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【ガーデニングQ&A】鉢植えのキクが2年目は小さな花しか咲きませんでした。植えかえは必要?

  • 2025.12.15

【ガーデニングQ&A】鉢植えのキクが2年目は小さな花しか咲きませんでした。植えかえは必要?

植物を育てていくうえで、わからないことや悩んでいることはありませんか? ここでは、読者の皆さんから寄せられたガーデニングにまつわる疑問や質問、お困りごとに、園芸研究家の山口まりさんが回答します。今回のテーマは「キク」です。

Q 鉢植えで育てているキクは植えかえが必要ですか?

鉢でキクを育てています。1年目は大きな花が咲きましたが、2年目は小さな花しか咲きませんでした。原因は植えかえをしなかったからでしょうか?(青森県三戸郡 57才)

A 鉢植えの植物は調整された用土での植えつけが大事。キクの生育を見きわめた物理性・化学性が適した用土への植えかえを

植物は土の中に根を伸ばし、自分の体を支えるとともに、根は水分・栄養分を吸収し、それを必要な箇所に送るほか、養分を貯蔵する役目もしています。水分・栄養分の吸収は根の先端周辺にある根毛が担っています。根毛を発生させるために、根は常に成長を続けて吸収面積を増やしています。良好な根の伸長(根張り)は、植物の成長を促進させます。

また根の細胞が働くためには酸素を必要とします。土壌中の酸素を直接取り入れたり、水にとけた酸素を吸収します。酸素が不足すると根腐れや生育不良を起こします。

根を元気に伸長させるためには、根が育ちやすいよう調整された用土で鉢に植えつけます。植えつけ当初は勢いよく根が鉢内で伸びますので、地上部も比例して大きく元気に育ちます。

長期間、鉢という限られた空間で根が育つと、用土の劣化が起こります。まず、土粒が壊れ細かくなってしまうため、物理性が劣って間隙がなくなることで、水はけ・水もちが悪くなり、空気の含有量も減ります。また、栄養分の欠乏(特に中量・微量要素の欠乏)、水やり・肥料かすなどにより土の酸度の変化など化学性も変わってきます。さらに、用土内に害虫の侵入、植物残渣(ざんさ)から病気の発生が見られることもあります。

また、伸びた根が鉢内に充満すると、根が伸びるスペースがなくなり根詰まり
を起こします。そのため、根が十分に伸びられないので、地上部の生育も思わしくなくなります。

元気に育て立派な花を咲かせるためには、毎年、キクの生育に適した物理性・化学性の用土で植えかえる必要があります。

植えかえ時期

新芽が伸びだす3月下旬~5月中旬に株分けを兼ねて行います。開花終了後、株元に冬至芽が発生するので、12月に芽分けをしてもよいでしょう。

管理場所

日当たりと風通しのよい場所。ただし、真夏の日中の直射日光からは保護します。

用土

水はけ・水もちのよい肥沃な培養土。

肥料

キクは、肥料を好みますので、生育期間中は肥料ぎれがないように。

病害虫

生育期をとおして病害虫が発生しやすいので、適宜、防除を行います。

キクの栽培カレンダー 暖地(関東南部以西太平洋側)

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※この記事は『園芸ガイド』2025年秋号の記事を、WEB用に再編集したものです。

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