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【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える

  • 2026.2.2

ドゥカティから完全新作のV2エンジンがリリースされた。本誌ではすでにプロライダーによるインプレッションをお伝えしているが、今回はより読者の目線に近い、編集・藤田の試乗レポートをお届けする。

PHOTO/N.SHIBATA TEXT/Y.FUJITA

取材協力/ドゥカティジャパン

☎0120-030-292 https://www.ducati.com/jp/

ツーリングだけでなくサーキットでも楽しめる

ムルティストラーダV2Sに乗って、真っ先に感じたのはその「ちょうどよさ」だった。大柄なアドベンチャーモデルに対して抱きがちな不安、例えば引き起こしや取り回しなどがすべて、思ったより軽く感じたのだ。

25年型のムルティストラーダは、パニガーレV2と同じく新開発のV2エンジンを搭載。ただし最高出力は115.6psと、パワーは少し抑えられている。ミッションのギア比はツーリング向けに調整されており、1速はショート、6速はロングに設定。加えて専用フライホイールの搭載により、回転の慣性モーメントが20%向上しているので、発進はよりイージーになり、高速道路では回転を抑えつつ、快適に巡航できるというわけだ。

跨がってみると、こちらもやはりその軽さに驚いた。旧型から18kgもの軽量化を果たし、車体の引き起こしはかなりラクになった印象だ。

シート高は790mm(2段階の設定のうち低い方)で、アドベンチャーとしてはやや低い数値。これに加えて新設計のスリムなサブフレームにより、足着き性や乗車時の足元のポジション自由度はかなり高い。さらにこのSバージョンは電子制御サスペンションを採用しており、ハンドルに備えられたボタンを押すだけでシート高を8mm下げることも可能になっている。

今回試乗した袖ケ浦フォレスト・レースウェイは、路面に大きなギャップのある箇所が点在している。しかし、ドゥカティ・スカイフック・サスペンションは、こうした路面の凹凸を見事に吸収してくれた。ライダーの姿勢変化が少なく、車体の上下動もいたって穏やか。加えてブレーキングでのノーズダイブや加速時のスクワットを抑える機能もあり、加減速での安定感が非常に高いのだ。

【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
ドゥカティ MULTISTRADA V2 S

サーキットでの試乗だったため、ムルティストラーダV2Sのスポーツ性の高さも体験することができた。フロント19インチとは思えないほどコンパクトに旋回でき、ラインも素直に決まる。重量を増したフライホイールのおかげでパニガーレよりもスロットルレスポンスが穏やかなので、気持ちよく全開にできた。僕みたいなレベルのライダーなら、むしろこれくらいの気楽さがあった方が、サーキット走行を楽しめると感じたほどだ。

コンパクトで軽量、身構えることなく跨がれる気軽さは、V2Sよりも約30kgも重くて車体も大柄なムルティストラーダV4に対して大きなアドバンテージと言える。「ちょっとそこまで出かけよう」と思わせる、心地よいバランス感こそがこのバイクの魅力だ。

新型ムルティストラーダV2Sは、クロスオーバーモデルに求められる「万能さ」を高次元で実現している。今、世界的に注目されるミドルクラスアドベンチャーの中で、ひとつの完成形を見た気がする。

DUCATI MULTISTRADA V2 S

【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
DUCATI MULTISTRADA V2 S
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
1:5インチTFT液晶メーターを採用。3タイプの表示モードが選べる他、Sモデルにはスマホと接続して、ターン・バイ・ターンのナビ機能などが使えるマルチメディアシステムを採用。
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
2~3:路面状況に応じて減衰力などを調整するセミアクティブサスペンションのドゥカティ・スカイフック・サスペンションを採用。リアのプリロードを最弱にしてシート高を8mm下げる「ミニマムプリロード」機能のボタンを左ハンドルに装備。
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
2~3:路面状況に応じて減衰力などを調整するセミアクティブサスペンションのドゥカティ・スカイフック・サスペンションを採用。リアのプリロードを最弱にしてシート高を8mm下げる「ミニマムプリロード」機能のボタンを左ハンドルに装備。
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
4:シート高は790/830mmに調整可能。スリムな設計も相まって足着きは良好。タンクは20Lで、約400kmの航続距離を実現。
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
5:エキゾーストは触媒をエンジン下に配置して低重心化を促進。エンジン特性に合わせて中低速域での扱いやすさを高めている。高剛性な両持ち式スイングアームでトラクション特性を強化。
【ドゥカティ MULTISTRADA V2 S】サーキットでのファンライドも気負わず向き合える
6:フロントは19インチを採用し、オンロードから軽いオフロードまでの性能を両立。ブレーキにはコーナリングABSを搭載する。
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