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ウェルシュケーキなどヨーロッパの伝統菓子と紅茶を楽しむ、金工作家・永井咲希さんのティータイム。

  • 2026.1.14

黙々と作業を重ねる時間も含めて、今の自分を知るティータイム。

ウェールズに伝わるウェルシュケーキは、シナモンなどのスパイスやレーズンを加えた生地を型抜きし、フライパンで焼成。グラニュー糖をたっぷりまぶして、バターはお好みで。
近所の公園へのピクニックは「光が気持ちいい朝に。6時頃から行くことも」。

主に真鍮とシルバーでジュエリーやカトラリーの制作を行っている永井咲希さん。自宅はアトリエを兼ねているため、仕事の日はほとんど家から出ず、気分転換になるお茶の時間を大切にしているという。しかし、単に紅茶でひと息ついているのではない。丁寧に成形したカルダモンロールや、自家製酵母を使ったカンパーニュで作るタルティーヌ、チョコレートケーキにウェルシュケーキ……、手の込んだ甘い一皿がいつもそばにある。

「凝り性なのか、ここ数年で料理にどんどん夢中になって、お菓子にパン、チーズなどまで手作りするように。特にお菓子づくりは材料を混ぜたり、生地を練ったりするときの色や形が『きれいだな』と思うことも多くて。手を動かして作って、出来上がりを眺めて、食べる。その過程丸ごとが楽しい。料理のプロではないので、まずは既存のレシピを再現するところからなんですけどね」

そう謙遜するものの、繰り返し作り、自分なりのアレンジが加わったそれぞれのお菓子は、体に染みわたるようなやさしい味わいだ。

「カルダモンロールやウェルシュケーキ、ほかにもスコーンやロックケーキなど、ヨーロッパの伝統菓子が好きなんです。昔から家庭で愛される味は素朴でしみじみおいしい。食べ飽きないし、ペアリング次第で味わいに幅が出るのもいい」

カルダモンロールとアッサムティーで朝食。「もっちりした生地の成形が大変で、形が独特に(笑)」
カンパーニュに自家製のリコッタチーズ、イチジクをのせ、バルサミコ酢をかけた。ミルクティーとともに。「〈ストウブ〉のココットで焼くとこんがりいい色」
りんごを加えたチョコレートケーキはクグロフ型で焼成。「リッチな味わいにはアッサムティーが合う」

紅茶は「気になるものをいろいろと試して、好みを見つけたらそれを飲み続けることが多い」という。特に甘い味に合わせるのは、静岡『マヤトレイディング』のさっぱりとしたアッサムCTC。パンと一緒に味わったのは〈POTS〉のミルクティーバッグ。台湾茶の茶葉にミルクと砂糖、そして金木犀の香りがパッケージされた手軽にして本格的な一杯だ。今回、ピクニックのお供に選んだ水出しハーブティーも〈POTS〉のもの。ノンカフェインで、赤紫蘇や月桃など漢方的な視点も踏まえた体にやさしいブレンドになっている。

「お菓子もお茶も、ベースの味はシンプルで、さりげなくアクセントがあったり、香りがいいものが好きなのかもしれません。口の中でスパイスがはじけたり、鼻から茶葉の香りが抜けたりする瞬間に『ああ、おいしいなあ』ってホッとします」

気取らないお菓子と、水色の美しい紅茶。それらを引き立てるのが、作家としてカトラリーを手がける永井さんらしいセンスが光る食器類だ。〈リュネヴィル〉や〈サルグミンヌ〉といったフレンチアンティークのプレート、カップ&ソーサーを中心に、柔らかく輝くカトラリー、現行品の白の食器などを揃えて、統一感のあるテーブルに。

「あれこれコーディネートを考えるのも好きで……、あ、お菓子を作ることや紅茶を淹れること、こうして食器を考えることも含めた一連の時間で、自分の調子を確認しているのかもしれません。仕事とは異なる、ひとり黙々とした作業と息抜きのなかで自分と対話している。そんな感覚です」

出典 andpremium.jp
永井咲希  金工作家

鍮とシルバーのアクセサリーやカトラリー、雑貨などを揃える〈POFU〉として、作品の制作・販売を行う。オブジェを手がけるアーティストの一面も。

photo : Ayumi Mineoka

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