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朝ドラ『虎に翼』を彷彿しつつ…「共演嬉しすぎ」NHK新ドラマ第1話、“若き才能”の飛躍に期待の声続出!

  • 2026.1.4

2026年1月6日よりNHK総合・ドラマ10枠でスタートする新ドラマ『テミスの不確かな法廷』。主演を務めるのは、近年ますます演技の深みを増している俳優・松山ケンイチだ。朝ドラ『虎に翼』では、理想と現実の間で揺れる最高裁長官・桂場等一郎を演じた彼が、今度は“発達障害を抱える裁判官”として法廷に立つ。

本作の原作は、新聞記者・直島翔による同名小説。主人公の安堂清春(松山ケンイチ)は、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を幼少期に受け、社会との接続に苦悩しながらも、法律という変わらぬルールに自分の居場所を見出した人物だ。

※以下本文には放送内容が含まれます。

松山ケンイチが魅せる、“普通を装う”という異能の演技

特例判事補として異動してきた前橋地方裁判所で、安堂はさまざまな事件と人間模様に向き合っていく。自分の特性と共存しながら、“普通”に生きようとする姿は、誰しもが抱える、周りの人と違う自分との違和を象徴している。

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ドラマ10『テミスの不確かな法廷』1月6日放送 第1話より(C)NHK

松山ケンイチといえば、『デスノート』のL役や『ど根性ガエル』のひろし役など、カメレオンのごとき変幻自在の役作りで知られる。いわゆる憑依型と呼ばれることも多い彼だが、『テミスの不確かな法廷』では、何も演じていないように見える繊細な表現力が期待されるのではないだろうか。裁判官という、規律や論理を重視する立場にいながら、彼の目の動き、身体のこわばり、発言の間には、常に“自分をコントロールしようとする”微細な緊張が張り詰めることになるだろう。これは演技というよりも、存在そのものを見せることに近い。

NHK連続テレビ小説『虎に翼』での桂場長官の“法と人の間で葛藤する理知”を彷彿とさせつつ、より個人的で、内面に沈み込むような表現が本作の魅力のひとつとなるように思う。

こだわりが武器になるとき

安堂の特性……たとえば、ひとつの証拠に執拗にこだわる、会話の行間を読まないなど、そうした“生きづらさ”は、ときに裁判を進めるうえで厄介とされるはずだ。しかし本作では、それらが思わぬ突破口となる瞬間もあるのではないか。

周囲が見過ごした証拠のほころびに気づき、正義の前提を覆していく過程には、見ている側もハッとさせられるはず。裁判官が、真実を導くための絶対的な装置ではなく、ひとりの揺れる人間として描かれるからこそ、このドラマはリーガルミステリーにとどまらない、深い人間ドラマとして成立することが期待される。

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ドラマ10『テミスの不確かな法廷』1月6日放送 第1話より(C)NHK

安堂を取り巻く周囲のキャラクターもまた、単なる理解者や協力者にとどまらない複雑な存在となるだろう。弁護士の⼩野崎乃亜(鳴海唯)、エリート判事補・落合知佳(恒松祐里)、検察官・古川真司(山崎樹範)など個性豊かな職員たちが繰り広げるかみ合わない会話は、笑えて、切なくて、あたたかいものになるはずだ。

会話のテンポがズレていたり、質問の意図がすれ違っていたり……。しかし、その不器用さのなかに、誰かを理解したい、近づきたいという願いが確かに宿っているに違いない。人間の温度が、法廷の冷たさをじんわりと溶かしていくような予感がある。

第1話ゲストに小林虎之介、SNSでも期待高まる

さらに注目なのが、初回に登場するゲスト俳優・小林虎之介の存在だ。ドラマ『宙わたる教室』で演じた生徒役が話題となった彼は、本作では被告人として登場。安堂が担当する刑事裁判で、ふたたび視聴者の心を揺さぶる芝居を披露する。SNSではすでに「楽しみ」「共演嬉しすぎる」といった声が多く、若き才能の飛躍に期待が高まっている。

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ドラマ10『テミスの不確かな法廷』1月6日放送 第1話より(C)NHK

本作のタイトルにある『テミス』は、ギリシャ神話の正義の女神の名。目隠しをした彼女は、公平と中立の象徴とされる。しかし安堂が向き合うのは、誰かにとっての正義が、別の誰かにとっての理不尽であるという現実だ。

法律は誰に対しても等しく適用される、変わらぬルールのはずだった。しかし、運用するのは生身の人間。そして裁かれるのもまた、生きづらさを抱えた、普通じゃない人たちだ。

松山ケンイチが演じる安堂清春は、その揺らぎのなかに立ちすくみ、苦しみ、そして一歩を踏み出していく。私たちが“当たり前”と信じていた社会の輪郭が、彼の目を通して少しずつ変化していく様は、静かな感動を呼ぶだろう。


NHK ドラマ10『テミスの不確かな法廷』 毎週火曜 夜10:00~10:45
2026年1月6日(火)放送開始
NHKプラスONEで配信予定

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_