1. トップ
  2. 医師「見逃さないで」 意外と知らない『動脈硬化』の初期症状とは【医師の解説】

医師「見逃さないで」 意外と知らない『動脈硬化』の初期症状とは【医師の解説】

  • 2025.11.6
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

動脈硬化は、血管が硬くなったり狭くなったりしてしまう状態で、心臓病や脳梗塞などのリスクを高めることでよく知られています。でも、そんな動脈硬化にも初期症状があり、そのサインを見逃すと手遅れになるケースもあるかもしれません。

今回は、医師の視点をもとに「意外と知られていない動脈硬化の初期症状」をわかりやすく解説します。健康への第一歩として、ぜひ押さえておきましょう。

動脈硬化の背景と進行のメカニズムを知る

動脈硬化は、血管の内側にコレステロールなどの脂質がたまり、「プラーク」と呼ばれる塊が形成されることで血管壁が厚く硬くなってしまう状態を指します。これによって血液の流れが悪くなるだけでなく、血管が破れやすくなるリスクも高まります。

主な原因は生活習慣の影響が大きいとされており、脂肪分の多い食事、運動不足、喫煙、ストレス、そして加齢が進行の要因と考えられています。

また、日本では高血圧や糖尿病を抱える人の増加に伴い、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞のリスクが問題視されています。進行すると、突然の発作や重篤な症状を引き起こす可能性があるため、早期の予防と生活習慣の見直しが何より重要です。そのためには、血圧やコレステロール値の管理、適度な運動、禁煙、そしてバランスのとれた食生活を日常的に意識することが大切です。これらの習慣が、血管の健康を守る第一歩となります。

動脈硬化の初期症状…こんなサインに注目してみて

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

動脈硬化は基本的にゆっくりと進行するため、初期段階で自覚症状がほとんどないことが多いです。しかし、体の中では少しずつ変化が始まっているため、ごく軽い身体の不調や症状として表れる可能性があります。一般的に見逃されやすい初期症状としては、例えば「手足の冷えやしびれ」、「疲れやすさ」、「集中力の低下」といった比較的ありふれたものが挙げられます。

  • 手足のしびれや冷え:血流の悪化が影響して筋肉や神経に十分な栄養が届かない状態を示唆することがあります。
  • 疲労感や息切れ:血液循環の低下で体が酸素不足になりやすい場合に起こるとされます。
  • 頭痛やめまい:脳への血流不足が原因として見られることがあります。
  • 胸の違和感や動悸:心臓の負担が高まり始めた際の軽いサインとして考えられる場合があります。

これらの症状は他の病気とも共通することがあるため、すぐに動脈硬化とは限りません。ただ、特に40歳以上で生活習慣に気をつけている人、また血圧や血糖値に問題がある方は定期的に健康診断を受け、気になる症状が続けば専門家に相談するのが望ましいでしょう。

一般的な健康診断では血管の状態までは詳しくわからないこともありますが、血圧測定や血液検査を通じて動脈硬化のリスクを検討することが可能です。また近年では、超音波検査などでより早期に血管の厚みや狭窄の有無を評価する方法も活用されています。

知らないうちに進行する動脈硬化に気づくために

動脈硬化は自覚症状が少なく、気づいたときには進行していることも少なくありません。今回ご紹介したように、手足の冷えやしびれ、疲れやすさなどの細かなサインに少し気を配ることで、自分の体の変化を見逃さずにすむ可能性があります。

生活習慣の乱れが動脈硬化に関係しているため、日ごろから食事や運動、禁煙などに意識を向けることが自身の血管を守ることにつながるでしょう。また、定期的な健康チェックを通じて、医療の専門家と一緒にリスクを把握することも大切です。


監修者:金沢駅前内科・糖尿病クリニック 院長 小倉 慶雄

undefined

金沢駅前内科・糖尿病クリニックは金沢駅から徒歩3分で「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を行っています。患者様の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を提供します。

金沢駅前内科・糖尿病クリニック(https://kanazawa-naika.jp/