1. トップ
  2. 雪の中で“子連れ”で投票する親 嘆きの投稿に反響「正直きつい」「交代して投票に」

雪の中で“子連れ”で投票する親 嘆きの投稿に反響「正直きつい」「交代して投票に」

  • 2026.2.10
undefined
出典元:photoAC(画像はイメージです)

2026年2月8日(日)に行われた衆議院議員総選挙をめぐり、SNSで注目を集めたのが「赤ちゃん連れでの投票は想像以上に大変」という声でした。

投票所での行列、雪や寒さの中での外出、夫婦で交代しながら投票に行く工夫など、子育て世帯ならではの悩みが多く投稿されています。

一方で、現在は子どもを連れて投票所に行くこと自体は制度上認められており、自治体によっては親子投票を後押しする取り組みも行われています。

赤ちゃん・子ども連れ投票をめぐるルールや実情、SNSで寄せられたリアルな声をもとに、「子育て世帯にとっての投票の壁」を見ていきます。

実はOKだった「18歳未満の同伴」

2016年の公職選挙法改正により、選挙人が投票所に同伴できる子どもの範囲は、それまでの「幼児」から「18歳未満」へと拡大されました。現在は、赤ちゃんや小学生、中高生も、保護者(投票人)と一緒に投票所に入ることができます。

これは、子どもが投票用紙に記入したり投票箱に触れたり投函したりすることはできないものの、保護者のそばで投票の様子を見学することが認められているという意味です。こうした「親子連れ投票」には、実は大きな意義があるとされています。

2018年の参議院議員通常選挙後に総務省が行った調査(18歳〜20歳の3000人を対象にしたインターネット調査)で、「子どものころに親の投票について行ったことのある人・ない人の投票参加の比較」をしたところ、親に同行した経験が「ある人」の投票率は63.0%だったのに対し、「ない人」は41.8%にとどまり、20ポイント以上の差があることが分かりました。子どものころの体験が、将来の投票行動につながっていることがうかがえます。

こうした結果を踏まえ、総務省や各自治体では「親子連れ投票」を推奨しており、地域によっては独自の取り組みも。静岡県熱海市では、今回の選挙で保護者とともに投票所を訪れた18歳未満の子どもに、文房具などの記念品をプレゼントしたということです。

周囲への配慮がスムーズな投票につながる

子ども連れで投票所を利用する際には、いくつか注意点があります。

横浜市港北区の公式サイトでは、「貴重な社会教育の場になるため、ぜひ、お子さまと一緒に投票所にお越しください」と呼びかけるとともに、下記についてルールを守るよう求めています。

  • 子どもだけでは入場できません。
  • 走ったり歩き回ったりするなど、他の方の迷惑にならないようご注意ください。
  • 投票について相談したり、大声で騒いだりしないでください。
  • 他の方の投票をのぞき見ないでください。
  • 子どもに投票用紙を記入させたり、投票用紙を投票箱に入れさせたりすることはできません。

また、子どもが騒いだり、選挙人から離れて歩き回ったりしないよう、目を配ることが必要です。あわせて、ほかの選挙人の投票内容をのぞき見することがないよう、注意することも大切です。

「同伴できる」からこそ、周囲への気配りが安心感につながります。

「正直きつい」雪・行列・時間との戦い…リアルな声

SNSでは、赤ちゃんや子どもを連れての投票に対する経験や思いについて、さまざまな声が寄せられています。

「投票所が行列で、外で待つ時間が長かった」「雪が降る中、赤ちゃんを連れて外出するのは正直きつい」といった声は、今回の選挙日が強い寒波に見舞われたこともあり、多く見られました。

その一方で、「夫婦で交代して投票に行った」「片方が車で待機して、もう片方が投票した」など、家庭ごとの工夫も共有されています。

また、「子ども連れで行ったら、係の人が優しく声をかけてくれた」「記念品をもらって、子どもが嬉しそうだった」といった前向きな体験談もあり、苦労と同時に温かさを感じたという声も少なくありません。

投票しやすい社会は、子育てしやすい社会

赤ちゃんや小さな子どもを育てながら投票に行くことは、決して簡単ではありません。行列、天候、時間の制約など、子育て世帯ならではの「見えにくいハードル」が存在しています。

一方で、制度上は子ども連れの投票が認められ、親子投票の意義も広く共有されつつあります。誰もが無理なく一票を投じられる環境づくりは、民主主義の課題であると同時に、子育てしやすい社会づくりにも直結するテーマです。

「行けない人の問題」ではなく、「どうすれば行きやすくなるか」…そんな視点が、これからの選挙には求められているのかもしれません。


参考:
親子連れ投票について(岡山県)
親子連れ投票周知チラシ(総務省)
親子で投票にいってみませんか?(静岡県熱海市)
Q.投票所に子どもも一緒に入場できますか?(横浜市港北区)


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】