その手足の冷え、実は『更年期』のサインかも…ホットフラッシュやイライラ以外の症状とは？

2025.11.11

「手足がいつも冷たい…」と感じたことはありませんか？特に40代以降の女性が感じやすい冷えは、更年期のサインのひとつかもしれません。更年期に現れるのは、ホットフラッシュ（のぼせ）やイライラといった精神的変化だけではありません。

今回は手足の冷えをはじめ、あまり知られていない更年期の症状について分かりやすく解説していきます。

手足の冷えはなぜ更年期のサイン？ホットフラッシュ以外にも気をつけたい体の変化

更年期は女性ホルモンの分泌が減ることで、体のさまざまな調整機能に影響が及びます。とくにエストロゲンの減少は、血流のコントロールに関わる自律神経のバランスを乱すことが知られています。これが原因で血管の収縮・拡張がうまくいかず、手足の末端が冷たく感じられることがあるようです。

更年期に伴う身体の変化として注目されているのが「ホットフラッシュ」です。顔や体が急に熱くなって汗をかく症状ですが、その裏で血管が急激に拡張したり収縮したりする不安定な状態が血流の乱れを生み、冷えにもつながるとされています。もちろん、手足の冷えは単なる体質や血行不良の場合も多いですが、40代以降で急に感じ始めた場合や、今までにない不調が現れた場合は更年期が関係している可能性が考えられます。

また、更年期には、疲れやすさや肩こり、頭痛、不眠、手足のしびれやなどを感じることもあります。

更年期の症状を和らげるには？生活を見直そう

まずは、毎日の生活習慣を振り返ってみることが大切です。更年期に現れる症状にはホルモンバランスの変化が大きく関係していますが、ストレスや体調管理の仕方が症状の強さに影響することもあるとされています。

例えば、充分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを心がけることが推奨されています。睡眠の質を高めるために就寝前のスマホやパソコンの使用を控えるとよいでしょう。また、無理なダイエットは体調を崩しやすくするため、栄養バランスの取れた食事を意識することもポイントです。

活動面では、過度な激しい運動でなくても、ウォーキングやヨガ、軽いストレッチなどの有酸素運動を継続することが、身体の調子を整えてくれるでしょう。適度な運動は気分転換にもなり、イライラや気分の落ち込みをやわらげやすいと言われています。

さらに、ストレスが自律神経のバランスを崩す一因となるため、好きな趣味や気分転換を取り入れることも考えられます。場合によっては専門家に相談し、適切な検査やアドバイスを受けることも選択肢の1つです。

見逃さないで！冷えは体からの大切なメッセージ

手足の冷えが更年期のサインとして現れるケースは、多くの女性にとって意外な発見かもしれません。ホットフラッシュやイライラのような典型的な症状ばかりに目がいきがちですが、冷えや疲れやすさ、頭痛や肩こりといった日常の変化にも注意を向けることが大切です。

更年期は一人ひとり症状の出方や感じ方に多様性があり、無理なく向き合いながら体調管理を心がけることがポイント。冷えを感じたらまずは日頃の生活を見直し、早めに自分に合ったケアを取り入れてみてくださいね。

監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。