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【中学受験と生理】「ピルでずらす」はありですか?〈中受ママ×産婦人科医〉

  • 2025.12.27

「もう来た?」受験直前期、女子ママの会話で交わされる生理の問題。入試とバッティングするか否かは神のみぞ知る…。 不安ばことを専門家の先生に聞きたい! 産婦人科医・稲葉可奈子先生 × 中受経験者・予定者ママで座談会を行いました。

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<左>産婦人科医・稲葉可奈子先生
アクセス抜群な渋谷駅直結のクリニック、Inaba Clinic院長。昨年中受を終えた長男を含む、4児の母の産婦人科専門医。同じ目線に立ち、相談しやすい人柄を求め遠方から通う小学生親子も多い。

<右>本誌ライター 松葉恵里
昨年長女が中受を終えた瞬間から、小4次女の塾通いがスタート。

<読者・Aさん>(手前左)
中学受験後に初潮を迎えてほしいと祈る思いの、小6娘を持つママ。

<読者・Bさん>(手前右)
去年娘の中受を経験。初潮を迎えていた娘には常に吸水ショーツを穿かせて準備。

◇ 普段から吸水ショーツの感覚に慣れておくと安心です

ライター松葉
中受直前期、生理への不安は解消しておきたいけれど、小学生を婦人科に連れて行くのは躊躇してしまうとの声もありました。私自身、ちょうど初潮を迎える子がちらほら出てくる小5~6年に中受が被ることによって、昨年度は心配材料が加算された気分に。入学後に話したママ友の中には「受験期に来た娘の生理が重めで、入試当日に来るかどうかドキドキしていた」と胸の内を明かす言葉もあって。

Aさん
まさに我が家は「どうか2月までは来ないでください!」が本音。まだ生理を迎えていない娘には、どんな対策をしておくべきですか。

稲葉先生
いつもナプキンをつけておくのは大変なので吸水ショーツを穿いておけば、基本漏れることはないです。水分を弾くサニタリーショーツではなく、ナプキンをつけなくてもショーツ自体が吸収してくれる吸水ショーツがオススメ。普段から穿き慣れておくと良いですね。眠くならない鎮痛剤も持たせておくとよいでしょう。

Bさん
娘は受験期にはすでに生理が来ていて、常に穿かせていました! 突然生理が来た際に、親に相談しやすい雰囲気を作っておくのも大事だなと実感。

稲葉先生
最近は小学生で生理が来ることも多く、逆に来ないと心配になる子も。タイミングは人それぞれということ、そして「来たら伝えてね」という声掛けを前もってしておきましょう。トイレットペーパーで凌いで、ずっと親に言えない子もいるんですよ。

ライター松葉
それはびっくり! 生理を受験日とずらしたいからとよく聞くのが「ピルで生理をずらす方法」。実際小学生の使用は可能なのでしょうか。

稲葉先生
毎月来ていて、本番に被りそうという状況なら可能です。一方で、まだ周期が読めない・不定期な子は、いつ来るかわからないのでずらしようがないのが現実ですね。

Aさん
そうなのですね…いざ本番に被ってしまって、それが重ためだった場合…、不安で仕方ないです。

◇ 薬を試す時間も必要だから、早めの受診が肝

稲葉先生
まだ周期が安定してないから受験に被らないか心配or何回か来た生理がしんどい、という場合は生理の腹痛や眠気、頭痛などを軽くするのがオススメです。小学生でも低用量ピルやプロゲステロン製剤(通称「ミニピル」)が使えます。生理のタイミングを調整できるタイプも。

Bさん
飲む期間はどれくらいなのですか。

稲葉先生
どちらも毎日飲む薬で、種類により休薬期間があるものも。体に合う、合わないがありますが、一言でピルといってもたくさん種類があるので、合わなければほかの薬に替えられます。心配な方はとにかく早めに受診していただきたい! 初回の診療では「今はつらいけれど必ず楽になるからね」と伝えるようにしています。

Aさん
生理によってイライラしてしまう話も周りから聞いていて…

稲葉先生
ズバリこれは本人のせいでなく、ホルモンの乱高下によるもの。なので周りの声掛けや本人の努力でコントロールできるものではないのです(笑)。でもイライラなどの症状も低用量ピルやプロゲステロン製剤などの生理痛の治療薬で緩和されますよ。

ライター松葉
受験期のみならず、その後も生理は長いお付き合いになるもの。プロに早めに相談して、体質に合った処方をしてもらえば、中学校でのフェムケア生活も心配しすぎず乗り越えられそうですね。

◎ 結論!

読めない思春期生理は早めの環境づくりで打開!

事前準備でコントロール可能なことに、目からウロコ。模試の結果や合格偏差値ばかりに目を向けがちなこの時期こそ、別視点の心配事を潰していきましょう。

撮影/加治屋圭斗(人物)、光文社写真室(静物)イラスト/Kanako 取材/松葉恵里 ※情報は2025年12月号掲載時のものです。

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