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「キャッシュカード詐欺盗」被害者の99%が高齢者…年末の帰省で親に伝えたい、警察官が「絶対にしないこと」

  • 2025.12.19
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

警察官を名乗る人物から「あなたの口座が不正に使われているので、直接会いましょう」と電話がかかってくる。今、そのような詐欺が増えています。

2025年12月15日、北海道警察から「キャッシュカードを盗む詐欺」の電話に関する注意喚起が発表されました。江別市内の90歳代男性宅に、警察官を名乗る者から「金融機関の職員があなたの口座を不正に利用した」「お金を補償するため会いましょう」「その際にキャッシュカードを裁断します」といった電話があったというのです。

「オレオレ詐欺」は広く知られていますが、カードそのものを狙う「キャッシュカード詐欺盗」という手口をご存じでしょうか。

「キャッシュカード詐欺盗」とは

キャッシュカード詐欺盗とは、警察官や銀行協会職員などを装い、被害者の隙を見てキャッシュカードを別のカード(ポイントカードなど)とすり替えて盗む手口です。2023年の被害は認知件数2,217件、被害額29.8億円に達しており、被害者の99.2%が高齢者となっています。

現金を振り込ませる従来の詐欺とは異なり、「カードそのもの」を狙う点が特徴です。

犯人はこうやって騙す

キャッシュカード詐欺盗の手口は、大きく3つのステップで進行します。

ステップ1:予兆電話(アポ電)

警察官、銀行協会職員、財務局職員などを名乗る人物から電話がかかってきます。

「詐欺グループを逮捕したところ、あなたのキャッシュカードが不正に利用されている」「口座が犯罪に使われている」などと言葉巧みに不安を煽ります。

そして「キャッシュカードの交換が必要」などと説明し、暗証番号を聞き出そうとします。

警察や銀行協会などの公的機関が電話で暗証番号を聞くことは絶対にありません。

ステップ2:訪問とすり替え

電話での説明後、職員を装った犯人が自宅を訪れます。「この封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いた紙を入れてください」「封をするので印鑑を押してください」などと指示します。

被害者が印鑑を取りに室内に戻った隙に、あらかじめ用意していた偽のカード(ポイントカードなど)が入った封筒とすり替えます。犯人は「○日までは絶対に封筒を開けないでください」と念を押し、犯行の発覚を遅らせるのです。

警察官、銀行協会などの職員がキャッシュカードを封筒に入れさせることは絶対にありません。

ステップ3:現金の引き出し

カードと暗証番号を手に入れた犯人は、被害者が封筒を開けない間に、ATMから預金を引き出します。

被害に遭わないための対策

警察庁が推奨する具体的な対策は以下の通りです。

最も重要な心構え

まず大前提として覚えておきたいのは、警察官や銀行協会職員などが「キャッシュカードを預かる」ことは絶対にないということです。

暗証番号を電話で聞かれることも絶対にありません。

どんなに相手が公的機関を名乗っていても、どんなに丁寧な言葉遣いでも、「カードを預かる」「暗証番号を教えて」と言われた瞬間に電話を切ってください。

電話対策としては、以下が挙げられます。

●固定電話の番号表示・非通知拒否サービスを利用する
・知らない番号からの電話は出ない
・番号非通知でかけてくる犯人からの電話をブロックする

出典:固定電話の番号表示・非通知拒否サービス(警察庁SOS47特殊詐欺対策ページ)

●国際電話番号(+1や+44などから始まる番号)でかけてくる犯人からの電話をブロックする
・普段、外国と電話をする機会がない方は、外国からの電話を利用休止させる

出典:みんなでとめよう!!国際電話詐欺 #みんとめ(警察庁SOS47特殊詐欺対策ページ)

また、下記も大切です。

  • 最寄りの警察署にかけ直して本物かを確認
  • キャッシュカードや通帳は絶対に他人に渡さない
  • 安易に訪問者を家の中に入れない
  • 暗証番号を他人に教えない

不安を感じたらすぐに相談を

不審な電話や訪問があった場合は、以下の窓口に相談してください。

  • 警察相談専用電話:#9110
  • 最寄りの警察署

電話口の相手が言った番号ではなく、最寄りの警察署の代表電話番号を自分で調べて、かけ直して本物かを確認しましょう。

年末年始にぜひ家族と話し合いを

キャッシュカード詐欺盗は、警察官や銀行協会職員という「信頼できる立場」を装うため、被害者は疑うことなく指示に従ってしまいがちです。

年末年始に実家に帰省する機会がある方は、ぜひご家族に「最近変な電話はない?」と声をかけてみてください。

「こういった詐欺が流行っている」「警察や銀行がカードを預かることは絶対にない」「暗証番号を聞かれたら詐欺」という3つのポイントを、ご両親や祖父母と共有することが大切です。


参考:
北海道警察防犯情報発信室(@HP_seian)公式Xアカウント
キャッシュカード詐欺盗(警察庁SOS47特殊詐欺対策ページ)
令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)(警察庁)


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