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その症状、脳梗塞かも…いざという時にチェックしたい“2つのキーワード”→医師が教える対処法とは

  • 2025.9.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

突然の体の異変、もしかしたらそれは脳梗塞の始まりかもしれません。脳梗塞は日本でも死因の上位にあげられており、その発症は誰にでも起こり得るものです。けれども、初期症状を知っておくことで早期に気づき、適切な対処ができる可能性がグッと高まります。今回は、脳梗塞とはどんな病気なのか、どんな初期症状が現れるのか、そしてその背景にある仕組みや注意点をわかりやすく解説します。突然の症状に驚くことなく冷静に対応できるように、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

脳梗塞の初期症状の見分け方

まず、脳梗塞は脳の血管が詰まることで、脳の一部が酸素不足になり正常に機能しなくなる病気です。血管が詰まる原因は、血液の塊(血栓)や動脈硬化の進行によるものが主です。脳の働きは体の動きや話すこと、感覚などさまざまなものを司っているので、詰まる場所によって出てくる症状も多様です。とは言え、脳梗塞の初期は、具体的にどんな状態が現れるのか気になりますよね?

代表的な初期症状としては以下のようなものがあります。

  • 突然の手足のしびれや脱力…特に片側だけに症状が出ることが多い。
  • 言葉がうまく話せなくなる…言葉がもつれる、発音が不明瞭に。
  • 顔の片側が垂れ下がる…笑顔を作ろうとしても片側が動かない。
  • ふらつきやめまい、視界の異変…歩きづらくなったり視野が狭くなる。

これらの症状はどれも重要ですが、脳梗塞の症状を疑う上で最も鍵となる特徴は「突然に」「体の片側だけに」現れることです 。例えば、「手足のしびれ」はありふれた症状ですが、「突然、右(または左)半身の手足が同時にしびれて力が入らなくなった」という場合は、脳梗塞の可能性が極めて高くなります。この「突然に」「片側に」というキーワードをセットで覚えておくことが、他の病気と見分ける上で非常に重要です。

これらは「身体のどこかが急におかしい」と感じさせる重要なサインです。もし1つでも該当する症状があればすぐに救急車を呼ぶなど、迅速な対応が必要となります。放置すると脳のダメージが拡大し、後遺症が残るリスクも高まるため、初期の発見がとても大切なのです。

脳梗塞を引き起こす原因と予防対策のポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

脳梗塞は高齢者に多いイメージがありますが、働き盛りでも起こり得ます。年齢にかかわらず、高血圧・糖尿病・脂質異常・喫煙・心房細動などの有無が重要です。これらは血管を傷つけたり血栓をできやすくする原因となります。さらに、ストレスや運動不足、不規則な食生活も関係すると言われています。

具体的に、以下の予防策がおすすめです。

  • 定期的な健康診断でリスクチェック…血圧や血糖値、コレステロール値を管理。
  • バランスの良い食事…塩分控えめ、野菜中心の食事を意識。
  • 適度な運動…ウォーキングやストレッチを日常に取り入れる。
  • 禁煙・節酒…血管への負担を減らす。

また、家族や周囲の人が初期症状に気づくことも非常に重要です。「BE-FAST」チェック(Balance:ふらつき、Eyes:視野/視力の急変、Face:顔のゆがみ、Arm:腕の脱力、Speech:言葉の異常、Time:時間との勝負)もぜひ覚えておくと良いでしょう。たとえば、顔の変形や言葉の異変に周囲がすぐ対応できれば、早期治療につながります。

もしこのような症状が起きたら、必要に応じて救急車を呼びましょう。その際には以下の点に気をつけましょう。治療は時間との勝負です。

救急車(119)を呼ぶ。自分で運転しない。
「最後に正常だった時刻」をメモ(発症時刻が治療可否を左右)。
自己判断でアスピリン等を飲まない(出血性病変だと悪化するため)。
お薬手帳や内服中の抗凝固薬・抗血小板薬の情報を救急に提示する

また、脳梗塞の中には、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる「前触れ発作」が起きることがあります。これは、一時的に脳の血管が詰まりかけ、短時間で血流が再開通する状態です。症状は数分から数10分で完全に消えてしまいますが、これは本格的な脳梗塞が間近に迫っているという極めて危険なサインです。


片方の手足や顔半分のしびれ、麻痺
・ろれつが回らない、言葉が出ない
・片方の目が見えにくくなる、視野が欠ける
・急なめまい、ふらつき
上記のような症状が少しでも起きて、すぐに治ったとしても、絶対に放置してはいけません。「疲れているだけだろう」と自己判断せず、直ちに救急車を呼ぶか、脳神経外科や神経内科を受診してください。

脳梗塞の初期症状を見逃さないために

脳梗塞は「急にくる」から怖いのですが、とにかく「早く気づく」ことが何より重要です。日常生活でいつもと違う体の不調や言葉のもつれを感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう。また、家族や友人にも特徴的な症状を説明しておくと安心です。

治療の早さが大切な病気だからこそ、日頃から自分の体の変化にアンテナを張ることを心がけましょう。


監修者:林裕章(はやし・ひろあき)
林外科・内科クリニック(https://www.hayashi-cl.jp/)理事長

国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、全身を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域を支えている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、また医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。
日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医