1. トップ
  2. ダイエット
  3. 朝9時前は何もしない「スローモーニング」のすすめ

朝9時前は何もしない「スローモーニング」のすすめ

  • 2025.10.10

改めて見直したい朝活のあり方

Woman opens curtain to enjoy view from big window in morning

朝一杯のレモンウォーターやボーンブロス、オイルプリングに舌磨きといったオーラルケアヨガにランニングなどのスポーツまで、起床後に行うことが推奨される習慣は山ほどある。しかしいつしか、朝の活動は体を起こすためのものではなく、ある種のミッションになり始めた。ジャーナリングやストレッチはしたか、瞑想は8時までに済ませたか? と、自分にチェックリストを課している人もいるだろう。

ではもし、何もしなかったらどうだろうか?

最近は、朝に何かしなければいけないというプレッシャーに疲れ切った人々や専門家の間で、儀式化されたモーニングルーティーンを見直す動きが増えている。それはウェルネスに関心がないからというわけではなく、朝活へのとらわれがストレスを与えかねないからだ。実際、1日をどのように始めるかは重要だが、だからといって、必ずしも一貫して生産的である必要はない。やることリストを潰すことよりも、ゆっくりとした朝のルーティーンのほうが、心身に役立つこともあるのだ。

「スローモーニング」に注目すべき理由

コルチゾール値は午前6時から9時の間に最も高くなるというが、これは自然な概日リズムによるもの。しかし、朝起きてすぐにコーヒーや紅茶といったカフェインを摂取したり、激しいHIITトレーニングを行ったり、テンポの速い音楽を聴くなどといった強い刺激を与えてしまうと、コルチゾール値はさらに高くなり、以下のような症状を引き起こす危険性がある。

  • 不安
  • 腸が過敏になり、吐き気を催す
  • 昼前までに血糖値が下がる
  • 感情調節が困難になる

「体内のストレス反応は、朝一番から高まり始めます」と、栄養士のナイナ・メータは説明する。「刺激を増やしても、すっきりとした目覚めにはつながりません。神経系を圧倒してしまうのです」

そこで注目したいのが、ストレスの引き金をできるだけ避け、心身を調整をするための「スローモーニング」だ。スローモーニングでは、朝9時まであえて「何もしない」ことがキーとなる。

「何もしない」とは?

スローモーニングとは3時間ベッドに横たわって「何もしない」ことではなく、活動のペースを落とすこと。慣れ親しんだルーティーンをすべて変える必要はないが、以下のようなことを意識してみよう。

朝目覚めてから最初の1時間は、シンプルに心身のウォームアップの時間として扱っていいだろう。ゆっくりすることは怠けることではなく、神経系を調整することであり、メータ曰く、「体に“安心感”を伝える」方法なのだ。世の中が常にスピードを求めるなかで、こうした安心感こそが私たちが求めるものなのかもしれない。

メンタルヘルスの改善もサポート

“超最適化”された朝は、ストレスになりかねない。5時に起床し、ドライブラッシング、瞑想、ジャーナリングなどとチェックリストに追われていたら、1日が始まる前からへとへとになってしまう。

このような朝活のプレッシャーは、心理学者が「有害な生産性」と呼ぶ、ありとあらゆる時間を最適化しなければならないという強迫観念を助長する。神経系を過剰に刺激するルーティーンは、実は1日の終わりのストレス処理能力を低下させる可能性があるという。

一方で、ゆっくりとした朝のルーティーンはコルチゾール値を調整し、不安を低下させる効果がある。また、カフェインは朝食後に摂ったり、脳が目覚める前にスマホを手にしないようにするなどといった習慣を養うことは、心身のウェルビーイングをサポートすることにも役立つ。その結果、昼までに疲労感を感じたり、情緒不安定になる可能性が低くなる。

ゆっくりした朝の習慣を取り入れるべき理由は、それがトレンドだからではなく、あなたの心と体を本当の意味で目覚めさせてくれるからだ。明日の朝、起きてすぐ「何かに取り組まなければ」と感じたら、立ち止まること。深呼吸をし、水を飲み、「何もしない」ことを意識してみよう。なぜなら、時には何もしないことも、れっきとした朝活だからだ。

Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.IN

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる