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フォロワー14万人超のレシピの裏側は「適当さ」がポイント? 北海道の『農家の嫁』が大事にしてきたこと

  • 2026.2.14

「農家直伝のレシピ」を紹介している、北海道・真狩村の「農家の嫁・まりこさん」。

前編の記事ではインスタグラムのフォロワーは14万人超え!(2月時点)と大人気のまりこさんが、北海道に移住した「きっかけ」や『農家の嫁』としてレシピを投稿するようになったきっかけを聞いてきました。

そんなまりこさんのレシピ投稿には「裏ターゲット」がいるのだとか…!?

連載「師匠!私を弟子にしてください」で北海道を支える農業の現場にも何度も弟子入りしてきた私、HBCアナウンサー・東峰優華が前回に続きインタビューしました。

Sitakke

連載|私のきっかけ

裏ターゲットにささると「ビンゴ!」

「まったく料理をしない50代男性、みたいな。私の夫もまったく料理はできないんですけど、夫でも作れる、作りたいって思えるぐらい簡単なレシピ…って考えています」

SNSの投稿を始めてから1年半にも満たず、現在フォロワーは14万人を超えました。
フォロワーは主に40代・50代の主婦が多いですが、中には男性から「普段は料理をしないけど、これならできるかも」とメッセージが来ることも。

そんなとき「ビンゴ!と思いますね」と笑顔で話してくれました。

投稿を重ねるうちにそんな「作りやすくて、作りたいレシピ」に反応してくれたのではないかとまりこさんは分析しています。

実際に動画を見ても、難しくてできない!という工程がなく、最後まで見たくなる!
そして、凝っているように見えておいしそうで…なんだか自分まで一緒に料理上手になった気分になれるんです。

「私自身が面倒くさがりなんですよね(笑)。工程をできるだけ省いて…」

Sitakke

なるほど!私も実際にまりこさんのレシピで「焼たまねぎ丸ごとスープ」を作ってみて納得しました!
材料はバター、ベーコン、鶏がらスープのもとと、家にあるものばかり!スーパーでタマネギを購入するだけ。
料理の工程もとても簡単!切る、焼く、煮るだけ!
はじめて挑戦する調理法はひとつもありません。

そして調理をし始めてから15分で簡単!
タマネギを電子レンジで温めておくと、簡単につくれるというワンポイントもありがたいです。

Sitakke

そしてなんといっても…おいしい!!
味付けはバターとコンソメのみ。そこにタマネギの甘みが加わってとてもなめらか!
さらにベーコンも入っているので、香ばしさもあります。

一人でタマネギ1玉を食べるのはなかなか難しい…と思っていましたが、このスープならパクパクと食べることができます。

動画投稿には8時間以上かかることも

Sitakke

レシピ投稿をするようになってから、いつも「どんなものを作ろうか」と考えているというまりこさんの基本はやはり、農園でたくさんとれる自慢の野菜たちを旬のその時期に使うこと。

「『じゃがいもがたくさんあるから何つくろうかな』というはじまりで、『なんかチーズが食べたいな』と思って合わせたメニューを考えてみたり…これをやらなきゃというより、今食べたいもので作ってみるということが多いですね」

メニューは思いついたらすぐにノートに書いてストック、付箋をびっしりつけて見返したりメモを足して改良したりしています。

Sitakke

そのメモや構成を参考に、動画1本を作るのにかかる時間は6時間~8時間。
お子さんたちが保育園に行っている間に撮影や編集を行っています。

Sitakke
撮影のお手伝い?

「大変です。企画を考えるところも含めるともっと時間がかかりますし、まず企画考えるのも大変だなって思っています」

反響が大きいものがある一方で、思ったよりも再生数が伸びない動画も。
心が折れそうになることはないのでしょうか。

するとまりこさんは「いっぱいあります!」といいながらもこう教えてくれました。

「すごく思い入れあって作ったものほど見られなかったり、逆にすごくパパっと作ったものが見てもらえたり…っていうのが私にもあって、そうすると『なんかわかんないな』って思って。なので、『そうだったか』みたいな。『次いってみよう』ってどんどん作っています」

前向きな中で苦労は

Sitakke
年子で生まれた長女と次女はまるで双子ちゃんのよう!

そんなまりこさんでも「一番大変だった」と話す時期がありました。

「次女を妊娠していたときですね。上の子と年子だったので、長女はまだ赤ちゃんなのに、つわりで動けなくて…かといって畑の成長も待ってはくれないから、夫も忙しくて…」

今はそんな子どもたちも5歳と4歳に。

Sitakke

「あのころに比べたら楽ですし、コミュニケーションもとれて楽しいです。はっちゃけているので、毎日ケンカケンカですけど(笑)」

今は農園でも働き手を雇い、まりこさんは「広報担当」としてレシピや野菜の直売の宣伝に専念できることが増えたそうです。

ちなみに、長女は野菜がキライなんだそう…!

Sitakke
この「おいしい!」の顔が見たい!

「紹介しているレシピは長女も食べてくれるものも多くて、長女に食べてもらえる!というのも、レシピを考えるひとつの基準になっているかもしれません」

「消費者」の声が聞こえる意味

Sitakke

私自身、農家の師匠に弟子入りしてたくさんのお話を聞くなかで、心に残っていることがありました。

それは「がんばって野菜をつくっても、実はあんまり消費者の声が聞けない。それがすごく悲しい」ということ。

作るだけではなく、野菜を買ってくれた人、その野菜をおいしく食べてくれている反応があることは「農家の嫁」のまりこさんにとってもすごく意義深いことなのではないかと思いました。

Sitakke

するとまりこさんも「本当にそうなんです」と声をはずませて教えてくれました。

「SNSを始めたことでたくさんの人に野菜を食べてもらえて、『おいしかったよ』『はじめてこんなにおいしい野菜を食べました』なんて声も届いて…それが一番はじめてよかったことですね」
「野菜を作るだけ、農協に出荷するだけだったら本当に一方通行でただただ『大変だ』で終わってしまうんですけど、販売したり、食べてもらったり、それでSNSを通じてコメントをいただけるというのは本当に大きい。やりがいになっています」

Sitakke
コメントにはすべて丁寧に返信 @mariko_yasaiより

実はまりこさんの投稿を見ていてとても印象的なのが、SNSのコメントに必ずまりこさんが丁寧に返信していること。

「ありがとうって気持ちが強いんです。コメントをするってすごい勇気のいることだなって思うので、コメントをしてもらったらなるべく早く丁寧に返すように意識しています」と教えてくれました。

自然が相手、だからこそ

Sitakke

「よく夫とも話しているんですけど農家ってやっぱり自然が相手。毎年の気候変化とか異常気象とかに左右されて、収穫量が減ったり、虫に食べられてうまく作れなかったり、そんなことがたくさんあります」

「だけど、それになんとか対応しながらおいしい野菜を毎年しっかり安定的に届けたい、そうなりたいよねっていうのは『農家の嫁』としての目標です」

実際に、気候の変化のなかで、育てる作物も変わってきているそう。
北海道でも栽培する農家が増えている「サツマイモ」はまりこさんの「いんなみ農園」でも3年前から作っています。
手作りの干し芋も限定販売しているんですって!

Sitakke

そして「うまく付き合っていく」のは天気だけではありません。

「クマも去年(2025年)はすごかったじゃないですか。
シカやアライグマはよくあって、クマはうちの畑では出ていないですけど近くの畑では出ているので…」

私も、トウモロコシ農家に弟子入りしたときには「自然」の中でも「獣害」についての切実さも目の当たりにしました。

そうした苦労の末にできているおいしい野菜たち。
「一番おいしく食べてほしい」というまりこさんの思いが、まさに「農家の嫁」だからこそ伝わります。

言葉では言い表せられない

Sitakke

思い通りにはいかない、農業という仕事といわゆる「田舎」での暮らし。
東京からきたまりこさんにとって、「不便」を感じることや故郷が恋しくなることはないのでしょうか。

そうたずねると、「こっちだと、スーパーや病院に行くのも1時間くらいかかるんですよ。だからもちろん東京の方が便利ではあると思うんです」と言いつつも「だけど…」とまりこさんが続けます。

「だけど、言葉では表せられないけど、やっぱり子どもたちにとってもいい環境だと思っています。周りの人たちが温かくて、すごくいい環境で子育てできているって」

「お手伝いまではできないけど、休みの日には畑に行って何か掘ってみたり、砂場遊びの道具を持って遊んだり。土に触れるのを楽しんでいます」

やりたい!きっかけをつかむために大事にしていること

Sitakke

「勢い」を大事にして紡いできた、今の北海道ライフ。
やりたいことやきっかけをつかむためにまりこさんが大事にしていることを改めて聞いてみました。

「ある程度の『適当さ』、考えすぎないことは大事にしているかなって思っています」

「考えすぎちゃうとマイナスなことを考えてやらない理由を見つけがち。まずはやってみることを大事にしています。怖いときもあるけど、やってみたい気持ちが強いときはやってみる。この選択に後悔はありません」

そして、とびきりの笑顔でこう断言してくれました。

「今の生活が好きです」

まりこさんのお話を聞いて…

Sitakke

農業に子育てにSNSでのレシピ投稿…まりこさんとお話をするまでは、これだけ多くのことをこなしていて大変なのでは?と思っていました。

ですが、まりこさんと話してみると、すべてのことを「義務感」や「仕事」としてやっているのではなく、まりこさん自身が楽しみながらチャレンジしているということを感じました。

まりこさんが北海道に来ることを決めたのは23歳の時です。
そして、私は現在24歳。当時、まりこさんが大きな決断をしたときと1歳しか変わりません。

まりこさんは「勢いで来ました!」と笑顔でお話をしてくれましたが、それがどれだけ大きな決断で勇気のいる行動だったか…。

当時のまりこさんと年が近い私だからこそ感じる部分が多くありました。

また、農家のお嫁さん、2人のお母さんとしても日々忙しい中で「何か新しいことをやってみたい!」と自分で新しい道を切り開く姿にも感銘を受けました。

私も連載|師匠!私を弟子にしてくださいで様々な一次産業の現場に弟子入りしていますが、どのお仕事も本当にハードです。
暑い日も寒い日も雨の日もお休みはありません。

Sitakke
トウモロコシ農家に弟子入り!「芽かき」から伝票作業まで…

でも、だからこそ愛情のこもったおいしいおいしい野菜ができているということも毎回実感しています。
農業の大変さやどれだけ大切に育てたかということを深く知っているまりこさんだからこそ、より野菜のおいしさを伝えられるレシピと動画に繋がっているように感じました。

「考えすぎちゃうとマイナスなことを考えてやらない理由を見つけがち」というまりこさんの言葉。

まさに私にも仕事でもプライベートでも、心当たりがあります…。
やってみたいと思うことに対して、まっすぐ向き合って、飛び込んでみたい!と勇気をもらえた気がしました。

Sitakke

まりこさんのことしの目標はお子さんが大好きなプリンセスを見にディズニーに行くこと!

「子どもたちが笑ってくれる生活を送りたい」

そう笑顔で締めくくってくれました。

◆取材協力
いんなみ農園 まりこさん

◆インタビュアー 連載|師匠!私を弟子にしてください HBCアナウンサー・東峰優華

連載|私のきっかけ

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年12月)の情報に基づきます。

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