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「駅の券売機にコーヒーをぶちまけ、黙って逃走」うっかりでは済まされない“悪質な行為”の末路。弁護士が解説

  • 2025.11.25
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出典元;photoAC(画像はイメージです)

電車に乗る時に利用する、駅の券売機。切符を買う時や、電子マネーにチャージをする時などに便利です。

SNS上で「駅の券売機にコーヒーがかけられていて使えなかった」「券売機が濡れてるんだけど誰か飲み物こぼした?」という声がしばしば見られます。

はたして、公共物を汚して使用を困難にさせる行為は、法的にどのような問題があるのでしょうか。気になる疑問について、弁護士に詳しく話を伺いました。

券売機に飲み物をかける行為、法的責任は?弁護士が解説

今回は、NTS総合弁護士法人札幌事務所の寺林智栄弁護士に詳しくお話を伺いました。

券売機に飲み物をかける行為はどんな罪になる?

---公共の券売機等に飲み物をかけるといった行為は、どのような罪になりますか?わざとやった場合、手元が滑ってかけてしまって黙って逃げた場合、駅員に申し出た場合で、何か変わりますか?

寺林弁護士:

1. 故意にかけた場合(わざと)

該当する罪名は器物損壊罪(刑法261条)です。他人の物を故意に壊す・汚す・使用不能にする行為について成立します。3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されます。

券売機は鉄道会社の財産となります。故意に損壊すれば刑事責任が問われます。

2. 駅員に申し出た場合

うっかりかけてしまった場合は、通常は犯罪にはなりません。民事上の責任にとどまります。修理費用等の賠償は求められるでしょう。

わざとかけた場合も、誠実に謝罪すれば鉄道会社側が刑事罰を求める可能性は低く、民事上の責任を求められるだけで終結する可能性が高いといえます。

3. うっかりかけてしまい黙って逃げた場合

うっかりかけてしまったこと自体は犯罪にはなりませんが、黙って逃げたことで悪質と判断され、駅側が監視カメラ映像による特定を行い、損害賠償請求する可能性があります。

コイン投入口にガムを貼る行為も器物損壊罪に

---コイン投入口に噛んでいたガムを貼り付ける行為もしばしば見受けられます。こちらはどのような罪になりますか?

寺林弁護士:

券売機のコイン投入口にガムを貼り付ける行為は、故意であれば器物損壊罪に該当する可能性が高いです。機械の機能を損なう行為は、物理的破壊でなくても処罰対象になります。

過去の判例では、食器に放尿した行為やビラ貼りで美観を損なった行為も器物損壊罪と認定されています。ガムの貼り付けも、機械の本来の機能(硬貨の受け入れ)を妨げる行為として、損壊とみなされる可能性が高いです。

公共物を守るのは私たち一人ひとりの責任

券売機への飲み物やガムによる汚損行為は、故意であれば器物損壊罪に問われる可能性があります。

駅の券売機は、多くの人が日常的に利用する公共設備です。こうした設備を大切に扱うことは、私たち一人ひとりに求められるマナーです。万が一、誤って汚してしまった場合は、速やかに駅員に申し出ることが重要です。

公共物を守ることは、結局のところ、私たち自身の快適な生活を守ることにつながります。日々の行動を通じて、みんなが使いやすい駅の環境を保っていきたいものです。

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