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【60代の健康】六十肩かな?と思ったらまずは病院へ!重症化すると、肩がまったく上がらなくなる?!専門医がアドバイス

  • 2025.10.25

肩に痛みや違和感がある……もしかしたらそれは、「六十肩」かもしれません。そのまま放っておくと、日常生活に支障が出ることも。素敵世代なら誰でもありうる六十肩とその重症化について、肩関節を専門とする整形外科医・歌島大輔先生にお話を伺いました。

素敵世代なら誰でもありうる六十肩とその重症化

「六十肩には段階があり、軽症レベルのものを肩関節周囲炎、重症化したものを癒着性肩関節包炎(別名、凍結肩)と呼ぶことが多いです。後者は、肩のいちばん深い場所にある関節包に炎症が起き、癒着してかたくなった状態。軽症は『肩が上がりにくい』程度ですが、重症になれば『肩がまったく上がらない』という深刻な状態になります。 ドイツの研究(参考文献1)によると、癒着性肩関節包炎は40〜50歳に多く見られるなか、65歳以上でも決して稀な病気ではないことが示されています。 また別の研究(参考文献2)では、60歳以上と60歳未満の癒着性肩関節包炎患者を比べたときに、60歳以上の患者のほうが治りが悪いことが示されています。つまり、六十肩もその重症化も、素敵世代なら誰にも起こりうるということ。発症したら、動作に制限が生じてできないことが増える、痛みで夜眠れなくなるなど、生活に大きな影響が出ます。起こらないための対策、そして起こったときにどうしたらいいかを知っておくことが大切です」(歌島先生)

参考文献:(1)Jacob L, Gyasi RM, Koyanagi A, Haro JM, Smith L, Kostev K. Prevalence of and Risk Factors for Adhesive Capsulitis of the Shoulder in Older Adults from Germany. J Clin Med. 2023;12(2):669. (2)Park YS, Park YH. Adhesive capsulitis in the elderly: Comparison of magnetic resonance imaging findings with effectiveness of hydrodilatation treatment. J Korean Geriatr Soc. 2015 Sep 30;19(3):147–57.

軽度の六十肩=肩関節周囲炎

関節まわりに炎症が起こった状態肩関節まわりに炎症が起きている状態

肩関節まわりというように該当する範囲が広く、人によって炎症が起きている場所や範囲が異なります。

腕を上げたり肩をまわしたりする際に、肩に痛みや違和感があります。痛みを感じる場所をもむと、痛みが増すことも。軽症の場合、肩関節の可動域が狭まることはなく、日常生活に支障が出るケースはあまりありません。

重度の六十肩=癒着性肩関節包炎(凍結肩)

関節包に炎症が起きてかたくなった状態

関節の深部にある関節包(肩関節を包んでいる袋状の組織)に炎症が起きている状態。最終的にはまわりと癒着して、分厚くかたくなってしまいます。

肩の痛みが激しいために肩関節の可動域制限が多くなり、肩や腕を上げること自体が困難になります。腕が90度以上上がらない場合は重度の可能性大。夜間痛(夜就寝中に感じる痛み)があり、横になった姿勢では眠れないことも。

六十肩かな?と思ったらまずは病院へ!

まずは病院で診断を受けて、自分の状態を知りましょう。と言っても、残念ながらどの病院でも正しい診断が下るとは限らないのが現状。おすすめは、肩関節学会に所属している医師や、肩を専門にする医師が開業した病院を選ぶこと。それに限らず、丁寧に時間をかけて診てくれる病院や先生は安心できます。

Type【1】病院で治療

診断がついて必要なら病院で治療を。病状にもよりますが、可動域を少しずつ広げる指導を受ける、炎症を抑える薬を飲んだり注射を打ったりする、必要なら内視鏡手術やサイレントマニピュレーション(関節包の癒着をはがす手術)を受けるなどの治療法があります。

Type【2】セルフケア

軽症の六十肩の診断を受けたら、セルフケアで改善を目指しても。エクササイズに取り組んだり、正しい姿勢を意識したりしてみましょう。また、患部を冷やさないようにし、楽になるようであれば温めるのもおすすめ。

Type【3】治療院で施術

肩に痛みを感じたとき、まっさきにマッサージや整体、鍼灸などの治療院に行く方もいるかもしれません。間違いとは言いきれませんが、病院で診断がついてから検討しましょう。診断を下せるのは医師だけなので、その後に自分に合う施術方法を選んでみてください。


今回六十肩について教えてくれた歌島先生の著書『肩こり・五十肩・腱板断裂 肩の痛みがよくなるすごい方法』(Gakken)好評発売中!

イラスト/ green K 構成・文/平井薫子 ※素敵なあの人2025年11月号「その痛み、「六十肩」かも?」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

教えてくれたのは 歌島大輔先生

日本整形外科学会・日本専門医機構認定整形外科専門医。肩関節、肩関節鏡手術、スポーツ医学を専門とし、メディアや自身のYouTubeチャンネルで肩の健康に関する情報を発信。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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