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中華まんを5分加熱すると…電子レンジの“掃除不足”が招く思わぬ悲劇

  • 2025.11.18
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

寒い季節になると、温かい料理を手軽に作れる電子レンジの出番が増えるという家庭も多いでしょう。電子レンジは、冷めたお弁当を温めたり、冷凍食品を解凍したりと、日常生活に欠かせない家電の一つです。

しかし、そんな身近な電子レンジでも、「使用中に発火した」「煙が出た」といった事故が報告されており、国民生活センターが注意を呼びかけています。

加熱の仕方や入れるものを誤ると、思わぬ火災につながるおそれもあるため、使用時には注意が必要です。

では、具体的にどのような点に注意して使用すればよいのでしょうか。国民生活センターの注意喚起やメーカーが提示している注意点などを踏まえながら詳しくご紹介します。

電子レンジ使用中の事故例

国民生活センターや東京消防庁によると、電子レンジの使用中に次のような事故が報告されているといいます。

  • 水を入れた陶器製のコップを温めたところ、庫内のプレートから火花が出た。
  • 冷凍おにぎりを温めようとしたら、庫内上部から発火した。
  • ジャガイモを10分間加熱したところ、ジャガイモが燃えてしまった。
  • サツマイモを加熱すると、サツマイモが燃えて電子レンジから煙が出ていた。

いずれも日常の中でよくあるようなシーンですが、発火や煙が発生することもあり、思わぬ火災につながる危険性があります。

東京消防庁が行った火災実験では、サツマイモや中華まんを電子レンジで長時間加熱すると、爆発的に燃焼するおそれがあることが確認されました。

実験によると、サツマイモや中華まんなどを5〜12分間加熱した場合、庫内で爆発的に燃焼するとのこと。これは、食品を長時間加熱することで水分が蒸発し、炭化が進んで可燃性ガスが発生することが原因と考えられています。そのガスが庫内に充満した際に、炭化部分が帯電してスパークを起こし、引火して爆発的に燃焼すると推定されるとのことです。

このほかにも、長時間の加熱によって爆発的に燃焼する食材が確認されましたが、いずれも加熱時間が数十分に及ぶもので、通常の調理では起こりにくいとのことです。

そのため、電子レンジで調理する機会が多い中華まんやサツマイモなどは、加熱時間に十分注意することが重要だと呼びかけられています。

使い方に注意し、こまめな手入れを

電子レンジによる発火事故を防ぐためには、まず取扱説明書をよく読み、食品を加熱しすぎないことが大切です。取扱説明書には、食品の種類や量に応じた加熱時間・出力などが詳しく記載されています。長めに加熱することなく、メーカーが推奨する方法を守り、正しく使用するようにしましょう。

また、加熱中はその場を離れず、目を離さないことも重要です。電子レンジは自動で止まるからといって油断せず、調理中は庫内の様子を時々確認しましょう。

さらに、庫内を清潔に保つことも安全に使うための大切なポイントです。汚れや食品カスが残ったまま使用すると、加熱時にそれらが炭化して発煙や発火の原因になることがあります。こびりつきやさびの防止にもなるため、使用後はこまめに手入れをしましょう。

日頃から取扱説明書の確認・適切な加熱・庫内の清掃を意識することで、電子レンジをより安全に、安心して使い続けられます。

火が出た場合は?

万が一、電子レンジで火災が発生した場合は、まず扉を開けずに電源を切ることが最優先です。扉を閉めたまま庫内の様子を確認し、火が消えなければ、扉を開けずに消火器などの消火器具を用意してください。

過去には、慌てて扉を開けて燃えている物を取り出そうとした際、衣服に引火して死亡する事故も発生しています。火災時はまず落ち着いて行動することが何より重要です。

また、火が収まらない場合や危険を感じたときには、迷わず119番に通報し、消防の指示に従いましょう。

電子レンジで火花が出る場合、以下のような原因が考えられます。

  • 金属製の容器や金属加工された食器を入れて加熱している。
  • 庫内に食品カスや油、調味料などが付着している。
  • 冷凍野菜や冷凍食品、小さく切った食品などを少量で加熱している。
  • 加熱しすぎている。
  • 庫内に食品を入れずに加熱している。
  • 庫内の左右側面、奥面、天井などにさびがある。

これらに心当たりがない場合は、電子レンジの故障の可能性があるので、早めに点検を依頼することをおすすめします。

電子レンジを安全に使用するために

電子レンジは毎日の調理で便利に使える家電ですが、少しの注意を怠ると火花や発火などの事故につながるおそれがあります。

SNS上でも「火花が散って電子レンジが壊れた」「パンを10秒温めるつもりが10分にしてしまい、途中で煙が出て焦った」など、発火や火花の発生を経験した人の声がみられます。

安全に使用するためには、取扱説明書に沿った正しい使い方を心がけ、加熱中はその場を離れないことが大切です。また、庫内の汚れも発火の原因となるため、日頃から手入れをこまめに行い、汚れを溜めこまないようにしましょう。


参考:
くらしの危険(国民生活センター)
火災に注意!電子レンジを安全に使用しましょう!(東京消防庁)
電子レンジのよくあるご質問(TOSHIBA)


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