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乾燥?アトピー?年代で変わるの?小児外科専門医竹内先生にお伺いしました

  • 2026.1.8

子どもが腕や背中を搔きむしっているのを見ると、とても辛い気持ちになりますよね。多くの子どもたちに起こり得るアトピー性皮膚炎について、たけうちファミリークリニック院長の竹内雄毅先生にお伺いしました。

ママ広場

「子どもの肌がカサカサして、かゆそう・・・これってアトピー?」

お子さまの肌トラブルは、保護者の方にとって大きな心配事ですよね。特にアトピー性皮膚炎は、多くのお子さまが経験する可能性のある疾患でありながら、正しい情報が少なく、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、子どものアトピー性皮膚炎について、保護者の皆さまに知っておいていただきたい大切なポイントを、最新の医学的知見を交えながら分かりやすく解説します。この記事を読んでいただくことで、お子さまの健やかな肌を守るための一助となれば幸いです。

子どものアトピー性皮膚炎とは?年代で変わる症状

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です 。その根本には、皮膚のバリア機能の低下と、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)が関係していると考えられています。

特徴的なのは、症状の現れやすい場所が年齢によって変化することです。以下の表に、年代ごとの特徴をまとめました。

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「ただの乾燥肌?」受診を考えるべきサイン

「乾燥肌」と「アトピー性皮膚炎」は、どちらも皮膚が乾燥しているという点では似ていますが、根本的に異なります。乾燥肌が「肌の状態」であるのに対し、アトピー性皮膚炎は治療が必要な「皮膚の病気」です。

では、どのような場合にお医者さんに相談すべきなのでしょうか。以下のサインが見られたら、一度小児科や皮膚科を受診することをお勧めします。

○強いかゆみがあり、掻きむしってしまう
湿疹が左右対称に現れ、2か月以上続いている
保湿剤でケアしても、乾燥や湿疹が改善しない

自己判断で「ただの乾燥肌」と思い込まず、医師の診断を仰ぐことが、適切な治療への第一歩です。

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アトピー性皮膚炎は「予防」できる

かつてアトピー性皮膚炎は、体質だから仕方がないと考えられていました。しかし、近年の研究により、新生児期からの適切なスキンケアで、アトピー性皮膚炎の発症リスクを大幅に下げられることが分かってきました。

日本の国立成育医療研究センターが発表した研究では、新生児期から毎日保湿剤を塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症率が3割以上低下したと報告されています。現在では「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」においても、出生直後からの保湿ケアが推奨されています。

これは、赤ちゃんの未熟な皮膚バリア機能を保湿剤で補い、外部からの刺激やアレルゲンの侵入を防ぐことで、アレルギー反応が起こるのを未然に防ぐという考え方に基づいています。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの深い関係

アトピー性皮膚炎と食物アレルギーには密接な関係があることが分かっています。ただし、その関係性は、かつて考えられていたものとは異なります。
従来は、「食物アレルギーが原因となってアトピー性皮膚炎が生じる」と理解されてきました。しかし現在では、その逆の機序が重要であると考えられています。アトピー性皮膚炎などにより皮膚のバリア機能が低下した状態では、皮膚から食物由来の成分が体内に侵入しやすくなります。その結果、体がそれらを異物として認識し、感作(アレルギー反応を起こす準備が整った状態)が成立します。この状態で該当する食物を口から摂取すると、食物アレルギーとして症状が現れる可能性が高まります。
この仕組みは経皮感作と呼ばれています。つまり、アトピー性皮膚炎を適切に治療し、皮膚の状態を良好に保つことが、食物アレルギーの発症予防につながると考えられています。

診断されたら?今日から始めるおうちでのスキンケア

もしアトピー性皮膚炎と診断されても、悲観する必要はありません。治療の基本は、ご家庭で毎日行う「スキンケア」です。医師から処方されたお薬を正しく使うことと並行して、以下のスキンケアを徹底することが、症状をコントロールし、快適な毎日を送るための鍵となります 。

1)清潔に保つ「入浴」のコツ
お湯の温度は、熱すぎない38~39℃のぬるま湯にしましょう。
・石鹸やボディソープは低刺激性のものを選び、よく泡立てて、手で優しくなでるように洗いましょう。ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗うのは厳禁です。
・洗浄成分が残らないよう、シャワーで十分にすすぎましょう。

2)うるおいを守る「保湿」の極意
・お風呂から上がったら、5分以内を目安に、できるだけ早く保湿剤を塗りましょう。
・保湿剤は、たっぷりと塗るのがポイントです。「ティッシュが肌に貼りつくくらい」が目安と覚えてください。
・擦り込まず、肌の上に優しくのせるように、皮膚のしわに沿って塗り広げましょう。
・保湿は1日2回以上、朝の着替えの時やお昼寝の後など、こまめに行うのが理想です。

さいごに

子どものアトピー性皮膚炎は、正しい知識を持って根気強く付き合っていくことが大切です。特に、皮膚の状態を良好に保つことが、食物アレルギーをはじめとする他のアレルギー疾患の予防にもつながるという視点は、非常に重要です。

保護者の方だけで悩まず、かかりつけの小児科医や皮膚科医をパートナーとして、二人三脚で治療を進めていきましょう。

【参考文献】
日本皮膚科学会, 日本アレルギー学会. アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021.

本記事の作成にあたり、文章表現の確認や校閲の一部に生成AIを使用しております。

執筆者

プロフィールイメージ
竹内雄毅
竹内雄毅

医学博士・小児外科専門医。京都府精華町「たけうちファミリークリニック」院長。京都府立医科大学小児外科客員講師。

小児科・小児外科の診療に加えて、地域の子どもを安心して預けられる病児保育を運営し、さらに絵本の読み聞かせや離乳食教室、ベビーマッサージなどの子育てイベントも展開している。クリニックを「行きたくない場所」ではなく「行きたくなる場所」に変えることを目指し、医療を軸としたコミュニティデザインに力を注いでいる。現在は、隣接地に人が自然に集まり安心して交流できる広場の構想を進めており、家族と地域が互いに支え合える環境を形にしていこうとしている。

京都府精華町「たけうちファミリークリニック」 ホームページ

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