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「絶対におやめください」ドラマ聖地巡礼ファンの“暴走”に牧場が悲鳴…注意喚起に「損害は取り返しがつかない」

  • 2025.12.18
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

12月14日に最終回を迎えたTBS系ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』。競走馬の世界をリアルに描いた作品として、多くの視聴者の関心を集めました。

そんな中、ドラマ公式Webサイトが発表した「ある注意喚起」が話題になっています。その内容は、牧場や関係施設への“無断立ち入り”について。なぜ今、こうした呼びかけが行われたのでしょうか。

“許可なく牧場へ立ち入らないで”呼びかけ

TBS系ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』は競馬界を舞台にした、人と競走馬の約20年にわたる夢と絆の物語。実際の競馬場で撮影された本格的な描写が話題を呼び、そのレースの迫力をはじめ、人々の情熱、挫折、友情、家族愛などが描かれ、多くの視聴者の心をつかみました。

その一方で、ドラマの放送をきっかけに、実在する牧場や関係施設を訪れる人が増加しているようです。

TBSの公式Webサイトでは、撮影において北海道内の多くの牧場に協力してもらったことを報告。

そして「各牧場では感染症予防を徹底しています。ひとたび感染症が広がれば、生まれたばかりの仔馬や母馬などサラブレッドに深刻な被害を及ぼす恐れがあります」と説明したうえで、「許可なく牧場内へ立ち入る行為はおやめください」と注意を呼びかけています。

物語の舞台やモデルとなった場所を実際に見てみたい、という気持ちは自然なものかもしれません。しかし、牧場は観光地ではなく、競走馬を育てるための大切な仕事の場。一般の立ち入りが想定されていない場所も多く、思わぬ事故やトラブルにつながるおそれがあります。

見学は「競走馬のふるさと案内所」へ連絡を

馬の産地に関する情報を発信する「競走馬のふるさと案内所」も、12月12日に公式Webサイトで「【重要】牧場見学に関する注意事項」を掲載しました。

それによると、見学を受け入れていない牧場へ無断で立ち入り、写真撮影を行ったり、SNSなどに投稿したりする行為が確認されたとのことです。あわせて、「許可なく牧場内へ立ち入る行為は絶対におやめください」と強く訴えています。

牧場では、馬の体調管理や調教が日常的に行われており、人の出入りが増えることで馬が驚いたり、ケガにつながったりするリスクがあります。また、防疫の観点からも、不特定多数の立ち入りは大きな問題です。

競走馬のふるさと案内所によると、見学を希望する際は、直接牧場に連絡するのではなく、必ず競走馬のふるさと案内所に問い合わせることがルールとなっています。

また案内所では、“大きな声や音を出さない”、“絶対に馬に触らない”など「牧場見学の9箇条」を公開しており、最低限のルールを遵守するよう呼びかけています。

競走馬を扱う牧場は、観光目的で経営しているわけではありません。公式に案内されているルールを確認することが大切です。

「危険かも」「競走馬の損害」との声続々

SNS上では「牧場は生活の場。私有地に勝手に入るのは危険」「ドラマの意図をちゃんと理解していれば、無断で見学するなんて思いつかない」「競走馬の損害は取り返しがつかない。馬にとっても人にとってもリスクが高い」といった指摘が多く見受けられました。

また、過去にも、他のジャンルでも一部のファンの行き過ぎた行動が問題になってきたことを踏まえ、「昔からこういう問題がある」「当然のことなのに守れないファンがいるのは残念」「本当に好きなら現場に迷惑をかけないでほしい」といった、ファン側からの自省を促す声も少なくありません。

作品を愛するファンだからこそルールを守ろう

今回の注意喚起は、作品や競馬を愛する人たちに向けて、「楽しみ方の基本」を改めて共有するためのものといえるでしょう。

ドラマや映画、アニメなどをきっかけに現地を訪れたくなる気持ちは自然ですが、その場所がプライベートかつ仕事の現場である場合、守るべきルールがあります。

公式情報を確認し、許可された範囲で楽しむこと。それが作品を守り、現場を守り、ファン文化を長く続けていくことにつながります。


参考:
『ザ・ロイヤルファミリー』をご覧いただいた皆様へお願い(TBS)
【重要】牧場見学に関する注意事項(競走馬のふるさと案内所)
牧場見学の9箇条(競走馬のふるさと案内所)