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『大腸がん』の可能性も…便の『色』や『形』は要チェック→医師が教える“危険なサイン”とは?

  • 2025.9.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康はお腹から」と言われるように、日々の便の状態は私たちの体調を映し出す鏡のようなもの。見た目、色、形、臭いなど、普段はスルーしがちな便のサインを知ることで、早期に不調に気づけることもあります。健康チェックの簡単な方法として注目されています。

今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『便の色や形からわかる健康状態』について紹介しています。

医師が解説!便の色で分かる「要注意サイン」ワースト3

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

私たちの健康状態は、便の色や形にも表れます。普段はあまり気にしないかもしれませんが、実は病気の早期発見につながる大切なサインなのです。

健康な便は茶色。これは「胆汁(たんじゅう)」という消化液の色が反映されているためです。形は「バナナのように1本、なめらかで途切れない便」が理想とされています。一方で便の色には重大な病気の兆候を示していることがあります。ここでは、消化器内科の現場で実際によく遭遇する「危険な便の色」ワースト3を紹介します。

第3位:白っぽい便

  • 考えられる原因:肝臓・胆のう・胆管など、胆汁の通り道の異常
  • 特徴:便全体が白っぽい、または灰色っぽい。人によってはまだらに出ることも。
  • ポイント:必ずしも重病とは限りませんが、肝機能や胆管のトラブルが隠れている可能性があるため、血液検査やエコーでの確認が必要です。

第2位:黒い便(タール便)

  • 考えられる原因:胃潰瘍・十二指腸潰瘍など上部消化管からの出血
  • 特徴:ドロッとしたタールのような黒色。普通の便の黒さとは違い「異様に黒くて粘っこい」ことが多い。
  • ポイント:消化管出血の可能性が高く、緊急で内視鏡検査が必要。放置すると貧血やショックに至る危険性もあります。

第1位:真っ赤な便(血便)

  • 考えられる原因:痔・大腸ポリープ・大腸がん・潰瘍性大腸炎・憩室出血など
  • 特徴:便に血がつくだけの場合から、便全体が鮮やかな赤に染まるケースまでさまざま。
  • ポイント:肛門付近の痔出血なら軽症のこともありますが、大腸の病気が隠れていることも多く、精密検査が必須。大量出血なら内視鏡で止血処置が必要になることもあります。

「便の形」で分かる危険なサイン ワースト3

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

便は健康状態を映し出す“バロメーター”。色だけでなく、形にも重要なサインが隠れています。ここでは、消化器内科の現場で注意が必要とされる「便の形」ワースト3を紹介します。

第3位:コロコロ便(うさぎの糞のような形)

  • 考えられる原因:水分不足、食物繊維不足による便秘
  • 特徴:硬くて小さな粒状の便がポロポロと出る
  • ポイント:単純に水分や食物繊維の不足で起こるケースが多いですが、便秘は腸に負担をかけ、炎症や病気の引き金になることも。
  • 対策:水分補給・野菜や海藻類などの食物繊維の摂取、適度な運動が効果的。

第2位:水っぽい便(下痢状の便)

  • 考えられる原因:感染性腸炎、一時的な消化不良/ただし長引くと大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の可能性も
  • 特徴:形がなく、泥状〜水のような便。長引くと体重減少や貧血を伴う場合も。
  • ポイント:1〜2日程度なら一過性の下痢で済むことも多いですが、長期間続く場合は要注意。腸の炎症や腫瘍によって便の通りが悪くなり、水分だけ排出されている可能性があります。

第1位:極端に細い便 or 便が出ない

  • 考えられる原因:大腸がん、直腸の病変、腸閉塞など
  • 特徴:糸のように細長い便、または便秘が悪化して全く便が出ない状態。
  • ポイント:特に「急に細くなった便」は腸の通り道が狭くなっているサイン。直腸がんやポリープなどで腸管が狭まっているケースが疑われます。
    便がまったく出ない場合は、腸閉塞や穿孔などの重大なリスクもあり、緊急処置が必要になるケースもあります。

まとめ

「色」「形」「匂い」「回数」の変化は、体のSOSかもしれません。
特に 白っぽい便・血の混ざった便・極端に細い便・出ない便が続く場合 は、早めの受診が大切です。

便秘や下痢は「体質だから」と諦める人も多いですが、適切な治療で改善できるケースは少なくありません。毎日のトイレチェックを健康管理の習慣にして、異常を感じたら早めに医師に相談しましょう。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『「このうんちは気をつけて!」便の色や形でわかる健康状態とは?


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。