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「最近疲れやすい」は糖のせい? 医師が警告する、高血糖の初期症状11選と“危険な息の匂い”

  • 2026.1.26
Jajah-sireenut / Getty Images

食事をすると、体は炭水化物をグルコース(ブドウ糖)に変換する。「これは体にとって不可欠な燃料である」と、ユニファイド・エンドクリン&ダイアベティス・ケアの内分泌専門医、チャヤ・マキジャ氏は言う。このグルコースは血流中に放出される。そしてインスリンが、グルコースを細胞内へと移動させ、エネルギーとして利用されるのを助けるのだ。しかし、この最終ステップがうまくいかないと、血流中にグルコースが蓄積してしまう。これが高血糖を引き起こし、糖尿病の指標となる可能性のある「高血糖症状」を経験することになる。

高血糖とは、血流中にグルコースが多すぎる状態を指す」と語るのは、代謝健康を専門とする医師のリサ・シャー氏。これは通常、体がインスリンを生成できない(1型糖尿病)、十分なインスリンを生成できない(2型糖尿病)、あるいはインスリンを効果的に使用できない(前糖尿病および2型糖尿病)ために起こるという。ただし、糖尿病でなくても高血糖を経験することはある。

<専門家の紹介>チャヤ・マキジャ氏(M.D.): ユニファイド・エンドクリン&ダイアベティス・ケアのCEO兼創設者、内分泌専門医。リサ・シャー氏(M.D.): ツイン・ヘルス執行副社長兼最高医療責任者。代謝健康を専門とする医師。アキル・シェノイ氏(M.D.): 内分泌専門医、内科医。エアロフロー・ダイアベティスの医療アドバイザー。

高血糖症状がもたらすリスク

高血糖を放置すると、疲労感や衰弱、脱水症状を引き起こし、さらには糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)や高浸透圧高血糖状態(HHS)といった命に関わる合併症につながる可能性がある。しかし、内分泌専門医で内科医のアキル・シェノイ氏によれば、最初は何の症状も感じないことがあるという。「高血糖は、すぐにそれとわかるほど明白であるとは限らない」とシャー氏は解説する。「症状は徐々に現れ、曖昧な場合が多いのだ」

そのため専門家は、特に糖尿病のリスク要因がある場合は、定期的なスクリーニングを推奨している。リスクがない場合でも、次に挙げる高血糖の症状に注意を払い、複数の症状が一度に現れた場合は医師の診察を受けてみよう。

「高血糖」の初期症状11選

Daniel de la Hoz / Getty Images

①頻尿

常にトイレに駆け込んでいないだろうか? それは高血糖のせいかもしれない。「血糖値が高くなると、体はバランスを取り戻そうと懸命に働く」とシャー氏は言う。腎臓が余分な糖分を排出しようとしてフル回転するのだ。「腎臓は固形の角砂糖をそのまま押し出すことはできないため、糖と一緒に水分を引き込み、結果として過剰な排尿につながる」とシェノイ氏は説明する。

②喉の渇きが増す

体は一つのシステムだ。腎臓が余分なグルコースを排出しようとし、排尿が増えるにつれて、喉も乾くようになる。「脳が高血糖を察知し、より多くの水を飲むように信号を送るのだ」とマキジャ氏は解説する。気づけば以前より頻繁に水を手にとっているかもしれない。また、衰弱や口の渇きといった脱水症状を経験することもある。

③疲労感

高血糖は、あなたを衰弱させ、疲れ果てさせ、いつもの自分ではないように感じさせることがある。「だるさや疲労感、活気のなさを感じるかもしれない。頭に霧がかかったように感じたり、物事に集中するのが難しくなったりすることもある」とシャー氏は言う。全体的に「調子が悪い」と感じるのが一般的だ。時間が経つにつれ、喉の渇きや頻尿といったより明白な症状に気づくようになる。

④絶え間ない空腹感

血糖値が高いとき、グルコースは血流中で「立ち往生」している状態だとシェノイ氏は説明する。「一方で、脳、心臓、筋肉細胞といった体の細胞は、正常な機能に必要な糖を受け取れていない」。そのため、体は「飢餓モード」に入ることで補おうとし、通常よりも空腹を感じるようになるのだ。

⑤体重減少

高血糖は、いくつかの理由から、急速で原因不明の体重減少を引き起こすことがある。クリーブランド・クリニックによれば、体がエネルギー源としてグルコースを頼れなくなると、代わりに脂肪や筋肉を燃やし始めるという。「これは不健康なタイプの体重減少だ」とシェノイ氏は指摘する。さらに、排尿の増加や脱水症状も体重減少の要因になるとマキジャ氏は付け加える。

⑥視界のかすみ

長期間の高血糖は、目を含む体中の血管や神経にダメージを与える可能性がある。血管からの漏れ(黄斑浮腫として知られる)により黄斑(目の一部)が腫れ、視界がかすむことがある。糖尿病網膜症は、非常に長い期間の高血糖を経て、血管の漏れや異常な新生血管の増殖を引き起こし、失明に至ることもある。ただし、これは最悪のシナリオであり、通常は発症までに時間がかかる。

また、単に脱水症状によって視界がかすむこともある。「脱水は目に影響を与える。特に網膜には豊富な血液が供給されているからだ」とマキジャ氏は言う。体内の水分が不足すると、一時的に視界がぼやけることがある。「(しかし)何年も高い血糖値が続けば、目は永久的な損傷を受ける可能性がある」とシェノイ氏は警告する。

⑦頻繁な感染症

慢性的な高血糖は「免疫反応を低下させ」、体が感染症と戦うのを難しくするとマキジャ氏は説明する。常に脱水状態であることも、状況を悪化させる。その結果、普段よりも頻繁に病気になったり、一度引いた風邪が長引いたりすることに気づくかもしれない。

⑧傷の治りが遅い

高血糖は免疫反応に影響を与えるため、切り傷やあざの治癒も遅らせる。また、慢性的な高血糖は血行不良や神経障害を引き起こすこともあり、「怪我への気づきを遅らせ、治癒をさらに遅らせるという悪循環を招く」とマキジャ氏は付け加える。

⑨フルーツのような甘い息

「フルーティーな息(吐息の甘い匂い)」は、単なる高血糖のサインではなく、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)という危険な合併症の症状だ。体がエネルギーとしてタンパク質や脂肪を燃やし始めると、ケトン体が放出されるとマキジャ氏は説明する。このケトン体の一つであるアセトンが、息をフルーティー、あるいは金属のような臭いに変えるのだ。これはすぐに医師の診察が必要な警告サインだ。放置されたDKAは死に至る可能性があるため、直ちに救急外来へ向かってほしい。

⑩意識の混乱

高血糖は疲労やブレインフォグを引き起こすが、もしそれらの症状が深刻になり、混乱や方向感覚の喪失、せん妄を感じるようになった場合は、緊急の医療ケアが必要だ。イェール・メディスンによれば、こうした「精神状態の変化」は、DKAや高浸透圧高血糖状態(HHS)といった、命に関わる合併症の症状である可能性がある。

⑪胃の不調

吐き気、嘔吐、腹痛はDKAの警告サインだ。体がグルコースをエネルギーとして利用できず、脂肪やタンパク質を燃やしてケトン体を放出すると、そのケトン体が消化管に蓄積し、胃を刺激する。「吐き気、嘔吐、腹痛、あるいは意識の混濁を感じたら、ケトン体を確認し、緊急のケアを受けてほしい」とマキジャ氏は言う。ケトン体試験紙(尿中のケトン体を検出する市販のテストストリップ)などで確認することも可能だ。

【放置厳禁】高血糖が引き起こす深刻な合併症は?

Iuliia Burmistrova / Getty Images

高血糖はささいな変化から始まるが、放置すれば深刻な合併症を引き起こす。「初期段階では症状を感じないかもしれないが、長期的な高血糖は、気づかないうちに不可逆的なダメージを静かに引き起こす」とマキジャ氏は語る。

血流中にグルコースが蓄積すると、血管が損傷し、続いて臓器や神経にもダメージが及ぶとシェノイ氏は説明する。慢性的な高血糖は、昏睡や臓器不全、最悪の場合は死に至る可能性のある「DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)」と「HHS(高浸透圧高血糖状態)」という2つの深刻な合併症を招く恐れがあるのだ。

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)

DKAは、特に1型糖尿病の人によく見られる深刻な合併症だ。体がグルコースをエネルギーとして使えないときに脂肪やタンパク質を分解し始めるが、「このプロセスの副産物であるケトン体が血液中に蓄積し、血液を危険な酸性状態にする」とシャー氏は言う。

主な症状には、以下が含まれる。DKAは命に関わる緊急事態であり、迅速な治療が不可欠だ。

  • 頻尿
  • 喉の渇き
  • 疲労
  • 絶え間ない空腹感
  • フルーティーな息
  • 意識の混乱
  • 胃の不調(吐き気・嘔吐)
  • 心拍数の上昇
  • 息切れ
  • 失神

高浸透圧高血糖状態(HHS)

HHSも危険な合併症だが、こちらは2型糖尿病の人により多く見られる。血糖値が高すぎる状態が長く続くと、極度の脱水症状と意識の混乱を引き起こす。DKAのような過剰なケトン体は見られないのが特徴だ。

「HHSは血糖値が極端に高い点ではDKAと似ているが、体はケトン体の蓄積を防ぐのに十分なインスリンを生成している」とシャー氏は説明する。「代わりに、過剰な糖分によって血液の濃度が非常に濃くなることが問題となる。体はそれを薄めようとして他の場所から水分を血流に引き込み、それが脱水を悪化させ、電解質バランスを崩してしまうのだ」

【結論】自分の数値を把握し、早めの相談を

定期的な血液検査(あるいは指先での簡易検査)によって、医師はあなたの血糖レベルを把握することができる。幸いなことに、早期に発見できれば、血糖値を管理するための多くの治療薬(「オゼンピック」のようなGLP-1受容体作動薬からインスリン製剤まで)が利用可能だ。

もしこの記事にあるような症状があったり、血糖値の高さが気になったりする場合は、次にすべきことを医療従事者に相談してみよう。もしDKAやHHSの疑いがあると感じたら、迷わずすぐに治療を受けてほしい。重症化すると、けいれんや臓器不全、昏睡を引き起こす可能性がある。「症状が悪化したり、確信が持てなかったりする場合は、すぐに119番通報するか救急外来へ行ってほしい。DKAやHHSは自宅で対処できるものではないのだから」とマキジャ氏は結んでいる。

※この記事は『Prevention』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。

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