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『糖尿病』の人は気を付けて…医師が教える、実はNGな“お風呂の入り方”とは?【医師の監修】

  • 2025.9.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

毎日のリラックスタイムに欠かせないお風呂。心地よい湯気と温かさで疲れを癒す場所でもありますよね。でも、糖尿病の方にとっては、その“いつものお風呂習慣”が思わぬ健康リスクを引き起こすことがあるのです。実は、入浴の仕方次第では血圧の急激な変動や血糖値の乱高下、さらには血行不良や感染症のリスクも高まることがあるため、注意が必要です。今回は、「糖尿病の人にとってNGなお風呂の入り方」を詳しく解説し、安心して入浴を楽しむためのポイントもご紹介します。

なぜ糖尿病の人はお風呂の入り方に気を付けるべき?意外なリスクとは

糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、それに伴う様々な合併症も警戒しなければなりません。特に血管や神経にダメージが起こることが多く、これが入浴時に思わぬトラブルに発展することがあります。

まず、急激な温度変化が大きなポイント。熱いお湯に長時間入ると、血管が急に拡張し血圧が大きく下がることがあります。糖尿病患者は自律神経障害や血圧調節機能の異常を抱えていることも多いため、熱すぎるお風呂に入ると立ちくらみや失神のリスクが高まります。さらに、長湯や水分補給不足は脱水や血糖コントロールの悪化の原因になりかねません。

実践したい!糖尿病の人が避けるべきNGな「お風呂の入り方」と安心ポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、具体的に糖尿病の方が避けるべきお風呂の入浴方法を整理してみましょう。

  • 熱すぎるお湯に長時間つからない
    目安は38~40度程度のぬるめの湯。熱い湯は血圧の急変を招きますので避けてください。
  • 長風呂は控える
    15分以内を目安に。体への負担を減らすと同時に脱水予防にもなります。
  • 入浴前後の水分補給を忘れずに
    汗で失われた水分を補うことで血糖値の急変を防ぎます。

これらは病院や糖尿病指導で推奨されている安全な入浴のポイント。調子が悪い日や体調が不安定な時は、無理にお風呂に入らずシャワーだけにするのも1つの方法です。

また、お風呂上がりの急激な温度変化も注意。浴室から脱衣所、室温の低い場所に移動する際は冷えすぎに気をつけ、体を冷やさないようバスローブや湯冷め防止の服装選びも大切です。また冬に脱衣所が寒い時は、浴室のドアを開けて脱衣所まで暖めるといった工夫も効果的です。

医師と相談しながら、自分に合った安全な入浴スタイルを見つけることが快適な生活につながります。

お風呂の入り方を改めてみよう

毎日のお風呂は、心身のリフレッシュだけでなく血行促進やストレス軽減にも効果的です。しかし、糖尿病の人にとっては無理な入浴が逆効果になることもあります。今回ご紹介したNGな入り方を避け、適切な温度設定と時間を守り、水分補給を怠らないことがとても大切です。

安全なお風呂の入り方を実践し、日々の疲れを癒してくださいね。


監修者:用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック 院長 菊池真大

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慶應義塾大学医学部卒業
東海大学医学部客員准教授
米国ペンシルバニア大学消化器内科元博士研究員
日本アルコールアディクション医学会理事

日本総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本内視鏡学会専門医、日本人間ドック健診専門医、日本病態栄養学会専門医、日本抗加齢医学会専門医

2024年秋、メタボとロコモを同時予防管理する未来志向型クリニックを東京・用賀の地に開業。https://www.youga-naika.com/