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映画出演した犬の「インディ」が、犬として初めて最優秀演技賞を受賞

  • 2026.1.16
犬のインディが「最優秀演技賞」を受賞 / Credit:Canva

優れた演技を見せた俳優に贈られる「演技賞」。

その栄誉を人間以外の存在が受け取るという、驚きの出来事が現実に起こりました。

2025年公開のホラー映画『GOOD BOY』に主演した犬のインディが、アストラ映画賞の最優秀演技賞(ホラー/スリラー部門)を受賞したのです。

これは、犬が主要な映画の演技賞を受賞した史上初のケースでした。

目次

  • 映画『GOOD BOY』に出演した犬のインディ、最優秀演技賞を受賞
  • インディは俳優になるために育てられたのか?

映画『GOOD BOY』に出演した犬のインディ、最優秀演技賞を受賞

映画『GOOD BOY』は、人間ではなく犬の視点から物語が進むという、きわめて異色の超自然ホラー映画です。

物語は、持病を抱える青年トッドと、その相棒である犬インディが、亡くなった祖父の古い家に移り住むところから始まります。

新しい生活が始まったものの、トッドの体調は次第に悪化していきます。

一方でインディだけは、人間には見えない何かの存在を察知し、危険を知らせるかのような行動を取り続けます。

この映画で重要なのは、派手な恐怖演出や多くのセリフではありません。

インディに求められたのは、視線のわずかな動きや、音や気配に反応する間の取り方、そして飼い主を守ろうとする慎重な立ち位置といった、極めて繊細な表現でした。

観客は、犬の視線や行動を通して、何が起きているのかを想像させられます。

この非言語的な演技こそが『GOOD BOY』の恐怖演出の核であり、インディの存在が物語そのものを成立させていました。

その完成度は高く評価され、アストラ映画賞ではイーサン・ホークやアリソン・ブリーといった、人間の実力派俳優たちと並んでノミネートされました。

そして最終的に選ばれたのが、犬のインディだったのです。

これは、動物だけの特別な賞ではなく、人間の俳優たちと同じ部門で争った結果としての受賞です。

最優秀演技賞を受賞したインディとは、どんな犬なのでしょうか。

インディは俳優になるために育てられたのか?

インディは最初から演技ができるように育てられた特別な犬だったのでしょうか。

実は、そうではありません。

インディは、映画の監督であるベン・レオンバーグと、プロデューサーのカリ・フィッシャー夫妻が家庭犬として迎え入れた存在でした。

当初から映画出演やスター化を想定していたわけではなく、あくまで家族の一員として暮らしていた犬だったのです。

インディの犬種はノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバーで、人間と協力して狩りを行うために改良されてきた歴史を持ち、一般に知能が高く、人の合図に敏感だとされています。

ある人たちは、「確かにインディは俳優として優秀な血筋だった」と言うかもしれません。

それでも近年の研究では、賢い犬種だから演技ができると単純に結論づけることはできないと分かっています。

実際、2022年の研究では、犬種による性格の違いは個体の行動を正確に予測する指標にはなりにくく、比較的遺伝の影響が大きいのは「従順さ」だと報告されています。

つまり、実際の行動や能力には、育った環境や訓練の影響が大きく関わっているのです。

インディの成功は、特定の犬種だから実現したものではありません。

個体としての性格や、飼い主との深い信頼関係、そして長い年月を一緒に過ごす中で育まれたコミュニケーション、監督たちの粘り強い撮影が組み合わさった結果だったのです。

犬のインディが演技賞を受賞したという事実は、私たちの視野を大きく広げるものとなりました。

もしかしたら将来、犬以外の動物も最優秀演技賞を受賞することがあるかもしれませんね。

参考文献

This Duck-Tolling Retriever Just Scooped The First-Ever Acting Award For A Dog
https://www.iflscience.com/this-duck-tolling-retriever-just-scooped-the-first-ever-acting-award-for-a-dog-82216

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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