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小児科医「悪化します!」やりがち?子どものイヤイヤ&グズグズを長引かせる、親のNG対応とは!?

  • 2025.9.18

こんにちは。3児の母で小児科医の保田典子です。今回は、小児科医の視点から「イヤイヤ・グズグズ対応」でのNG行為についてお話しします。とはいえ、私自身もついやってしまうことが多く、反省も込めてお伝えしたいと思います。

NG1:ぐずったら「とりあえず泣き止むもの」をすぐ与えてしまう

クリニックで子どもが泣いてしまったとき、とりあえずスマホで動画を見せたり、お菓子をあげてしまう親御さんは少なくありません。
しかし、イヤイヤやグズグズに対してすぐに何かを与えたり、子どもの言われるがままになったりするのは控えたほうがよいでしょう。

子どもは泣くもの

まず、子どもは泣いて当然で、よくグズグズしてしまうもの。特にクリニックは、子どもにとって嫌なことも多く、予防接種などの注射は痛いので、機嫌が悪くなったり泣いたりしてしまうのは自然なことです。それ自体は悪いことではありません。

学習してエスカレートする可能性も

子どもは賢く、すぐ学びます。「こうすれば、親がすぐに言うことを聞いてくれる」と学んでしまうと、行動がエスカレートすることも。
だからこそ、お菓子やスマホは「ここぞ」というタイミングで使うなど、親がルールを決めて主導権を握っておくことが、しつけにも良い影響を与えます。

スマホは「特別なとき」だけ

たとえば、電車や役所など公共の場で子どもがグズってしまって本当に困ったときに、「スマホは電車に乗るときだけのスペシャルね!」と限定して使うと効果的です(ただし、親がスマホに夢中で子どもを放置するという状況は避けたいですね)。スマホに限らず「とりあえず泣き止むもの」こそ、特別なときだけに使いましょう。

NG2:イヤイヤやグズグズに対して感情的に怒る

子どもがイヤイヤやグズグズしているときに、「だから何がしたいの!」「〇〇しちゃダメでしょ!」「仕方がないでしょ!」と、つい強い口調で怒ってしまうことはありませんか? 突然どうしようもないことでイヤイヤし始めると、ため息が出ちゃいますよね。

とはいえ、子どもと同じ土俵に立ってしまっては何も解決せず、火に油を注ぐことになってしまいます。親が感情的に怒ることで、子どもはさらに泣き叫び、親は困り果てる……という状況になりかねないのです。

親がイライラしないための工夫

子どものイヤイヤやグズグズは予想がつかないもの。だからこそ、事前に余裕を持ったスケジュールで行動できると安心です。

たとえば、電車の中でかんしゃくを起こしてしまっても、時間に余裕があれば途中下車することができます。また、なるべくグズりやすい時間を避けて移動したり、子どもが眠る時間に移動したりすれば、外でイヤイヤの対応をしなくて済むかもしれません。

子どもがグズグズしやすいポイントを把握したうえで、工夫してスケジュールを組むことで、負担がぐっと減るはずです。

共感とスキンシップを大切に

グズったときの良い対処は、「〇〇したかったんだね」と共感して、ギュッと抱きしめてあげること。そのあとは落ち着くまでそっと見守るか、やさしくトントンしてあげましょう。これは、周りに人がいる公共の場所でも、ご家庭でも同じです。

イヤイヤやグズグズに向き合う親御さんへ

お子さんのイヤイヤやグズグズは、「どうしてこんなことで?」「なんで今ここで!」と感じることの連続だと思います。周りの目が気になったり、「迷惑をかけているのでは」と落ち込んだりすることもあるでしょう。

しかし、お子さんがグズっても、「今すぐおとなしくさせなきゃ!」と焦る必要はありません。お子さんのイヤイヤに付き合うのは本当に根気がいることですが、ここでの親の毅然とした態度が、今後の良好な親子関係の土台になります。

イヤイヤが始まったら、慌てずに「共感して」「ギュッと抱きしめて」、そして、あらかじめ家庭で決めたルールに沿って対応してみてください。そうすることで、今よりもっとラクな気持ちで、お子さんの成長と向き合えるようになるかもしれません。


監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。

ベビーカレンダー編集部

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