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『ポイント大好きな人』ほど老後にお金が貯まらない…見逃しがちな“2つの理由”とは?

  • 2025.11.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

お店やネットショッピングで貯まるポイント、使うたびに嬉しくなりますよね。しかし「ポイント大好き」という人ほど、老後資金が思うほど貯まらないケースがあります。なぜ老後のお金が貯まらないのか、その背景には見逃されがちな理由が2つあるようです。

本記事では、将来の資産形成がうまくいかない理由をわかりやすく解説します。

ポイントで得した気分に…気づいていない落とし穴とは

「ポイント」はさまざまな商品やサービスを受ける際に、割引になったり特典があったりするので貯めている人も多いのではないでしょうか。ポイントをたくさん貯めれば、とてもお得に買い物や節約をしているような気持ちになります。一方で老後の資産形成の目線から見ると、見直したい注意点も存在しています。

ポイント大好きな人が老後資金で苦戦しやすい理由は、「逆に支出が増えてしまうこと」と「得した分を貯蓄や投資に回せていないこと」の2つです。

  • ポイントで「節約感」が満たされて、支出が増える傾向にある
    ポイントをもらうことで「得した」と感じると、つい無駄遣いや余計な買い物をしてしまうことがあります。1,100円のポイントをもらっても、500円の商品を衝動買いしてしまえば結局差し引きで赤字に。心理的には日常の買い物で賢く節約しているつもりでも、トータルの支出は増えてしまうことが多いのです。

  • ポイント還元分を資産形成に回しにくい
    ポイントは使うことそのものに喜びがあるため、還元分を「貯蓄や投資に回す」という発想になりにくい実態があります。仮にポイントだけで買い物をしても、それは支払いを別の形でしているだけなので、貯蓄や投資資金には回っていません。ポイントは直接的には資産形成につながりにくい傾向があります。

この2つの理由は見逃されがちですが、老後資金を貯める上で非常に重要な視点です。ポイントを得たことで、結果的に家計の黒字化や資産の増加から遠のくことが多いのです。

さらに、ポイントに依存して買い物量が増え、貯蓄額が減っているとすれば、老後資産が足りなくなってしまうこともあります。貯蓄や投資に回すお金を優先し、ポイントは「おまけ」として受け取る意識を持つと、結果的に資産形成が進むでしょう。

具体的にやっておきたい老後資金の貯め方と準備のコツ

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

それでは、実際にどのようなことをすると老後資金の準備につながるのでしょうか。ここでは具体的なポイントを5つ挙げてみます。

  • 家計の見直しと支出の管理:まずは毎月の収支を見える化してムダな支出を減らし、貯蓄に回せる金額を増やしましょう。単に我慢するのではなく、本当に必要なもの・サービスを意識して選ぶことが大切です。

  • 積立貯金や自動積立の活用:銀行の普通預金以外に定期預金や積立貯金を利用すると、計画的にお金を貯めやすくなります。自動引き落としの設定をしておくと、毎月、お金を動かす手間がなくなるため、継続しやすいです。

  • 国の資産形成支援制度を活用する:iDeCoやNISAといった非課税制度を上手に利用することも老後資金づくりの手段のひとつです。ここれらは、長期の資産形成をサポートしてくれる制度であり、老後資金の準備に適しています。

  • 資産運用の基本を学ぶ:全額を預貯金で備えるのは、インフレや低金利の影響で資産が目減りするリスクがあります。自分のリスク許容度に合わせて、投資を検討してみるのも良いでしょう。投資には元本割れのリスクもありますが、しっかりと勉強し、適切な方法で行えば、資産形成を加速させることができます。
  • ライフプランの見直しを定期的に行う:結婚や出産、転職、住宅ローンの返済など人生の節目で、必要な資金計画も変わります。定期的に自分の収支や資産状況を見直し、計画をアップデートしておくことが無理のない準備につながります。

さらに、健康管理やライフスタイルの工夫も将来的に医療費や介護費用の軽減につながり、結果として老後資金の負担を抑えられます。

ポイントに頼りすぎない生活を

ポイントをうまく使いこなすのは決して悪いことではなく、生活の楽しみやお得感を感じるのにも役立ちます。ただ、老後資金をしっかり貯めたいと考えるなら、「ポイントを得ることで支出の増加を招いていないか」「得した分を貯蓄や投資に回すという選択肢も意識できているか」という点は確認してみると良いでしょう。

老後にゆとりある暮らしを目指すなら、ポイントという「小さな得」を味わいつつ、大きな資産形成の視点も忘れず持ちたいものですね。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。