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血糖値上昇を抑えるスーパーフードとは?50代から始めたい【老けない食べ方の新常識#4】

  • 2025.12.25

血糖値上昇を抑えるスーパーフードとは?50代から始めたい【老けない食べ方の新常識#4】

「野菜を先に食べよう」といわれたものですが、最新の研究で注目されているのは、なんと「ヨーグルト・ファースト」! 話題の新刊『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』(三笠書房)から、一部抜粋してお届けします。最新の研究により、老化を引き起こす真の原因が明らかになりました。老化の真犯人とは……。

若返りには「ヨーグルト・ファースト」

かつて「ベジタブル・ファースト」が健康法として注目された時期がありました。食事の始めに野菜を食べることで、血糖値の上昇を抑えられるという食事法です。

いま、私たちの研究で新たに注目しているのが、「ヨーグルト・ファースト」。ヨーグルトは、発酵の過程でアミノ酸が豊富に生み出される食品。そのヨーグルトを食事の最初にとることで、効率よくアルデヒドトラップ(※1)を起こせると期待できるのです。

<用語解説>
※1「アルデヒドトラップ」
体内で発生したアルデヒドを捕まえて無毒化すること。

「アルデヒド」
糖が体のタンパク質と結びついて劣化させてしまう現象のことを「糖化」といいます。糖化を促進する原因が、体内毒素「アルデヒド」です。アルデヒドはまさに「有毒ガス」。糖化反応を糖の何倍も速く、あっという間に進めてしまう性質があります。血糖値の上昇をゆるやかに抑えることができれば、アルデヒドの生成も抑えられることが明らかになりました。

しかも、ヨーグルトには、野菜以上に血糖値上昇を抑える作用があります。

たとえば、白ご飯を食べる5分前にプレーンヨーグルトを摂取すると、白米だけを食べたときに比べて、食後血糖値が約20mg/dLも抑えられました。この結果は、20〜40代の健康な男女20名を対象とした試験で得られたものです。

なぜヨーグルトがこれほど効果的なのでしょうか。

そのカギの一つは、ヨーグルトに含まれる「乳酸」にあります。

乳酸は、酢に含まれる酢酸や、レモンやグレープフルーツに含まれるクエン酸と同様に、胃から腸への食物の移動速度を緩やかにする作用を持っています。これにより、糖の吸収も穏やかになり、血糖値の急上昇を防ぐことができるのです。

その結果として、血糖値の急上昇によって引き起こされるアルデヒドスパーク(※2)も予防でき、老化の原因物質AGEs(※3)の蓄積を抑える効果が期待できるのです。

<用語解説>
※2「アルデヒドスパーク」
体内でアルデヒドが急速に発生し、糖化を加速させること。アルデヒドスパークを防ぐうえで、第一に重要なのは「食べ過ぎない」こと。第二に重要なのが、アルデヒドスパークを防ぐ=老化を防ぐ「食べ方公式」です。
【老化を防ぐ食べ方公式】タンパク質×脂質×酸=黄金トリオ

※3「AGEs」
エージーイー。「終末糖化産物」。糖化反応の最終段階でつくられるさまざまな化合物の総称で、最終的に老化を促進する物質。

ヨーグルトの「ホエイ」が膵臓への負担を軽くする

さらに、ヨーグルトにはもう一つ、老化予防によい理由があります。

ヨーグルトには、乳酸菌がつくり出す「ホエイ」という液体が含まれます。ヨーグルトを冷蔵庫に入れておくと透明な液体が浮いてきますが、あの液体がホエイです。

ホエイを摂取すると、「インクレチン」というホルモンが腸で分泌されます。このインクレチンには、インスリンの分泌を刺激する作用があるのです。

ただ、食後高血糖が起こった際にも、大量のインスリンが一気に分泌されます。では、インクレチンの作用によるインスリン分泌と、食後高血糖によるインスリン分泌では、何が違うのでしょうか。

最大の違いは、「タイミング」と「負担」です。

インクレチンによるインスリン分泌は、血糖値が急上昇する前に、体が「準備」として穏やかに分泌する自然な反応です。少量で穏やかな分泌なので、脂肪をため込むほど強い作用ではありません。

むしろ、血糖値の急上昇を抑えて膵臓への負担を軽くし、結果的に肥満や糖尿病のリスクを下げる働きをします。

一方、食後高血糖の際には、膵臓が急激な変化に対応するために、大量のインスリンを慌てて出している状態です。この慌てた対応が繰り返し続くと、膵臓に大きな負担がかかり、徐々にインスリンの効き目が悪くなる「インスリン抵抗性」を招くリスクが高まるのです。そのことがゆくゆくは糖代謝の低下を起こし、糖尿病へとつながっていくリスクを高めます。

目安は1回、100〜200g

では、ヨーグルトは、どのくらいの量を食べるとよいでしょうか。

1回の摂取量の目安は、100~200gです。ヨーグルトは、一般的な家庭用サイズで1パック約400g入っていますから、4分の1から2分の1の量になります。大事なのは、無糖のプレーンヨーグルトであること。ホエイも一緒に食べること。

なお、加糖タイプでは効果を得られないので注意しましょう。

※この記事は『最新科学でわかった 老けない食べ方の新常識』八木雅之著(三笠書房)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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