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一流シェフの一皿に出合える、この秋おすすめのオーベルジュ3選

  • 2025.9.17

【オーベルジュ ときと】世界のグルマンをうならせた料理の神髄を日本のオーベルジュで

カブと合わせた、ふんわりとしたマグロ節の香りと食感を楽しむ一品。
カブと合わせた、ふんわりとしたマグロ節の香りと食感を楽しむ一品。

ロンドンのUMUでヨーロッパの日本料理店としては初の二つ星を獲得した石井義典と、京都の日本料理店いとで一つ星を得た大河原謙治という、豪華な競演が実現したのが東京・立川のオーベルジュ ときと。オーベルジュという形態を取ったのは、自然の光や風、音、空気の変化とともに、五感で感じられる体験を提供し、短い食事の時間だけでは味わうことができない、心がほどける時間と空間を届けるためだ。

端正に手入れされた中庭を望む、クラシックモダンなダイニングルーム。
端正に手入れされた中庭を望む、クラシックモダンなダイニングルーム。

ともに京都吉兆 嵐山本店で研鑽を積んだ二人が目指すのは、「新たなる日本料理」の創造。“旬”という大きなくくりではなく、食材の“一瞬”の輝きを捉えること。器や意匠、形で季節を語るのではなく、素材そのものの生命力を味わってもらうことだ。北海道占冠の月光百合根や西崎ファームの志筑鴨といった希少な食材を使うが、大切にしているのは、その素材の背景にいる「人」。単に質のよい食材だからではなく、信頼できる生産者とのつながりの中で生まれる食材こそが、料理に深みを与えるという。また、通常廃棄される未利用魚に燻製や熟成を施して出汁に使うなど、未来も見据えて生産者と料理人の新しい関係を創ろうとしている。

月光百合根は、収穫後2ヶ月以上、氷点直前の低温で寝かせると、凍らないように自らの糖分を高めるという。
月光百合根は、収穫後2ヶ月以上、氷点直前の低温で寝かせると、凍らないように自らの糖分を高めるという。
総支配人・料理長の大河原謙治。過去には京都吉兆洞爺湖店の副料理長として2008年の北海道洞爺湖サミットを成功に導いたことも。
総支配人・料理長の大河原謙治。過去には京都吉兆洞爺湖店の副料理長として2008年の北海道洞爺湖サミットを成功に導いたことも。

オーベルジュ ときと(Auberge TOKITO)

東京都立川市錦町1-24-26

Tel./042-525-8888

https://www.aubergetokito.com/

【ヴィラ コムニコ】奈良の自然と伝統が生んだ食材をイノベーティブな料理に昇華

奈良県特産の倭鴨(やまとがも)とタケノコの薪火グリル。鴨の旨味を薪火で閉じ込める。
奈良県特産の倭鴨(やまとがも)とタケノコの薪火グリル。鴨の旨味を薪火で閉じ込める。

奈良・若草山の麓に佇むヴィラ コムニコは、イタリアンフレンチの両世界で腕を磨き、今年ミシュランガイド奈良2025で1つ星を獲得した堀田大樹が手がけるガストロノミー・オーベルジュ。日本最古の柑橘とされる大和橘や老舗「マルト醤油」のもろみなど奈良の伝統食材を巧みに織り交ぜながら、若草山の山焼きを彷彿とさせる力強い薪火で仕上げる料理を得意とする。ローカルの食材で料理を組み立てることには苦労するが、その反面、納得のいく一皿に仕上がったときの達成感は何物にも代えがたいという。

西の奈良公園と東の若草山に挟まれ、料理をゆったりと楽しめる静かなロケーション。
西の奈良公園と東の若草山に挟まれ、料理をゆったりと楽しめる静かなロケーション。

シグニチャーディッシュは、オープンから変わらず作り続ける「生まれたてのモッツァレラ キャビア」。奈良市内の牧場から毎朝届く搾りたてのミルクを使い、ディナーの開始に合わせて仕込む。ゲストの目の前で仕上げのひと手間を加え、まだ温かい状態で提供する。昆布締めしたあと、薪で瞬間的にスモークしたキャビアの塩分と旨味が、フレッシュなチーズと絶妙な調和を見せる。オーベルジュを選んだのは、長く滞在してもらうことで、空間全体で自分が大事にしている美意識を体感し、その世界観に没入してもらいたいという願いからだ。

シェフ・堀田大樹。トスカーナでの修業時代に、イタリア人がその土地の食材で作るのがイタリア料理だと感じた。その思いが奈良へのこだわりにつながる。
シェフ・堀田大樹。トスカーナでの修業時代に、イタリア人がその土地の食材で作るのがイタリア料理だと感じた。その思いが奈良へのこだわりにつながる。
客室の名称は自然界の五大要素のラテン語名から。「lignum(木)」は木の温もりと生命力を感じさせる空間。
客室の名称は自然界の五大要素のラテン語名から。「lignum(木)」は木の温もりと生命力を感じさせる空間。

ヴィラ コムニコ(VILLA COMMUNICO)

奈良県奈良市雑司町486-5

Tel./050-3176-1787

https://villa-communico.com/

【オーベルジュ オーフ】石川・小松の土地に溶け込み、チームワークでゲストを迎える

開業時から作り続ける「オーフ巻」。クマやイノシシなどのジビエや季節の山菜をクレープ風の生地で巻く。
開業時から作り続ける「オーフ巻」。クマやイノシシなどのジビエや季節の山菜をクレープ風の生地で巻く。

2022年のオープン以来、美食家たちが足しげく通うのは、廃校になった小学校を再利用した石川・小松市のオーベルジュ オーフ。シェフの糸井章太は、地域とのつながりを大切にしながら、清らかな水が育む名産の蛍米や近隣農家が栽培する地場の野菜、日本海から届く新鮮な魚介などを駆使して、一皿一皿に土地の恵みを凝縮させる。その土地でしか食べることのできない料理を作っていこうと考えたときに、自ずと近くで生産される食材に絞られてきたという。

シェフ・糸井章太。「RED U-35」で史上最年少のグランプリを取ってから6年。オーフではチームとしてゲストを迎えることに喜びを感じる。
シェフ・糸井章太。「RED U-35」で史上最年少のグランプリを取ってから6年。オーフではチームとしてゲストを迎えることに喜びを感じる。

一年を通してメニューに名を連ねるシグネチャーディッシュは、米国で料理を学んでいた頃によく食べていたタコスから着想を得た「オーフ巻き」。例えば、そば粉で作るクレープには、アーティチョークの原種にあたる、山で採れたアザミを加える。季節ごとに食材や仕立てを変えながら、自然の息吹を感じさせる一品だ。オープン当初から常に注目されてきたオーフだが、3年の歳月を経て、自分たちが本当に作るべき料理が何か、その輪郭がより鮮明になってきたという。それをより色濃く表現し、日本のみならず世界からゲストを呼べるオーベルジュを、一人の力ではなくチームで築き上げようとしている。

ダイニングスペースは、かつて職員室だった場所。壁には、現代アーティスト・小川貴一郎の作品が飾られている。
ダイニングスペースは、かつて職員室だった場所。壁には、現代アーティスト・小川貴一郎の作品が飾られている。
過疎化で廃校となった旧西尾小学校をリノベーションしてオーベルジュに。
過疎化で廃校となった旧西尾小学校をリノベーションしてオーベルジュに。

オーベルジュ オーフ

石川県小松市観音下町口48

Tel./0761-41-7080

https://eaufeu.jp/

Text: Yuka Kumano

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