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「駅員にも見つけてもらいやすい」JRの取り組みに歓迎の声「本当に助かる」「さらに増えてほしい」

  • 2025.10.26
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

駅には多くの人や音、光があふれており、環境によってストレスや不安を感じる人もいます。そうした中、JR東日本が新たに設置を始めたのが「カームダウン・クールダウンスポット」です。

このスポットは、駅の混雑や刺激から少し離れて、気持ちを落ち着かせるためのもので、現在、横浜駅と立川駅で実証実験として設置されています。

それでは、「カームダウン・クールダウンスポット」とはどのようなものなのでしょうか。JR東日本の取り組み内容や世間の反応などを詳しくご紹介します。

「カームダウン・クールダウンスポット」とは

「カームダウン・クールダウンスポット」とは、周囲の音や光、におい、混雑などによって不安やパニックを感じた際に、気持ちを落ち着かせるための場所のことです。

過度な刺激から一時的に離れ、自分のペースで呼吸を整えたり、気持ちを切り替えたりすることを目的としています。ついたてで周囲の音や視線を遮るスペースや、椅子を置いた個室など、設置方法は場所によってさまざまです。

海外ではすでに空港やサッカースタジアムなどで導入が進んでおり、日本でも近年、公共施設での設置が広がりつつあります。

そんな中、JR東日本では、2025年10月15日から12月下旬までの期間、実証実験として横浜駅と立川駅の改札内に「カームダウン・クールダウンスポット」を設置しました。混雑エリアから少し離れた場所に、パーテーションなどで仕切られた個室ではなく、立ち止まって気持ちを落ち着けられるスペースを数カ所用意しています。

設置場所の詳細は、駅構内の光や音、においなど五感に関わる情報を地図として表示した「センサリーマップ」上で公開しています。さらに、現地ではアンケートも実施し、設備や情報の有用性について意見を収集するとのことです。

参考:カームダウン・クールダウン スポット(JR東日本)

さまざまな場所に設置されている「カームダウン・クールダウンスポット」

カームダウン・クールダウンスポットは、全国のさまざまな場所で取り入れられています。

例えば、羽田空港や関西空港、福岡空港では「カームダウン・クールダウンスペース」として、ついたてを設けたスペースを設置。新千歳空港では「カームダウン・クールダウン室」として椅子を置いた個室を設け、利用者が安心して航空機を利用できるよう工夫されています。

また、OsakaMetro夢洲駅の改札内外にも、外部の音や視線を遮るついたてを備えたスペースを設置し、落ち着いて過ごせる環境を整えています。

公共交通機関だけでなく、川崎市や港区の本庁舎にも同様の設備が導入されており、行政施設としても安心できる環境づくりが進められています。

さらに、先日閉会した大阪・関西万博の会場内にも8カ所のスペースが用意されるなど、誰もが心穏やかに過ごせるよう、各地でさまざまな工夫や取り組みが広がっています。

「ありがたい」「さらに改善するとすれば…」の声

SNSでは、カームダウン・クールダウンスポットの設置に対してさまざまな声が寄せられています。

  • 周りに知らせる形になっているのは本当に助かる。
  • 過呼吸などで具合が悪い時にここに立っていたら駅員さんにも見つけてもらいやすい。
  • 何度も混雑で倒れそうになったことがあるから、さらに増えてほしい。
  • 過呼吸で動けなくなったことがあるので、すごく嬉しい取り組み。

体調を崩しやすい人からは、このような取り組みはとてもありがたいという声が多数見られました。一方で、「取り組み自体は良いが、さらに改善できる点もあるのでは」といった声も挙がっています。

  • 椅子や手すりがあればもっと助かる。
  • 立っていても掴まれる棒が欲しい。
  • 経験者としてとてもありがたい。静かで周りが見えないようになっているとさらに良い。
  • 個室は難しいだろうけど、上部だけ半透明のもので囲んであるとよりいいな。
  • 地下鉄にも設置してほしい。

こうした声を参考に、今後さらに利用しやすい環境づくりが進められることが期待されます。

誰もが安心して過ごせるように

「カームダウン・クールダウンスポット」は、騒音や混雑、光などで気分が不安定になった人が安心して落ち着ける場所として、公共交通機関や公共施設などさまざまな場所で導入が進められています。

JR東日本が行っている横浜駅や立川駅での実証実験では、駅利用者が事前にスポットの位置や周囲の情報を確認できる「センサリーマップ」も整備され、「ありがたい」「助かる」といった声が多く寄せられました。

一方で、椅子の設置やパーテーション等の有無など、さらなる改善を求める意見もあり、利用者の視点を踏まえた工夫が期待されています。

今回の実証実験をきっかけに、駅や公共施設で誰もが安心して立ち寄れる場所づくりが少しずつ広がっていくのではないでしょうか。


参考:
「カームダウン・クールダウンスポット」「センサリーマップ」を駅に試験的に整備します(東日本旅客鉄道株式会社)
カームダウン・クールダウン スポット(JR東日本)
カームダウン・クールダウンCalm down, cool downについて(公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団)
カームダウン・クールダウンスペース(関西国際空港)
ユニバーサルデザインサービス施設 カームダウン・クールダウンスペース(羽田空港)
カームダウン・クールダウン室(新千歳空港)
カームダウン・クールダウンスペース(福岡空港)
カームダウン・クールダウンスペース(OsakaMetro)
本庁舎にカームダウン・クールダウンスペースを設置しました!(川崎市)
本庁舎にカームダウン・クールダウンスペースを設置します!(港区)
各種施設について(大阪・関西万博)


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