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「直ちに救急車を呼んでください」忘年会は飲み過ぎ注意 “急性アルコール中毒”のおそろしさと対処法を知ろう

  • 2025.12.19
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

2025年ももうすぐ終わり。この時期は連日忘年会の予定が入っている人もいるでしょう。ですが、くれぐれも飲み過ぎには要注意。

政府広報オンラインは12月12日、公式X(旧Twitter)アカウント(@gov_online)で、一緒に飲んでいる人や周りで飲んでいる人に「急性アルコール中毒のサイン」が確認された際の対処方法を投稿しました。

そこで今回は、急性アルコール中毒の危険性や適切なお酒の飲み方、症状が疑われる際の対処方法などについて詳しく紹介します。

急性アルコール中毒の搬送者数は増加している

厚生労働省によると、急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生じるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されています。搬送者の数も年々増加しており、中には死亡するケースも発生しています。

人はお酒を飲むことで酔った状態になりますが、血中アルコール濃度によって「爽快期」から「ほろ酔い期」、「酩酊初期」「酩酊期」から「泥酔期」へと段階が進みます。0.4%を超えると「昏睡期」に陥り、生命に危険が生じる可能性のある状態に。どの時点から急性アルコール中毒になるという明確な基準はないものの、「泥酔」以上の状態はとても危ないといえます。

急性アルコール中毒になりやすい人とは?

厚生労働省によると、急性アルコール中毒になりやすい人として、一般的に「若年者・女性・高齢者・飲酒後に顔の赤くなるタイプの人(赤型体質)」が挙げています。これらの人は、アルコールの分解が遅く、血中アルコール濃度が下がりにくいことが多いため、急性アルコール中毒のリスクが高まるのです。

特に、自分がどれぐらいお酒を飲めるか正しく把握できていない若年者は要注意。飲み会で「イッキ飲み」などの危険な飲み方を求められる、古くからの悪習も依然として確認されているとのことです。

急性アルコール中毒になることを防ぐためにも、政府広報オンラインは適切なお酒の飲み方を推奨しています。

性別や個人差、健康状態や環境によって異なるものの、一般的に「爽快期からほろよい期」程度の量(血中アルコール濃度0.02から0.1%まで)なら急性アルコール中毒になる可能性は低いとされています。例えば、アルコール度数5%のビールなら500mlまで、43%のウイスキーならダブル1杯(60ml)が目安。

ただし、「女性は男性より、高齢者は若者より、体格の小さい人は大きい人より、体内の水分量が少ないため、同じ量を飲んだときの血中アルコール濃度が高くなります」とのこと。そのため、該当する方はお酒の量を減らすなどの対策が求められます。

また、アルコールへの耐性は人それぞれなので、「普通はこのくらいなら酔わないだろう」などと思い込むことは厳禁です。

楽しく安全に飲むための「飲酒3か条」とは?

政府広報オンラインは、楽しく安全に飲むためには以下のことに気をつけるよう、呼びかけています。

(1)自分の適量、その日の体調を把握する
風邪薬や花粉症の薬などを飲んでいる場合は、アルコールを控えるか事前に医師に相談するようにしましょう。

(2)イッキ飲みはしない、無理強いはしない・させない
イッキ飲みなど、短時間に多量のお酒を飲むと、血中アルコール濃度が急激に高くなるため、急性アルコール中毒の危険性も高まります。飲酒を強要するのもダメです。

(3)お酒が飲めない体質のかたは、周囲の人に「お酒が飲めない体質です」と事前に伝えてお
お酒が飲めないかたは、その旨を事前に周囲の人に伝えておきましょう。もし無理強いしようとする人がいても、他の人がたしなめてくれることがあります。
出典:急性アルコール中毒の怖さを知っていますか?イッキ飲みや無理強いは命にかかわることも!(政府広報オンライン)

他にも、お酒を飲む際は食べ物を摂取するとよいとのこと。それにより、胃を守りアルコールの吸収が緩やかになります。

また、血中アルコール濃度の急激な上昇を避けるためにも、度数の強いお酒を飲む際は、水や炭酸水などの飲み物と交互に飲むことを勧めています。

もし急性アルコール中毒になってしまったら?

もし一緒に飲んでいる人や周囲で飲んでいる人に急性アルコール中毒の疑いがある場合、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか?

政府広報オンラインでは、まず初めに「反応がない場合は救急車を手配」するよう求めています。意識がない、全身が冷え切っている、呼吸が不自然などの症状が確認されたら、一刻も早く救急車を呼びましょう。

なお、酔い潰れた人を介護する場合、「一人にせず、誰かが付き添う」ことが大切。その際、定期的に呼吸をしているか、脈があるかを確認する必要があります。

また、姿勢は「横向きに寝かせる(回復体位)」と良いでしょう。嘔吐物は拭き取り、無理に吐かせないよう注意が必要。なお、ネクタイやベルトは外し、衣服をゆるめるよう求めています。

そのほか、患者の「体を温める」ことも推奨しています。上着や毛布などを掛けてあげ、意識がある場合水やお茶などを飲ませてあげると良いとのこと。水分補給と血中アルコール濃度を下げるのに有効です。

お酒の飲み過ぎ、飲ませ過ぎにはくれぐれもご注意を

年末年始は忘年会、新年会などでお酒を飲む機会が増えがちです。適量を嗜む程度なら問題ないものの、ついつい飲み過ぎてしまう人もいるかもしれません。しかし、度が過ぎると急性アルコール中毒になってしまう可能性があります。

また、体質的にお酒に弱い人や、飲めない人、飲まない人がいることを決して忘れてはいけません。

お酒の飲み過ぎ、飲ませ過ぎにはくれぐれもご注意を。急性アルコール中毒になると、最悪の場合命を落としてしまうこともあります。もし、周囲に急性アルコール中毒の疑いのある人を見かけたら、すぐに救急車を手配して、適切な処置を施すようにしましょう。

※お酒は20歳になってから


参考:
政府広報オンライン(@gov_online)公式Xアカウント
急性アルコール中毒の怖さを知っていますか?イッキ飲みや無理強いは命にかかわることも!(政府広報オンライン)
急性アルコール中毒(厚生労働省)


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