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ある女性たちが、特に「有酸素・筋トレの推奨基準を満たせていない」と判明

  • 2026.1.6
米国女性の多くが推奨される運動量を満たしていないと判明。特定の女性たちで顕著。 / Credit:Canva

健康を維持するために運動は欠かせず、各国では科学的根拠に基づいた運動ガイドラインが設けられています。

しかし、私たちは実際にどれほどその基準を守れているのでしょうか。

今回はその中でも、妊娠や出産と深く関わる「18〜44歳の女性」に焦点を当て、日常生活の中で推奨される運動量を本当に満たせているのかを詳しく調べた研究を紹介します。

この調査を行ったのは、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)の研究者らで、米国全体を対象とした大規模健康調査のデータを用いて、女性の運動習慣を社会的背景ごとに分析しました。

その結果、ある女性たちは、特に推奨される運動基準を満たせていないことが分かりました。

研究成果は、2025年12月18日付の『Morbidity and Mortality Weekly Report』で発表されました。

目次

  • 米国女性(18~44歳)で運動の推奨基準を満たしているのは約4分の1だけ
  • 「どんな人」が特に基準を満たせていないのか?

米国女性(18~44歳)で運動の推奨基準を満たしているのは約4分の1だけ

有酸素運動と筋力トレーニングは、心臓や血管の健康を守るだけでなく、骨密度の維持、代謝機能の改善、精神的健康の向上など、さまざまな恩恵をもたらします。

特に妊娠・出産を経験する可能性のある女性にとっては、妊娠糖尿病や高血圧、産後うつのリスク低下にもつながることが知られています。

米国ではこうした知見を踏まえ、「中強度以上の有酸素運動を週150分以上」「筋力トレーニングを週2回以上」という明確な推奨基準が設けられています。

ただし、これまでの研究では、生殖年齢の女性がこの2つの基準をどの程度同時に満たしているのかを、人種や年齢、学歴といった社会的背景別に詳しく示した全国規模のデータは、あまり存在していませんでした。

そこで研究チームは、2022年と2024年に実施された米国の国民健康調査「National Health Interview Survey」のデータを統合し、18〜44歳の女性1万891人を対象に分析を行いました。

調査では、余暇時間に行う有酸素運動と筋力トレーニングの頻度や時間を自己申告で回答してもらい、それがガイドラインを満たしているかどうかを判定しています。

そして分析では、有酸素運動の時間が基準を満たしているか、筋力トレーニングの回数が基準を満たしているかという2点をもとに、女性たちを次の4つのグループに分類しました。

すなわち、有酸素運動と筋力トレーニングの両方の基準を満たしている人、有酸素運動のみ基準を満たしている人、筋トレのみ基準を満たしている人、そしてどちらの基準も満たしていない人です。

その結果、全体としては「有酸素運動と筋力トレーニングの両方の基準を満たしている女性」は約4人に1人にとどまり、約半数はどちらの基準も満たしていないことが分かりました。

ただし、この結果はすべての女性に一様に当てはまるわけではありません。

では、特にどのような人たちが基準を満たしていなかったのでしょうか。背景ごとの違いを見ていきましょう。

「どんな人」が特に基準を満たせていないのか?

詳しく見てみると、運動基準の達成率にははっきりとした違いがあることも分かりました。

まず年齢では、18〜24歳の若い女性で達成率が比較的高く、30代後半〜40代前半では全体としてやや低い水準になる傾向が見られました。

また学歴では、大学卒以上の女性ほど、有酸素運動と筋力トレーニングの両方を満たしている割合が高くなっていました。

さらに人種・民族別に見ると、非ヒスパニック系白人女性に比べて、黒人女性やヒスパニック系女性では、両方の基準を満たしている割合が低くなっています。

特に注目すべきなのは、筋力トレーニングに関する結果です。

調査対象の女性の約半数は、週に一度も筋力トレーニングを行っていないと回答しており、「筋トレだけ基準を満たしている」人はごく少数でした。

有酸素運動だけ基準を満たしている人は全体の約2割強いる一方で、筋トレだけを十分に行っている人は、全体の一部にとどまっています。

研究者らは、この結果を単に「運動への意識が低いから」とは解釈していません。

運動施設や器具へのアクセスのしやすさ、安全に運動できる環境、時間的余裕や育児・仕事の負担、筋力トレーニングに対する周囲の目など、いくつかの要因が運動習慣に影響し得ることが挙げられているのです。

つまり、こうした社会的・環境的な条件が、集団ごとの運動量の違いに関わっている可能性があるのです。

また、筋トレについては、正しいやり方を学ぶ必要があることや、器具を使う場が限られていること、筋トレに対するイメージの差などが、参加のハードルを高くしている可能性も指摘されています。

そのため、多くの女性にとっては、有酸素運動のほうがまだ取り組みやすく、筋トレは「やったほうが良いのは分かるけれど始めにくい運動」になっていると考えられます。

この研究は「誰が、どの運動を、どれだけ実践できていないのか」を可視化した点で大きな意義があります。

今後は、こうした差が生じる具体的な背景をさらに明らかにしたうえで、女性の生活環境や社会条件に合わせた運動支援策や地域づくりを進めていくことが重要だと考えられます。

運動の習慣は個人の努力だけで完結するものではありません。

この研究結果は、健康行動の裏側にある社会構造に目を向ける重要性を、改めて私たちに突きつけています。

参考文献

Few women meet aerobic, muscle-strengthening activity recommendation
https://medicalxpress.com/news/2026-01-women-aerobic-muscle.html

元論文

Leisure-Time Physical Activity Among Women of Reproductive Age — United States, 2022 and 2024
http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7441a2

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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