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「オリンピックメダリストまで」「豪華すぎ」4年前の日曜劇場に“本物のスポーツ選手”が集結…!今だから観返したい一作

  • 2026.2.28

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの熱狂が続いている。連日のメダル獲得のニュースにわくなか、あらためて観返したいドラマが綾野剛主演の日曜劇場『オールドルーキー』だ。37歳で元サッカー日本代表選手を現役引退し、セカンドキャリアに挑む姿を描いた本作。SNS上では「本物のスポーツ選手が豪華すぎ」「オリンピックメダリストまで出演していてびっくり」と驚きの声も上がっている。

栄光の裏にある影

オリンピックの舞台で、アスリートたちが極限の勝負に挑む姿を目にするたび、私たちは頂点を目指す物語にどうしたって心を奪われる。しかし、その栄光の瞬間の先、力を出し切った向こうの世界にどんな景色が広がっているのかを、どれほど想像できているだろうか。
『オールドルーキー』は、その“頂点の後”を描いた物語である。

主人公・新町亮太郎は、かつてサッカー日本代表として名を馳せた選手。決定的な場面でゴールを決め、“記録より記憶に残る男”として文字通り、人々の記憶に刻まれた。しかし怪我の影響でキャリアは下降線。37歳で突如、現役引退に追い込まれてしまう。
彼に、サッカー以外のスキルはない。社会人としては遅すぎるスタートだ。新町が直面するのは、スポーツ選手にとってもっとも残酷な現実と言えるかもしれない、引退後の人生だ。

選手を辞めたら、どうやって生きていけばいいのか。その問いは、オリンピックで輝く選手たちにも、いずれ訪れるもの。『オールドルーキー』が描いたのは、メダルの裏側にある葛藤である。

元オリンピアンたちが出演

セカンドキャリアを強いられた新町が選んだ再出発の舞台。それはスポーツマネージメントを手広く手がける会社・ビクトリーだった。現役アスリートの代理人として支える“裏方”の仕事。かつて自らが立っていたピッチの外側へまわる決断は、誇りと未練のせめぎ合いでもあった。

それでも彼が前を向くのは、サッカー選手だった父を誇りに思ってくれていた、娘たちのため。引退したことをまだ言えずにいる弱さも含め、このドラマは新町をヒーローとしてではなく、一人の父親としての側面も合わせて描いた。
そして本作の大きな魅力の一つが、圧倒的な説得力。SNS上では放送当時から「本物のスポーツ選手が豪華」「オリンピックメダリストまで出演していてびっくり」といった声が上がっていた。

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狩野舞子(C)SANKEI

実際、作中には元女子日本代表のバレーボール選手・狩野舞子、迫田さおり、江畑幸子、栗原恵、新鍋理沙らオリンピアンが出演。さらに、元男子日本代表監督・植田辰哉も登場するなど、まさに“本物”が集結した。体育館でのワンシーンでは、現役時代の空気を知る彼女たちがリアルな佇まいを見せた。

また、ミラノ・コルティナ五輪に出場したスキークロスの新井真季子選手も、かつて本作に出演していた。五輪で大クラッシュを経験しながらも気丈な姿勢の彼女は、ドラマのテーマと不思議なほど重なって見える。
勝敗だけではない、競技人生そのものが宝物だという感覚。それは、新町の歩みとも通じる。

いつか“新人”に戻るであろう私たちへ

主演の綾野剛もまた、この物語に確かな身体性を与えた。
学生時代に陸上で鍛えた身体能力を活かし、撮影では初めて本格的にサッカーをプレー。ピッチに立つ姿には、かつて代表だった男の誇りと、どこか取り残されたような寂しさが同居していた。

福田靖の脚本は人物の内面を丁寧に掘り下げ、新町の未練や葛藤を繊細に描く。だからこそ、格好悪くても、もがき続ける姿が胸を打つ。
オリンピックは、勝者の物語だ。しかし『オールドルーキー』は、その後の物語である。

メダルを手にした選手も、惜しくも届かなかった選手も、やがて競技から離れる日が来る。そこからどう生きるのか。誰かに誇れる自分でいられるのか。新町の問いは、アスリートだけのものではない。人生のどこかで“新人”になるであろう私たち、全員に向けられている。


ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_