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“絶対に”寝かせないで!「床は不衛生」→洗濯機へ…国民生活センターが明かす、乳児落下事故の“恐ろしい実態”

  • 2025.12.18
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

育児中の方にとって、“赤ちゃんのお風呂問題”は毎日の悩みのひとつではないでしょうか。特に大人ひとりで対応する“ワンオペお風呂”だと、ずっと気を張りっぱなし。

そのうえ年齢が幼いきょうだいがいる場合は、“上の子を待たせながら、急いで下の子の着替えや保湿をして…”など、状況はさらに大変です。

その結果、「床だと不衛生そう」「少し高さのある場所がちょうどいい」と、つい洗濯機の上や浴槽のフタの上に赤ちゃんを乗せてしまっていませんか?しかし、その“ちょっと置き”が、頭蓋骨骨折などの重大な事故につながっています。

2025年12月、国民生活センターは、入浴時に乳児が落下する事故が相次いでいるとして、「乳児を洗濯機の上に寝かせることは、絶対にやめましょう」と注意喚起を行いました。

重傷事故の約4割が「洗濯機」からの転落

国民生活センターが12月17日に公開した乳児の落下事故の分析では、骨折や頭蓋内損傷といった重篤なけがにつながった事故のうち、約4割が「洗濯機からの落下」でした。

また、落下した乳児のうち、約8割が月齢6か月以下とのこと。中でも月齢4~5か月での事故がやや多くなっていて、寝返りを始めたり少しずつ体の動きが活発になったりする時期と重なります。

そして、事故発生のタイミングでは、「入浴・沐浴前後」の事故が「入浴・沐浴中」よりも多く、このうち「準備や片付けなどで乳児から目を離した」ため事故を目撃していなかった割合は約8割とのことです。さらに、その際に寝かせていた場所は、ここでも「洗濯機」が最も多くなっています。

洗濯機の高さは一般的に100cmほどあり、乳児にとっては大人の身長以上の“高さ”に相当します。そこから頭から落ちれば、深刻なダメージを受ける危険性が高いのです。

「ほんの一瞬」目を離した隙に…誰にでも起こり得る事故

実際に報告されている事例を見ると、どれも特別な状況ではありません。

●事例1
普段は床に置いて使用している子ども用のマットが、たまたま洗濯機の上に置いてあったので、そのまま乳児を寝かせてしまった。浴槽の蓋を開けるために乳児から目を離し、後ろを向いたときに乳児が床に落下した。両側前頭葉くも膜下出血により入院。

●事例2
乳児を洗濯機の上に寝かせ、浴室のシャワーを出すためにその場を離れたところ、ドンと音がした。保護者が振り返ると乳児はうつ伏せで床に落ちていた。洗濯機の上にタオルを敷き、頭が洗濯機の奥になるように仰向けで寝かせていた。外傷性くも膜下出血により入院。

いずれも「すぐ戻るつもりだった」「目は離していないつもりだった」というケースです。しかし、赤ちゃんの動きは予測できません。

突然の反り返りや足の蹴りで、体のバランスは簡単に崩れます。「自分は気をつけているから大丈夫」と思っていても、事故は“想定外の一瞬”で起きてしまいます。

今日からできる「安全なお風呂オペレーション」

まず大前提として、乳児を洗濯機の上に寝かせることは絶対にやめましょう。

浴槽のフタの上など、落下の可能性がある場所も同様です。

寝かせる必要がある際は、床など、万が一動いても落下しない場所を選んでください。「床は汚い・冷たい」という場合は、防水マットやバスマット、ジョイントマットを敷くだけでも安心できます。

バウンサーやベビーラックなどの子ども用品を使う場合も注意が必要です。高い場所に置くことは避け、必ず取扱説明書に従って正しく使用しましょう。

命を守るために、その「習慣」を変えよう

赤ちゃんにとって、洗濯機の上は「台」ではなく「崖」です。大人にとってはちょうど良い高さでも、乳児にとっては落ちれば命に関わる危険な高さになります。

育児は本当に大変で、特にワンオペでお風呂に入る際は、ちょっとした気のゆるみが出てくることは自然なことです。それでも、事故は一度起きてしまうと取り返しがつきません。

「赤ちゃんを洗濯機の上には絶対寝かせない」

この注意点をパートナーや祖父母など、赤ちゃんのお世話をする可能性のある人たちと共有しましょう。

危険性を再認識することが、かけがえのない命を守ることにつながります。


参考:
国民生活センター(@kokusen_ncac)公式Xアカウント
入浴・沐浴に伴う乳児の落下事故に注意!-浴槽の蓋や洗濯機の上には寝かせないで-(国民生活センター)
入浴・沐浴に伴う乳児の落下事故に注意!-浴槽の蓋や洗濯機の上には寝かせないで- 報告書本文(国民生活センター)


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