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老後のお金の不安解消!【原田ひ香さん】に学ぶ家計簿術と節約のコツ

  • 2025.12.15

老後のお金の不安解消!【原田ひ香さん】に学ぶ家計簿術と節約のコツ

ベストセラー『三千円の使いかた』をはじめ、お金をテーマとする作品が人気の原田ひ香さん。日々、家計簿をつけ、節約やポイ活も意識。お金に真摯に向き合う原田さんに、心が躍るお金の使い方を伺いました。

原田ひ香さん 作家

はらだ・ひか●1970年神奈川県生まれ。
2005年「リトルプリンセス二号」でNHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年『はじまらないティータイム』ですばる文学賞受賞。
「ランチ酒」シリーズ、『一橋桐子(79)の相談日記』など著書多数。

原田さん流 お金の使い方

老後が心配で、という声をよく聞きますが……

1カ月だけでも家計簿をつけてみると、過不足がだいたいわかります

とにかく老後が不安だから使わないという方は、本当にお金が足りないのか、1カ月でいいので家計簿をつけて視覚化するのがおすすめ。住居費、食費、光熱費など、だいたいどれくらい使っているのか。年金はいくらもらえて、どのくらい足りなくなるのかなども確認します。

自分が何歳まで生きるか予想するのは難しいですが、90歳くらいまで必要な額をざっくり計算して、足りないならどうしたらいいかを考えればいいし、使っても大丈夫そうなら思うままに使えばいいと思います。リタイア後は洋服代などかからなくなるものもあるし、意外と何とかなるのでは?

それでも心配なら、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも手だと思います。

意外と何とかなるもの。いたずらに不安に思わず、現実を見るのが大事

ご自身の家計管理術は?

食費は現金決済。すべて千円札で1カ月分を5週に小分けしています

毎月、食材を買う分は予算(3万円)を5つに分けて半透明のポーチに入れて使っています。カードを使うと400~600くらいポイントが貯まりますが、それより現金で管理したほうが目に見えるので節約もしやすいんです。月末に残った分は専用の口座に入れて、欲しいものを買うのに使います。

「これにはお金をかけたい」と思うのは、健康関連。会社員ではないので健康診断も自分で受けないといけない。今年は人間ドック専門のクリニックに行きました。これまで受けていた病院の倍近い料金! 大金を使ったけれど、検査がラクで待ち時間もなくストレスなく終えられて、すごくよかったです。歯の治療やメンテナンスにも、ためらわずお金を使っています。

食費は月初めに100円ショップで買った5つのポーチに分ける。1つに1週間分、千円札6枚。

節約することとお金をかけることにはメリハリを。健康関係にはバンと使います

ワクワクするお金の使い方って何でしょう?

やってみたかったことに使うこと。私は最近、思い切ってキッチンをリフォームしました

ずっとやりたいと思っていてできなかったことに使うことでしょうか。たとえば推しの俳優の舞台を観に行くとか、好きなミュージシャンのコンサートに行くとか。そういう「生の感動」に使いたいですね。

私が最近ワクワクしたのは、やはりキッチンのリフォーム。キッチンには作りつけの収納がなくて適当なものを置いていたのですが、スペースに合わせてオーダーしたんです。1年くらい迷って、今後20年は使うのだから、と思い切りました。炊飯器もトースターもすっきり置けて、工務店の人も「いいのができましたね」と自画自賛する出来で(笑)。ここ10年で一番大きな買い物でしたけど、本当によかったと満足しています。

家事をラクにしてくれるものにお金を使うのも、いいと思う。食洗器は必要ないと思っていましたが、キッチンに備わっていたのを使い始めるとやっぱり便利。食器洗いの時間を自分の好きなことに使えます。

自分が毎日使うものを買うのは楽しいもの。私は日常用に、ロイヤルコペンハーゲンのカップをメルカリで買いました。ロイヤルコペンハーゲンのカップのそりの口元への当たりが好きで。メルカリには、昔、高価で買えないと諦めたような食器がいっぱい出品されていて、2000~3000円で買えるものも。好みのものを探すのもワクワクします。

70代、80代になっても「老後が心配だから」とお金を使わない方がいますが、自分の寿命はわからないもの。心配しすぎず、楽しめるうちに使っては?と思います。

お金を使って「生の感動」を味わいたいですね

ささやかでも いいからリアルな体験を

●友人と会って話す
●ちょっと高めのランチ
●気になっていた舞台を観に行く
など

初めての老眼鏡。読書がとってもラクに

最近「いい買い物をした」と思ったのが老眼鏡。「ずっと本が読みづらいなと思っていて。作ってみたら、すごくラクに読めるんです!」

撮影/鈴木江実子 取材・文/田﨑佳子

※この記事は「ゆうゆう」2026年1月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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