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「これじゃ使えないよ。方向性がズレてる」と提出した資料を見ずに返す上司。だが、役員会議で上司が見せたのは…

  • 2026.2.9

資料を見てくれない上司

「部長、例のプロジェクトの資料、完成しました。かなり時間をかけてデータを洗ったので、自信作です」

高鳴る胸を抑え、分厚い束をデスクへ。

連日の残業で練り上げた、渾身の企画書。

しかし、返ってきたのは冷ややかな反応でした。

表紙をパラパラとめくっただけで、大きなため息一つ。

「……うん、なんか違うな。これじゃ使えないよ。方向性がズレてる。やり直して」

「えっ……?でも、この数値の根拠は前回の会議で……」

「いいから。もっとこう、パッと見てわかるようなのが欲しいんだよ。これじゃあ響かない」

中身をほとんど見ていないのは明らか。

湧き上がるモヤモヤとした感情。

あんなに時間をかけたのに、否定されるのは一瞬……。

「わかりました」と力なく下がるしかありませんでした。

見てくれていたのは

転機は数日後。

別の部署の役員と廊下ですれ違った時のことです。

「あ、君。この前の資料、見たよ」

「え?資料ですか?」

「うん、共有フォルダに入ってたやつ。あの市場分析、素晴らしいね。実は昨日の役員会議で使わせてもらったんだよ。おかげで話がスムーズに進んだ」

「本当ですか!ありがとうございます、見ていただけて光栄です」

捨てられたと思っていた仕事が、まさか別の場所で評価されていたとは。

「見てくれている人はいる」。

鬱屈した気持ちが一気に晴れ渡るような瞬間でした。

喜びも束の間

しかし、その安堵も束の間。

直後に目撃した光景に、私は言葉を失います。

「今回の役員会議、大成功だったよ。やっぱり俺の読み通り、あのデータが決め手だったな」

得意げに部下たちへ語る、あの部長の姿。

「『こういう根拠があるんです』って説明したら、社長も納得してくれたよ」

手元のスクリーンに映し出されていたのは、なんと私が作り、彼が「使えない」と切り捨てたはずのあの資料。

「……え?」

わが耳を疑う事態。

彼は何食わぬ顔で、私の資料を「自分の成果」として語っていたのです。

怒りというより、背筋が凍るような感覚。

自分の保身のためなら、他人の成果も平気で利用し、過去の発言さえなかったことにできる。

そんな人間の「闇」を垣間見た気がしました。

以前の私なら、感情的になっていたかもしれません。

でも、この一件は私に大切な教訓を与えてくれました。

「ただ黙って飲み込むだけじゃダメだ。根拠があるなら、その場でしっかり伝えないと」

あの時、もっと食い下がっていれば、結果は違っていたはず。

すぐに「スカッとする」結末ではありませんでしたが、仕事への向き合い方を根本から見直すきっかけに。

「あの経験も、無駄じゃなかったな」

今ではそう思える自分がいます。

理不尽なことは多いけれど、自分の仕事に誇りを持ち、言うべきことは言う。

60代になった今、ようやく仕事の本当の難しさと面白さがわかってきた気がします。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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