好まれています。生育スピードが遅く手入れもしやすいので、庭を彩る木として植栽してはいかがでしょうか。

Credit
文 / 3and garden
GardenStory (ガーデンストーリー)

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!

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