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大ヒットを生んだ原作者の“デビュー作”がついにアニメ映画化「今年で1番面白い」「想像の50倍」有名俳優2人も参戦した“名作”

  • 2025.9.24

2025年9月19日。魚豊のデビュー作『ひゃくえむ。』が、ついにアニメ映画として劇場公開を迎えた。『チ。-地球の運動について-』で知られる漫画家の原点ともいえる作品であり、100メートル走という刹那の競技に人生を賭けた若者たちの姿がスクリーンで躍動する。14年ぶりの共演となる松坂桃李と染谷将太のW主演に加え、津田健次郎、種﨑敦美、悠木碧ら豪華な声優陣が物語を支える。

「速さ」に憑かれた二人の青春と対峙

生まれつき俊足でどこか冷めているトガシ(CV:松坂桃李)と、辛い現実から逃げるように走る転校生の小宮(CV:染谷将太)。二人の出会いから始まる物語は、互いを高め合う日々を経て、ライバルであり親友でもある関係を築いていく。しかし年月を重ね、名実ともにトップランナーとなった彼らの前に、それぞれ異なる壁が立ちはだかる。100メートルという短距離に凝縮される欲望や焦燥、輝き。その緊張感は、観客に「人生とは」「勝利とは」と問いを突きつけてくる。

監督は『音楽』で国内外から注目を浴びた岩井澤健治氏、脚本は『閃光のハサウェイ』のむとうやすゆき氏が担当。さらに主題歌には、Official髭男dismが約8か月ぶりに発表した書き下ろし曲『らしさ』が起用されている。映像、物語、音楽が一体となり、原作の熱量を鮮やかに映し出す仕上がりだ。

『チ。』に通じる「信じるもののために生きる姿」

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

魚豊といえば、地動説を信じて命を燃やす人々を描いた『チ。-地球の運動について-』で一躍注目を集めた。信念を貫く愚直な姿は読者に強烈な印象を残し、アニメ化も果たした。拷問や迫害といった苛烈な時代背景を前に、主人公たちは一人ひとりが信念を貫き、命を燃やして消えていく。章ごとに主人公が交代する構成や、「不正解は無意味を意味しません」といった鋭い名言の数々は、多くの読者に深い衝撃を与えた。

その作家性は、題材がスポーツへと変わった本作でも揺るがない。速さを追い求め、勝利に取り憑かれる若者たちと、宇宙の真理に挑み命を賭した学者たち。一見遠く離れているようで、根底には「信じたもののために突き進む」という共通の核がある。

公開前から「すごいラインナップ」「絶対に行く」「めっちゃ面白そう」という期待の声が多く、公開後には「想像の50倍面白い」「今年で1番面白い映画」「予想以上に素敵な映画でした」という絶賛の声が相次いだ。

『ひゃくえむ。』は、ただのスポーツ映画では収まらない。疾走する若者たちの姿を通して、人間は何に命を懸けられるのかを観客に問いかける。スクリーンを駆け抜ける100メートルのドラマが、観る者の胸に鮮烈な余韻を刻む。


チ。 ―地球の運動について―
ABEMAで視聴可能
[番組URL]https://abema.tv/video/title/568-32

ライター:柚原みり。シナリオライター、小説家、編集者として多岐にわたり活動中。ゲームと漫画は日々のライフワーク。ドラマ・アニメなどに関する執筆や、編集業務など、ジャンルを横断した形で“物語”に携わっている。(X:@Yuzuhara_Miri