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意外と読めない?【漢字クイズ】「蠢く」はなんと読む?→気になる正解は?

  • 2025.12.31

寒い季節になると、外に出るのも億劫になりますが、それは人だけでなく、動物や虫にとっても同じです。特に動物は「冬眠」という形で代謝を極端に低下させ、エネルギー消費を抑えます。

虫は卵やサナギなど、種によって様々な形態を取りながら冬を越していきます。そして季節が春に変わると、どの生き物も活発に動き回るようになるのです。

今回ご紹介する「蠢く」は、まさにそんな生き物の様子が語源となった漢字です。みなさんは正しく読むことができますか?

問題

「蠢く」はなんと読む?
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春先に動き出す虫たち

「蠢く」の正しい読み方は「うごめ(く)」です。古くから使われている言葉で、かつては「おごめ(く)」「むくめ(く)」という読み方で用いられていました。「(虫がはうように)もぞもぞと動く」という意味を持ちます。

「春」の下に「虫」が二つ並ぶ形で構成されていることからも分かるように、春先にたくさんの虫たちが動き出す様子が由来となった漢字です。

「土の中でミミズが蠢く」などの、虫が動く様子の描写はもちろん、「不穏な噂が蠢いている」や「悪党が蠢く」など、比喩的な表現で用いられることもあります。

愚かさを表す「蠢」

「蠢」という漢字は「もぞもぞと動く」の他に、「愚か」「無知で道理をわきまえない」という意味も持ちます。そのため、「とるに足らないもののうごめくさま」という意味の「蠢蠢(しゅんしゅん)」や、「きわめて無知でおろかなこと」という意味の「蠢愚(しゅんぐ)」という熟語で用いられることもあります。

虫がもぞもぞと動く様子を愚かさという表現につなげるなんて、漢字に込められた意味はなんとも面白いですね。


参考文献: 大辞林、全訳古語辞典、漢語林

文(編集):そこさん

元国語科教員。一文字でたくさんの意味を持つ漢字に魅了され、大学では中国文学を専攻し、漢詩について研究。とても身近なのに、意外と深くは知らない漢字。読むだけでちょっと賢くなれる、そんな豆知識をお届けします!