1. トップ
  2. 彼女の背中を押すために――彼がついた、たったひとつの嘘【やさしさに焦がれる Vol.67】

彼女の背中を押すために――彼がついた、たったひとつの嘘【やさしさに焦がれる Vol.67】

  • 2026.2.20

■これまでのあらすじ

自分に興味のないはずの母に結婚を反対され悩む凜。一方で、弟はFXに失敗し実家の金品を黙って持ち逃げした。母から事情を聞いて弟を訪ねた凜だったが、そこへ現れた婚約者が「100万円を渡す代わりに家族へ迷惑をかけない」と合意書を差し出す。彼の言葉に救われながらも、こんな情けない母と弟を許すことができず、凜は彼に「別れたい」と告げる。驚く彼に凜は「これ以上あなたの人生に迷惑をかけたくない」と想いを伝えた。すると彼は「いつかそう言われるんじゃないかと思ってた」と静かに答えるのだった。

■“やさしさ”――その一面が愛しくもどこか不安で…

■なぜ彼は私のためにここまでしてくれるの?

凜のやさしいところが大好き――彼はそう語ります。けれど同時に、そのやさしさが時に不安を呼ぶこともありました。

これまでも、凜は家族のために何度も自分を犠牲にしてきた。だからこそ、彼はもうこれ以上、彼女に同じ苦しみを背負わせたくなかったのです。

「無理やりにでも一緒に日本を離れたほうがいい」――そう考えていた彼は、その決意を胸に、「遠距離になるくらいなら別れる」とあえて突き放すような嘘までついていたのでした。

彼のそんな思いを知った凜は、胸が締めつけられるようでした。どうして、どうして私のために、そこまでしてくれるのかと…。

(福々ちえ)

元記事で読む
の記事をもっとみる