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成熟世代の女性を支える「4大漢方薬」と代表的な6つの生薬の効能や副作用とは?

  • 2026.1.28
Strauss/Curtis / Getty Images

更年期からポスト更年期によく使われる漢方薬を挙げました。それぞれの漢方薬によく使われる生薬の効果と副作用にも注目してください。同じ生薬が使われている場合は、併用すると過剰に取り過ぎて副作用が出る生薬もあるなど要注意です。

女性に頼もしい4大漢方薬

加味逍遥散(かみしょうようさん)

柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、白朮(びゃくじゅつ)蒼朮(そうじゅつ)、当帰(とうき)、茯苓(ぶくりょう)、山梔子(さんしし)、牡丹皮(ぼたんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、薄荷(はっか)

更年期の不調、女性ホルモンに関係する不調や病気によく使われる漢方薬です。特に肩こり、疲れ、精神症状(イライラ、怒りっぽい、うつっぽさ)などが強いときに選びます。山梔子、甘草、当帰は副作用の可能性がある生薬なので、取り過ぎには注意が必要です。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂皮(けいひ)、茯苓、牡丹皮、桃仁(とうにん)、芍薬

婦人科領域で女性ホルモンに関係する不調に使われる三大処方のうちのひとつ。しっかりした体格で体力のある実証タイプの人の下腹部痛、のぼせ、足冷え、めまい、肩こり、便秘などに使われます。桂皮にはアレルギーなどの副作用があるので留意してください。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

桃仁、桂皮、大黄(だいおう)、甘草、芒硝(ぼうしょう)

血流が滞っていてあざやシミができやすい瘀血タイプの人で、便秘がある人の女性ホルモンに関係する不調に使われます。症状としては生理不順、生理痛、産後の不安、腰痛、便秘、のぼせ、頭痛、肩こり、不眠、動悸、打撲傷など。下肢の冷えにも効果があります。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

茯苓、桂皮、蒼朮(白朮)、甘草

女性に多いめまいと冷えのある人に処方されます。立ちくらみ、動悸、耳鳴り、頭痛、息切れ、メニエール病、不眠、自律神経失調症などの改善にも使われます。甘草には副作用があり、摂取量は一定量(1日2.5g以上)を超えないようにすることが大切です。

女性のライフステージにおける体調不良とその対応
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漢方薬の中身、6つの生薬の効能と副作用

桃仁(とうにん)

血液を巡らせて、滞りを改善する作用

桃の種子を割ると中に柔らかい実が入っていますが、それを乾燥させたものが「桃仁」です。血液を巡らせて、溜まったものを取り去る作用のある生薬で、骨盤内の血液のうっ血を防ぎ、体中隅々の毛細血管まで巡りをよくします。また、皮膚温上昇作用、抗アレルギー作用もあります。閉経した後も骨盤内はうっ血しやすいため、血液が滞る瘀血タイプの人の不調に効果があります。

芒硝(ぼうしょう)

便秘薬の酸化マグネシウムと同様の副作用

芒硝は硫酸ナトリウムからなる鉱物で、温泉にも含まれている成分です。正倉院に遺された生薬のなかに芒硝もあったことが後年の科学調査で明らかに。酸化マグネシウムと同じ作用があり、便秘のない人が飲むと下痢をしやすいので要注意。副作用は下痢と腹痛で、内服後数時間で起こり数日で改善します。体内の水分量を調節し、脱水やむくみ、立ちくらみを改善する利水作用もあります。

山梔子(さんしし)

長期使用で腹痛や下血の副作用

クチナシの果実である山梔子には、胆汁の分泌を促す利胆作用、抗炎症作用、鎮静作用などの効果があります。長期服用には注意が必要で、山梔子を5年以上服用すると特発性腸管膜静脈硬化症を発症する場合があります。「加味逍遥散」「加味帰脾湯(かみきひとう)」など、山梔子が含まれた漢方薬の年単位の長期服用には注意を。ほかにも腹痛や下血などの副作用の可能性があるので気を付けましょう。

大黄(だいおう)

耐性ができやすいため、使用量が増えないように

大黄は、下剤の原材料となっているセンノシド(センナ)のこと。排便を促す作用に加え、抗炎症作用、肝保護作用、血液凝固抑制など優れた作用があります。副作用は下痢や腹痛。内服後数時間で副作用は起こり、症状は数日で改善します。長期間使用すると耐性(慣れ)を生じ、効果が感じにくくなって使用量が増え、より効きにくくなる悪循環を起こすことがあるため、使用量には十分注意します。

甘草(かんぞう)

取りすぎによるむくみや血圧上昇に注意

漢方薬の70%に含まれている甘草。主成分は砂糖の50~200倍の甘味があるグリチルリチン。醬油やたくあんの甘味にも使われています。慢性肝炎の治療薬、市販薬の総合感冒薬に含まれている場合も。甘草には咳を鎮める、鎮痛、抗炎症、抗アレルギーなどの効果がある一方で、むくみ、血圧上昇などの副作用があり、多量に長期間使用することで副作用が出やすいので注意が必要です。

黄芩(おうごん)

頻度は少ないが間質性肺炎や肝機能障害の可能性が

風邪、インフルエンザ、気管支炎、胃痛など消化器疾患などに使われる「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」や、更年期障害、高血圧、動悸、口内炎などに使う「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などに含まれる生薬。シソ科のコガネバナの根で抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用があります。副作用に息切れ、から咳があり、頻度が少ないながらも間質性肺炎や肝機能障害の副作用が。

取材・文=増田美加 編集=本田リサ(婦人画報編集部)

『婦人画報』2026年2月号

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