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過激描写が連続する人気漫画が“まさかのアニメ化”…地上波ギリギリで挑む“制作陣の巧みな演出”

  • 2025.10.19

近藤信輔による漫画を原作としたTVアニメ『忍者と極道』。主人公・多仲忍者(たなかしのは)役を務める小林千晃が、地上波でのアニメ化に対して「いまだに幻想じゃねえよな?という気分でいっぱい」とコメントを寄せるほど、本作は過激描写が多い。原作にて描かれたショッキングなシーンをどのように放送するのか、10月期にスタートする新アニメのなかでも注目が集まっている。

主人公声優も衝撃……『忍者と極道』の地上波アニメ化

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

江戸時代から敵対する忍者と極道が、現代で再び戦争を巻き起こす『忍者と極道』。原作では、第1話から忍者によって極道の手下たちの生首が次々に落とされるシーンがあるなど、数々の過激な描写が。1人や2人だけでなく、10人以上の敵の生首が斬って落とされる様子が、1ページを丸々使って描かれるのだ。

輝村極道(きむらきわみ)との激闘の末、致命傷を負った璃刃壊左(あきばかいざ)が自爆する場面では、四肢がバラバラになって街中にはじけ飛ぶ描写がある。また、ひき肉にされた壊左の肉片が公衆の面前にさらされるシーンもあり、忍者と極道の戦いを容赦なく描いている。

地上波にてアニメ化した『忍者と極道』に対して、忍者役を担当する小林は公式サイトにて下記のようにコメントしている。

あの『忍者と極道』がアニメ化…いまだ幻想じゃねえよな?という気分でいっぱいです。それぐらい本作を地上波のアニメで表現するという事実に衝撃を受けましたし、熱が入りました。
出典:『忍者と極道』公式サイトより

もはや人間の原型をとどめていない肉片やひき肉のシーンは、その残酷さゆえに地上波で放送できるかギリギリのラインだ。それにもかかわらず本作の地上波での放送が実現したのは、原作ファンも心待ちだった反面、驚いたに違いない。『忍者と極道』は、地上波アニメの限界に挑むような“挑戦作”になるのではないだろうか。

アニメではどうやって表現?原作の“過激描写”と比較

気になるのが、アニメでは原作と比べて過激描写がどのように表現されたのか、だ。まず、壊左の自爆シーンで飛び散る肉片は、アニメではカットされていた。また、肉片がひき肉にされ人々の前にさらされるシーンでは、ひき肉の塊が黒塗りで描かれ、ぼかす演出が加えられている。

女児向けアニメ『プリンセス』シリーズの話で意気投合し、一気に仲良くなった忍者と極道が食事するシーンで、原作では死んだ壊左のことを思い浮かべながら酒を飲む忍者。忍者は15歳の高校生であり、未成年飲酒だ。しかしアニメでは、飲酒を止めようとした極道によって忍者の頭に酒がかかり、それを舐めて酔ってしまう……というように、改変が加わっている。

次々に生首が斬り落とされ血が流れるシーンは、作中で何度も描かれており、『忍者と極道』の名物といってもいい。そんな本作の制作において、敵をなぎ倒す爽快感を残しつつ、地上波で放送できるギリギリの表現方法をアニメスタッフが探っているのがうかがえる。今後も続く過激描写がアニメではどのように表現されるのか、注目だ。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari