1. トップ
  2. [76歳・自分ファーストな暮らし]70歳目前で入居したシニア向けマンション選びのコツは?【2025年小さい暮らし部門TOP5】

[76歳・自分ファーストな暮らし]70歳目前で入居したシニア向けマンション選びのコツは?【2025年小さい暮らし部門TOP5】

  • 2025.12.27

[76歳・自分ファーストな暮らし]70歳目前で入居したシニア向けマンション選びのコツは?【2025年小さい暮らし部門TOP5】

早くも2025年もあとわずか!そこでゆうゆうtimeで2025年よく読まれた「小さい暮らし部門」の人気記事トップ5の中から選りすぐりの記事を、もう一度お届けします。人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介します。真藤眞榮さんは、都心のビルから移り住んだシニアマンションで自分ファーストの暮らしを満喫中です。 ※記事の初出は2025年10月。内容は取材時の状況です。

Profile

真藤眞榮さん
しんどうまさえ●枯藤庵隠居 1949年北海道生まれ。50年以上前に太宰府のお茶室から譲り受けた扁額(横長の看板)の「枯藤庵」(ことうあん)が真藤さんのSNSのアカウント名。ひとり娘の舞衣子さんは料理家。現在の住まいの下見を一緒にし、「ここなら安心」とお墨付きをもらった。

母を看取り、赤坂の実家を手放して身軽に

「70歳過ぎて、こんな楽しいことがあったなんて!」―そう目を輝かせる真藤眞榮さんが近ごろハマっているのはビリヤード。「全然思うようにいかないの」と週4で奮闘する姿に、日々の充実ぶりがうかがえる。

現在76歳の真藤さんは、70歳目前でこちらのシニア向けマンションに入居した。分譲型で通常のマンションと同様の生活が送れ、24時間体制の見守りサービスもある。食堂や大浴場が利用でき、サークル活動も盛ん。ビリヤードを筆頭に、チェスや卓球などをめいっぱい楽しんでいる。

真藤さんがこれまでの人生の大半を過ごしたのは、幼少期に両親と移り住んだ東京・赤坂だった。20代の頃、街の発展と足並みをそろえるように両親が木造の古家を住居併用のテナントビルに建て替えたが、想定どおりの収益が得られず、大きな借財となってしまう。結婚、出産、離婚を経て、事務員として20年以上働きながら、真藤さんはそのビルの管理と母親の介護を担ってきた。

「建物を管理するというのは本当に大変で……。そこで母を看取り、借金を完済することが私のミッションでした。母を見送ったあと、未練も何もなくビルを売却。今後の住まいのことを考えていたときに、仲よくしていたご家族のおばちゃまが亡くなり、この部屋が空いたと耳にして、見せてほしいとお願いしたんです」

このシニア向けマンションは、真藤さんにはまったく縁のない横浜市の郊外にある。周囲には「赤坂から出たことがない人が大丈夫?」と心配されたが、「駅からの道すがらの公園で目にしたカモがかわいくて、それがポイント高かったわね(笑)。亡くなったおばちゃまが、ここで機嫌よく暮らしていたということも、引っ越しを決めるきっかけになりました」。

引っ越しを機に仏壇を手放し、両親の位牌は飾り棚に収めて毎朝手を合わせている。フラワーアレンジは知人からの誕生日祝い。京都「染司よしおか」の額入りの染物は、季節に合わせた色合いのものにかけ替えて楽しんでいる。

「畳のふき掃除から解放されたくて」、和室を洋室にリフォームして寝室に。ベッドメイキングを毎朝の習慣にしている。

左は60年愛用している「松本民芸家具」の椅子。麻雀仲間が集まる日のために、同じデザインの右の椅子を同社で新調した。

入居後に新しくした、今の暮らしにちょうどいいキッチン。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のさきがけともいえるこちらのマンション。入居時に55歳以上であることや、自立していることなどの条件がある。「スタッフさんは外から戻ると『おかえりなさい』と声をかけてくれるフレンドリーな方ばかり。看護師さんが常駐している健康管理室があるのも安心なの」

「やめたこと」は何ですか?

毎日の食事づくりが「マスト」でなくなり、食堂、手軽な自炊、外食を気分で使い分け

「料理は好きなので、今も自分で調理します。だけど、料理が〝義務〞でなくなったのはすごく気がラクね」。事前にメニュー表をチェックして、マンションの食堂を利用する日も。自室でとる朝食は、黒にんにく、ちりめんせんべい、落花生などとフルーツに固定化して調理の手間をカット。

「手放したもの」は何ですか?

大きな家電、固定電話、仏壇、車——。大量のものを処分して1/4 の広さの住まいへ

居住スペース70坪のビルから17坪のマンションへ引っ越した真藤さん。親類の業者の助けもあり、コンテナ単位でものを処分した。「ダイソン」の大きくて重い掃除機はここでは不要と、軽量な「マキタ」だけに。最寄り駅まで徒歩圏のため運転免許も返納し、60歳で乗り換えた赤の「ビートル」も手放した。

土鍋が大小10個もあった以前。IH対応のものへの買い替えでいったんリセット

赤坂の実家は広いオープンキッチンで、調理道具もたくさんあったとか。「火事の心配が少ないIHコンロになり、お気に入りばかりだった土鍋などは人に譲りました」。取っ手の外せる「ティファール」のセットはコンパクトなキッチンで活躍。魚焼きグリルがないので、IH対応のグリルパンも重宝。

仕事に欠かせなかったヒールの靴は処分。履き心地のいいお気に入りだけに

「働いていた頃はスーツを着ていたので、ヒールの靴が必須だったんです。ずっと外反母趾で頭痛にも悩まされていたので、ヒールの靴はほぼ手放しました」。代わりに愛用するようになったのが、「コール ハーン」のスリッポンローファー。足に合うので、気づいたら6足にも!

撮影/土屋哲朗 取材・文/志賀朝子

※この記事は「ゆうゆう」2025年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2025年10月9日に配信した記事を再編集しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる