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「知らなかったでは済まされない」不動産屋が警告。ベランダから“近隣トラブル”に…意外と知らない「NG行為」とは?

  • 2026.1.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「ベランダは自分の部屋の一部」だと思っていませんか? 実はその認識こそが、深刻な近隣トラブルの火種かもしれません。マンションのベランダは、専用使用権こそあるものの、法律上は廊下などと同じ「共用部分」。ルールを知らずに私物化していると、ある日突然、管理組合や近隣からクレームを受けることになりかねません。

本記事では、不動産のプロである岩井佑樹さんにインタビュー。トラブルに発展しやすい意外なNG行為や、入居者が知っておくべき管理規約の盲点、そして近隣と良好な関係を保つための正しいベランダ活用法について解説していただきました。知らなかったでは済まされない、マンション暮らしの必須知識をお届けします。

トラブルの元凶は「所有」への誤解。ベランダが「共用部分」である本当の意味

---マンションのベランダでの規約違反行為が近隣トラブルに発展する背景には、どのような認識不足や管理規約の盲点が関係しているのでしょうか?

岩井佑樹さん:

マンションのベランダをめぐるトラブルで多い原因は、「ベランダは自分のもの」という思い込みです。室内とつながっているため、私物を置いたり、自由に使ったりしても問題ない場所だと感じやすいのですが、ベランダは共用部分にあたります。

専用で使える権利はありますが、好き勝手に使ってよい場所ではありません。この基本的な認識のズレが、トラブルのきっかけになっています。

もう一つの背景として、管理規約や使用細則が十分に理解されていない点が挙げられます。入居時に管理規約の存在は伝えられるものの、ベランダの禁止行為まで具体的に説明されるかどうかは、不動産会社によって差があります。

そのため、細かなルールを知らないまま生活を始め、後から「それは規約違反です」と指摘されて初めて問題に気づくケースも少なくありません。その結果、「知らなかった」「聞いていない」という気持ちが不満につながり、反発を招きやすくなります。

さらに、ベランダの使い方は、次のように周囲へ影響が出やすい特徴があります。

・生活音
・におい
・物の落下
・防災上の安全性

本人は問題ないつもりでも、下の階や隣の部屋には影響が及びやすいのがベランダです。とくに管理規約の表現があいまいな場合、人によって受け取り方が分かれ、「前は注意されなかった」「自分は大丈夫だと思っていた」といった行き違いが生じやすくなります。

こうした小さな認識のズレが積み重なることで、何気ない注意が感情的な対立に変わり、近隣トラブルへと発展していくのです。

悪気はなくても迷惑行為? 喫煙・物置化・ガーデニングに潜むリスクと代償

---マンションのベランダで意外と多い違反行為として、どのようなもの(例:物干しや喫煙、植物栽培など)が近隣トラブルに発展しやすいでしょうか?

岩井佑樹さん:

マンションのベランダで意外と多い規約違反の中でも、特に近隣トラブルに発展しやすいのは次のような行為です。

・喫煙
・物の置きっぱなし
・植物の栽培

いずれも、本人に悪気がないまま始まりやすく、気づいたときには周囲との関係が悪化しているケースが少なくありません。

まず喫煙です。自室で吸っているつもりでも、煙がベランダを通って外に流れれば、下の階や隣の部屋に直接届きます。洗濯物へのにおい移りや体調への影響を理由に、苦情が入ることは珍しくありません。「ベランダでは吸っていない」という説明が通らず、トラブルに発展するケースも多く見られます。

次に、ベランダを物置代わりに使ってしまう行為です。タイヤやアウトドア用品、子どもの遊具、段ボールなどを常時置いていると、避難経路の確保という点で問題になります。多くのマンションでは、防災上の理由からベランダへの常設保管を禁止しています。物が邪魔で非常時にベランダが使えない場合、命に関わるリスクにつながります。

植物の栽培も注意が必要です。鉢植えの水や土が階下に落ちたり、つるや枝が隣の住戸に伸びたりすることで思わぬ迷惑になることがあります。

ベランダは、少しの油断がそのまま近隣トラブルにつながりやすい場所です。「このくらいなら問題ないだろう」と感じた行為ほど、一度立ち止まって確認する意識が重要だと言えるでしょう。

「一時利用」の意識が自分を守る。入居者が確認すべき規約のポイントとマナー

---マンションのベランダで規約違反をしないために、入居者が最初に確認すべきポイントと、今日から実践できる具体的な対策を教えていただけますでしょうか。

岩井佑樹さん:

マンションのベランダで規約違反を防ぐために確認しておきたいのが、管理規約と使用細則の中にある「ベランダ(バルコニー)」に関する項目です。とくに次の点は、入居時に一度きちんと目を通しておく必要があります。

・ベランダが共用部分として扱われていること
・禁止されている行為の具体例
・災害時に避難経路として使われる場所であること

この基本を把握しておくだけでも、無意識の規約違反は大きく減らせます。

日常生活の中で意識したいのは、「ベランダは一時的に使う場所」という考え方です。洗濯物は干したままにせず取り込む、物を置く場合も使い終わったら片付ける、においや音が外に漏れていないか気にする。

ベランダは自分だけの空間ではなく、周囲の生活とつながっている場所だと意識することが大切です。

少しでも迷う使い方があれば、自己判断せず管理会社に確認するのが安心です。注意されてからやめるのではなく、先に確認して納得したうえで使う。この意識が、近隣との無用な行き違いを防ぎ、結果として暮らしやすさにつながっていきます。

ベランダのトラブルは、ほとんどが小さな認識のズレから始まります。知らなかったで終わらせず、最初にルールの線引きを理解しておくことがトラブルを避ける一番の近道だと言えるでしょう。

「共用部分」という自覚が、自分と近隣の暮らしを守る

ベランダトラブルを未然に防ぐ最大の鍵は、「ここは自分だけの空間ではなく、建物全体の共用部分であり、命を守る避難経路である」という基本原則を正しく認識することです。

岩井さんが強調するように、日頃の何気ない喫煙や荷物の置きっ放しが、近隣への迷惑になるだけでなく、災害時の逃げ道を塞ぐリスクにもつながります。管理規約に一度目を通し、「ベランダは一時的に使う場所」という意識を持つだけで、トラブルは大幅に減らせます。迷ったときは自己判断せず管理会社に確認するなど、周囲への配慮を持った行動が、結果として自分自身の快適なマンションライフを守ることにつながるでしょう。


監修者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹
合同会社ゆう不動産代表。『売る力 × 伝える力』を軸に、不動産の価値を最大化している。不動産売買の専門家として現場に立ちながら、不動産分野に特化したWebライターとして1,000本以上の記事を制作。売却査定から仲介・買取まで幅広く対応し、物件の魅力を正しく伝えることで「早く・高く・安心」の取引を実現している。派手な宣伝よりも、目の前の一人に誠実に向き合う姿勢を大切にしている。地域に寄り添いながら、不動産とWebを掛け合わせた独自の発信力で、オーナーに最良の選択肢を示すことが使命。「売買専門 × 情報発信」の融合ビジネスで、不動産の価値を丁寧に引き出している。