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「4つが毒で1つが食用。どれだと思う?」農水省の注意喚起に「本当に怖いな…」「恐ろしい話」

  • 2025.10.21
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

数ある秋の味覚の中でも「きのこ」は人気の食材。椎茸やしめじ、えのきや舞茸などさまざまな種類がある上に、調理方法も多種多様。栄養価も高いため、頻繁に食べている人もいるでしょう。

しかし、くれぐれも野生のきのこには要注意。実は、毎年9月〜11月にかけて、毒きのこの食中毒の患者数が激増しているのです。

そのような状況の中で、農林水産省(@MAFF_JAPAN)が10月15日、自身の公式X(旧Twitter)アカウントに投稿した「きのこクイズ」のポストが話題になっています。

スーパーでは見慣れないものもある一方で、私たちが普段から食べているきのこによく似ている見た目をしているものも。しかし、この中で食べられるのは1つだけのようです。

はたして、気になるクイズの答えとは?

食べられるきのこはどれ…?

正解は、2番の「タマゴタケ」が“食べられるきのこ”でした。

なかなか派手な見た目をしており、一見毒きのこのように見えますが、実はとても美味しいそうです。このことからも、色や見た目だけで判断するのは難しいことが伺えます。

1番は「ドクツルタケ」。食用種である「シロマツタケモドキ」や「ハラタケ」、「ツクリタケ」に似た白いきのこで、一見無害に見えますが、実はとても危険です。食べると嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れるだけでなく、毒性が強いため死に至ることもあります。

3番は「カキシメジ」。食用種の中でも定番の「シイタケ」にも似ていますが、こちらも毒があります。誤って食べてしまうと、頭痛を伴う嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れます。

4番は「クサウラベニタケ」。「ハタケシメジ」や「ホンシメジ」と似ていますが、誤って食べると嘔吐や下痢、腹痛などの症状が現れるほか、発汗なども見られます。毒きのこの種類別食中毒患者数でも2番目に多く、注意が必要です。

5番は「ツキヨタケ」。毒きのこ種類別食中毒患者数第1位であり、「シイタケ」や「ヒラタケ」にとてもよく似ています。色合いも地味ですが、誤って食べると嘔吐や下痢、腹痛などの中毒症状が現れるだけでなく、幻覚やけいれんを伴うこともあります。

政府広報オンラインによると、有毒種と食用種はよく似ているものも多いだけでなく、個体差もあるため、判別はとても困難とのこと。実際に、きのこ狩りや山菜狩りの経験が豊富な方でも、食中毒を起こしてしまった例が確認されています。

そのため、「知識や経験の浅い人は、自分の判断だけでキノコや山菜などを採取したり食べたりすることは、絶対に避けてください」と注意を呼び掛けているだけでなく、「慣れた人でも常に慎重な判断を心掛け、少しでも不安が残る場合は、絶対に採取しないようにしましょう」と説明しています。

農水省が伝える“きのこ”の安全ポイント

厚生労働省の発表によると、毎年9月〜11月にかけて、毒きのこの食中毒の患者数が増えているとのこと。特に、10月は患者数が突出しています。

そのため、農林水産省は下記のように注意を呼び掛けています。

・家庭の食事で、食用きのこと外見が似ている野生の毒きのこを、間違って食べてしまうケースが多くみられます。
毒きのこと食用きのこの見分け方は容易ではありません。毒きのこの見分け方や、調理法によって食べられるといった、様々な言い伝えを信じてはいけません。(例、ナスと一緒に料理すると食べられる)
・国や地元の自治体が出している情報を参考に、食べられるかどうか分からない野生のきのこは、採らない、食べない、売らない、人にあげないようにしましょう。
・万が一、野生のきのこを食べて体調に異常を感じたら、直ちに病院を受診してください。
出典:秋の味覚にご注意を!きのこを安全に美味しく食べるために(農林水産省)

なお、政府広報オンラインによると、毒きのこや有毒植物について、報告されているだけでも、2014年から2023年までの10年間で約1,500人が食中毒を起こし、うち20人が亡くなっているとのこと。

また、「主な症状としては、おう吐・下痢・腹痛などの消化器系の障害や、瞳孔の収縮・発汗・手足のしびれ・意識の混濁などの神経系の障害などが挙げられます。重症の場合は、脱水症状、けいれん、呼吸困難などを起こして亡くなることがあります」と解説しています。

専門家でも判断するのは困難…

SNSでも、「きのこを生産する会社に勤めていたけれど、それでも鑑定するのは骨が折れます」との声も。そのため、「基本的に、きのこを自分で採って食べるのはNG」という意見もありました。

また、農林水産省のクイズや解説を受け、「野生のきのこって本当に怖いな…」「ツキヨタケってシイタケに似ているやつ?恐ろしい話だね」と、あらためて毒きのこの恐ろしさを実感した人も少なくないようです。

毒きのこにはくれぐれもご注意を

長野県飯田保健所は10月17日、下伊那郡の事業所で、有毒種である「ツキヨタケ」を食べた従業員の男女8人が食中毒になったことを発表しました。また、今月6日に福島県に住む家族3名が、知人から「ヒラタケ」と言われてもらったきのこを調理して食べた結果、食中毒を発症。保健所が調査したところ、実際には「ツキヨタケ」だったことが判明したそうです。

たしかにきのこは魅力的な食材ですが、野生のものにはくれぐれも注意が必要です。

農林水産省が発信しているように、「食べられるかどうか分からない野生のきのこは、採らない、食べない、売らない、人にあげない」を徹底しましょう。また、食中や食後に少しでも異常を感じたら、早急に医療機関を受診するよう心掛けてください。


参考:
本当に安全?STOP毒きのこ(農林水産省)
自然毒のリスクプロファイル(厚生労働省)
秋の味覚にご注意を!きのこを安全に美味しく食べるために(農林水産省)
キノコ狩りや山菜採りなどで毒のあるキノコや山菜などにご注意を! うっかり食べると食中毒に(政府広報オンライン)
飯田保健所管内で有毒きのこ「ツキヨタケ」による食中毒が発生しました(長野市)


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