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駅で激しい口論をする二人の客→「自分が止めなければ」駅員が割って入ると?次の瞬間、“驚きの結末”に「後悔が頭をよぎりました」

  • 2026.2.9
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出典元;photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。かつて駅員として鉄道の現場に立ち、現在は介護の現場で奮闘しているライターの淵田豊です。

「駅員さん、ちょっと!」 そんな声が日常茶飯事に響く、都内屈指の巨大ターミナル駅。

駅員になりたての頃、私は「お客様に誠実に向き合うこと」こそがプロの仕事だと信じて疑いませんでした。しかし、赴任初日に遭遇したあるトラブルが、その考えを180度変えました。

丁寧な謝罪だけでは解決できない、自分と周囲の安全を守るための「引き際」と「判断」。今回は、私が群衆の中でパンチを浴び、絶体絶命の窮地で学んだ「危機管理」についてお話しします。皆様も仕事で「良かれと思って割って入ったのに、裏目に出た」という経験はありませんか?

赴任数時間で遭遇した、異様な「熱気」

それは新しい任地に赴任して、まだ数時間の出来事でした。

改札口で切符を切る業務(当時は手切りでした)に就いていた私は、極度の緊張感の中にいました。

ひっきりなしに行き交う数万人の群衆。その一角で、異様な熱気が立ち上っているのに気づきました。一人の乗客と、知人と思われる男性。二人は至近距離で睨み合い、今にも掴みかからんばかりの激しい口論を繰り広げていたのです。

「事故になってはいけない、自分が止めなければ」

新人ゆえの純粋な正義感に突き動かされ、私は吸い込まれるように二人の間に割って入りました。しかし、これこそが最大の過ちでした。興奮状態の二人に、制止する私の声など届きません。次の瞬間、空を切ったパンチが私の顔面に当たりました。

野次馬が何層にも重なり、私は怒号と群衆のど真ん中に完全に孤立してしまったのです。

絶体絶命で見守った、ベテランの「二手三手先」

周囲は、助けを呼ぶ声さえかき消されるほどの喧騒。

「なぜ一人で突っ込んでしまったのか」という後悔が頭をよぎりましたが、ここで取り乱せば周囲を巻き込む将棋倒し事故に繋がりかねません。

私が取った行動は、あえて「抵抗せず、視線を外さないこと」でした。駅員としての威厳を振りかざすのではなく、まずは「安全な壁」としてその場に留まり、事態の悪化を食い止める。内心で「先輩、早く来てくれ!」と叫びながら、じっと耐えました。

その時、地鳴りのような怒鳴り声が響きました。

「警察が来てるぞ! 道を空けろ!」

状況を冷静に観察していたベテランの先輩でした。先輩は闇雲に突っ込むことをせず、まず警察を動員し、群衆を整理して「逃げ道」を作ってから私を救出したのです。これこそが、個人の勇気に頼らない、冷静沈着なプロのリカバリーでした。

「違和感」を組織の「警報」に変える

翌日、再び改札付近で険悪な空気が流れ始めました。前日の私なら、また一人で駆け寄っていたでしょう。しかし、この日は違いました。

「嫌な予感」がした瞬間に、躊躇なく駅事務室へ連絡し、警察への通報を要請。結果、騒ぎが大きくなる前に警察が到着し、野次馬が集まる暇もなく事態は収束しました。

この経験から得た教訓は、「プロの責任とは、自分一人で解決することではない」ということです。特に安全に関わる現場では、違和感を感じた瞬間に組織や専門機関を巻き込むスピードこそが、最大のリスク回避であり、最高の顧客対応なのです。

「誰かを頼る」ことは、冷静な戦略である

仕事終わりのリフレッシュを台無しにするようなトラブルは、どこにでも潜んでいます。しかし、トラブル自体を恐れる必要はありません。大切なのは、初期動作の判断です。

「嫌な予感」がした時は、勇気を持って誰かを頼ってください。それは逃げでも無能でもなく、プロとしての冷静な「戦略」なのです。

明日も皆様の職場が、安全で穏やかなものでありますように。


ライター:淵田 豊(ふちた ゆたか)

鉄道業界10年を経て、33歳で介護の世界へ転身。以来30年、現場の第一線で高齢者福祉に携わってきた現役実務家ライター。自身の転職体験から、年齢やキャリアを超えて「プロの技術」を謙虚に学ぶ姿勢の大切さを発信。現場経験に裏打ちされた、温かみのある執筆スタイルが持ち味。


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