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「うちの方が大変!」“子育て頑張ってる”アピールの裏で → 同僚が『求めていたもの』に「胸が痛む」

  • 2025.12.6

子育てをしながら働く同僚の止まらない「うちは大変アピール」。そのたびに私は“ラク扱い”され、モヤモヤを抱えていました。ところがあるきっかけで、彼女がその言葉に込めていた思いの存在に気づいたのです。

画像: 「うちの方が大変!」“子育て頑張ってる”アピールの裏で → 同僚が『求めていたもの』に「胸が痛む」

「うちの方が大変!」くらべたがる同僚に揺れる心

同僚には3歳と2歳の年子の男児がいます。「男の子2人は本当に大変!」「上がお姉ちゃんだったらラクだよね?」と、彼女はよく話していました。

一方、こちらは4歳の娘と2歳の息子。確かに家庭の形は違いますが、忙しさはどちらも変わりません。

それでも彼女は毎回「いいなあ、そっちはラクで」と言いきるのです。まるでこちらのしんどさは存在しないかのように表現され、話すたびに胸がザワつきます。

つらさの量を確かめるような話に、どう返していいのか迷う日々でした。

話すたび“苦労くらべ”に変換される会話

私の子が体調を崩したときでさえ、同僚は「えー、でもうちはもっと大変だよ!」と返してきました。まるで正しさを証明するかのように、どのような話題も“自分の方が上”と主張。

最初は言葉選びが強いだけだと思っていたものの、毎回続くと心が身構えてしまいます。比較されることに疲れ、いつの間にか当たり障りのない返答ばかり選ぶようになっていきました。

家庭ごとに違いがあるだけなのに、なぜここまで必死にアピールするのだろうと疑問でした。

彼女の言動の裏にあった“思いがけない理由”

後になって知ったのは、同僚が家で厳しい叱責を受けているという事実でした。

ワンオペにもかかわらず、少しでも家事や育児の抜けがあると「何もしていない」と責められる。その重さに耐えながら、彼女はずっと一人で踏ん張っていたのです。

いままでパートナーの話題がまったく出てこなかった理由も、ようやく腑に落ちました。“苦労アピール”は、強がりではなく、押しつぶされそうな気持ちをどうにか支えるための言葉だったのかもしれません。

自分の頑張りを肯定してくれる場所がなく、他人とくらべてバランスを取っていたのだと思うと、胸が痛みました。

くらべなくても、十分頑張っている

家庭の状況も、感じる負担の重さも、人それぞれ。 比較して勝つ必要も、負ける必要もありません。誰かの言葉に揺れそうになる日があっても、私たちはもう十分に頑張っています。

彼女の背景を知ってからは、優劣をつけようとする会話に疲れを感じなくなりました。
他人の評価ではなく、自分で自分の踏ん張りを認められたとき、心はふっと軽くなるのだと実感したできごとでした。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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