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「20代はフェラーリ、60歳はトライトン」ヒロミの“愛車遍歴”に見る、『オトナの車遊び』の現在地

  • 2026.1.11

 

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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「もう歳だし、車で遊ぶなんて無理」。そう自分を納得させていませんか。

かつてフェラーリやセンチュリーに乗り、肩で風を切っていた、タレントのヒロミさんが60歳を迎えた今、熱中しているのは、新型トライトンやハイエース、そして往年の旧車たちだといいます。なぜ数千万円の高級車を知る彼が、働く車やひと昔前の車にたどり着いたのでしょうか。

自分で価値を創る喜びに目覚めたかのように見えるヒロミさん流の大人のカーライフ。それは、私たちも今日から真似できる心の贅沢のヒントかもしれません。

若い頃に憧れたスポーツカーは遠い存在になり、気づけば家族のためにミニバンを走らせる日々。お金がないと車遊びはできないと、心のどこかであきらめてしまっている方は多いのではないでしょうか。

しかし、本当にそう言い切れるものでしょうか。

芸能界きっての車好きとして知られるヒロミさんの愛車遍歴を紐解いてみると、そこには、単なる「所有」から、自ら手を加える「創造」へと、車との楽しみ方が変化していく様子がうかがえます。これを読み終える頃には、あなたのガレージにある車が、単なる移動手段ではなく、最高の遊び相手に見えてくるかもしれません。

20代のヒロミさんが所有していた華々しいラインナップ

バブル経済の余韻が残る90年代初頭、若くして大ブレイクを果たしたヒロミさん。当時の彼が選んだ愛車は、20代で購入したイタリアの名車フェラーリ348や、30歳で手に入れた運転手付きのトヨタ・センチュリー リムジンでした。

この華々しいラインアップは、単なる移動手段の枠を超えていました。もしかしたら当時のヒロミさんにとって、これらの車は芸能界での第一線で活躍する、自分自身を鼓舞するための存在だったのかもしれません。

私たちもまた、若い頃は車をステータスの一部として捉えていた時期がありました。高い車に乗ることがカッコいい、隣に並んだ車には負けたくない。そうした思いは、若き日の自分を突き動かす原動力になっていた、という方も多いのではないでしょうか。

そんなヒロミさんですが、年齢を重ねるにつれて、車との向き合い方に変化が表れてきたようです。多くの高級車を知り尽くしたからこそ、逆に値段やブランドという尺度では測れない、奥深い面白さに惹かれ始めたのかもしれません。

エコカーすら自分色に。プリウスで見出した、カスタム沼

30代から40代に差し掛かり、芸能人としてのキャリアも熟成期に入ると、ヒロミさんの車選びは一見すると落ち着いたものになります。かつての派手なスーパーカーから一転、彼が選んだのは実用的なトヨタ・プリウスでした。

しかし、ここで単なる落ち着いた大人にならないのがヒロミさんです。

エアロパーツを組み、ホイールを履き替え、番組の共演者がオートサロンに出展できるレベルだと驚くほど、徹底的にカスタムしたのです。

燃費や効率を求めて選んだはずの大衆車さえも、自分好みのスタイルに作り変えてしまう。そこに、完成された高級車を購入するだけでは得られない、別の種類の満足感を見出したのではないでしょうか。

最新のトライトンを大人のプラモデルのように遊び尽くす

そして現在。60歳、還暦を迎えたヒロミさんが、ハイエースや旧車とともに新たにガレージへ迎え入れた相棒。それは、三菱の新型ピックアップトラック、トライトンでした。

以前からタイのラリーカーを見て憧れていたというヒロミさんですが、背中を押したのは意外にも奥様の松本伊代さんだったそうです。ハワイなどでピックアップトラックを見るたびに、「パパ、こういう車買えばいいのに」と語っていた奥様の一言が、彼の遊び心に火をつけました。

納車されたトライトンを前にしたヒロミさんの姿は、まさに水を得た魚です。「顔がかっこいい」と少年のように笑いながらも、そのカスタム内容は常識にとらわれないヒロミさんらしい自由な発想に満ちたものでした。

まず着手したのは、4WD車でありながらあえて車高を下げるローダウンです。さらに、屈強なラグビー選手がタキシードを着こなすかのように、シーンに合わせて車高を自在に操れるエアサスペンションを導入。仕上げには、巨大な純正ステップをスマートな電動サイドステップに換装し、荷台には電動トノカバーを装着しました。

ワイルドな見た目はそのままに、中身は最新のハイテクスニーカーのように快適で洗練された一台へと仕上げていく。既製品を自分好みに仕上げていくその過程は、まるで「大人のプラモデル」作りを楽しんでいるかのようにも見えます。

実際にハンドルを握った伊代さんも、ハンドルが軽くてスニーカーのようなフィット感、視界が良くて運転しやすいと絶賛。ゴツゴツした登山靴のような見た目でありながら、乗れば優しく快適というこのギャップこそが、酸いも甘いも噛み分けた大人の男に相応しい魅力なのかもしれません。

妻には本物のゲレンデを。家族を大切にするからこそ、自分も遊べる

ここまで読まれて、自分だけ好きな車で遊ぶなんて、家族に申し訳ないと引け目を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ヒロミさんの流儀には、私たち大人の男性が参考にすべき、見事なバランス感覚があります。彼は自分の趣味に没頭する一方で、奥様である松本伊代さんには、彼女が欲しがっていた最高の一台をプレゼントしているのです。

特に象徴的なのが、結婚30周年の記念日に贈られたメルセデス・ベンツ Gクラス、通称「ゲレンデ」にまつわるエピソードでしょう。

ヒロミさんは最初、スズキのジムニーをゲレンデ風にフルカスタムしたミニ・ゲレンデを用意し、奥様を驚かせるという遊び心たっぷりのドッキリを仕掛けました。奥様は当初、小さくて可愛いと喜んでいましたが、やがてディーラーで本物のゲレンデが目の前に現れるという、粋なダブルサプライズが待っていたのです。

ここには、ヒロミさんならではの奥様への深い思いやりや、夫婦円満の秘訣が垣間見えるような気がします。

奥様には、安全性もステータスも申し分ない本物のゲレンデを贈り、自分はカスタムしたトライトンなど、遊び心のある車に乗る。さらに、洗車をしない奥様のために納車直後に専門店でコーティングを施し、メンテナンスまで引き受けるという念の入れようです。

俺の趣味を理解してくれと言葉で説得するのではなく、まずは家族への感謝と愛情を行動で示す。奥様が最高の車で満足しているからこそ、自分は泥だらけのトラックで堂々と遊べるのです。これこそが、家族の幸せを守りながら自分の自由も確保する、カッコいい“不良オヤジ”の究極の処世術といえるのではないでしょうか。

車の価値は「いくらしたか」ではなく「何をしたか」

こうしてヒロミさんの愛車遍歴を振り返ると、フェラーリやセンチュリーに乗っていた頃の「所有する喜び」から、「創造する喜び」へと、車との付き合い方が変化しているように筆者には感じられます。

この進化し続ける姿勢こそが、私たちに「大人の車遊びに年齢は関係ない」という事実を教えてくれているのではないでしょうか。

年齢を重ねることを理由に、枯れてしまう必要はどこにもありません。ヒロミさんのカーライフが教えてくれるのは、車遊びの形は年齢とともに進化させられるということです。

純粋に自分が楽しいと思えることに没頭する。それは決して妥協ではなく、大人の余裕がなせる遊びの境地です。

高い車を買うことだけがゴールではありません。今の愛車のホイールを変えてみるだけでもいいですし、あるいは安価な中古車を手に入れて、休日に少しずつ手を入れてみるのも良いでしょう。

車の価値は、いくら支払ったかではなく、そこで何をしたかで決まります。さあ、今度の週末は久しぶりに愛車を洗車して、この車とどう遊ぼうかと想像を膨らませてみてはいかがでしょうか。


出典:
・おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE!(https://www.bs4.jp/aisya_henreki/archive/onair/111/index.html#d-mov)
・Hiromi factory チャンネル(https://www.youtube.com/@H_F_c1965)



ライター:根岸 昌輝
自動車メーカーおよび自動車サブスク系ITベンチャーで、エンジニアリング、マーケティング、商品導入に携わった経験を持つ。
現在は自動車関連のライターとして活動し、新車、技術解説、モデル比較、業界動向分析など、業界経験に基づいた視点での解説を行っている。


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