1. トップ
  2. その『便秘』、実は『大腸がん』のサインかも…医師が教える“まさかの関係性”とは?

その『便秘』、実は『大腸がん』のサインかも…医師が教える“まさかの関係性”とは?

  • 2025.9.19
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「最近便秘気味だけど、まあいつものことだし大丈夫」と思っていませんか?実は、この“ただの便秘”が大腸がんの兆候である可能性があるんです。日本人にとって身近な病気である大腸がんは、早期発見が治療成功の鍵。便秘の裏に隠された危険信号を知っておくことは、とても大切です。この記事では、便秘と大腸がんの意外な関係を医師の視点からわかりやすく解説。普段の体調変化を見過ごさず、健康を守るためのヒントをお伝えします。

便秘と大腸がんの知られざるつながり

便秘は誰にでも起こることで、生活習慣の乱れやストレスが原因になることも多いですよね。しかし、長期間続いたり、いつもと違う便秘の状態が続く場合は注意が必要です。なぜなら、大腸がんの初期症状として便秘が現れることがあるからです。

具体的には、大腸内にできたがんが腸の通り道を狭くし、便の通過障害を引き起こします。これが慢性的な便秘や便秘と下痢を繰り返すなどの症状として現れてくることがあるんです。また、がんが進行すると、便に血が混じったり、お腹の痛みや体重減少など他の不調も出てきます。

「ただの便秘」と軽く捉えがちですが、便秘の種類やその変化を知ることは大きな病気のサインを見逃さないために重要です。例えば、普段は問題ないのに突然便秘が激しくなる、または便の形状や頻度が大きく変わる場合は専門医への受診を考えましょう。

知っておきたい便秘以外のサインと早期発見のポイント

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどないため、便秘だけでなく他の兆候も知っておくことが大切です。代表的なサインには、便に血が混じる、便の形が細くなる、腹部の違和感や膨満感、原因不明の体重減少などがあります。こうした症状がある場合は、すぐに医療機関で検査を受けることをおすすめします。

40歳からは、大腸がん検診として定期的な検便(便潜血)検査が勧められています。便潜血検査で陽性となった場合には、必ず大腸内視鏡検査の設備が整った消化器内科や胃腸内科を受診してください。また、40歳から大腸内視鏡検査を受けておくことは、大腸がんの予防に繋がります。特に、家族に大腸がんの罹患者がいる方や、大腸がんのリスクとなる生活習慣がある方には、定期的な大腸内視鏡検査が推奨されます。

これにより、がんになる前のポリープ(腫瘍の前段階)を見つけて取り除くことも可能となります。日本では大腸がんの罹患者が増加傾向にあり、若年層でも増加傾向にあるため、早期発見・早期治療がますます重要視されています。

快適な腸内環境を目指す日常生活としては、高脂肪食を控える、食物繊維を豊富に摂る、水分補給をしっかり行うこと、適度な運動で腸の働きを促すことが有効です。これらは便秘の改善にもつながり、間接的に大腸がん予防の助けにもなるでしょう。

便の状態を確認して、病気のサインを見逃さないで

便秘はつらい不調のひとつであり、多くは深刻な病気とは無関係かもしれません。しかし、便秘の状態やパターンが急に変わったり、伴う症状があれば、大腸がんをはじめとする重大な病気のサインの可能性を考えるべきです。症状を見逃さず、自分の体の声に耳を傾けることが、健康維持の第一歩となります。

腸の調子を整える生活習慣を心がけながら、気になる変化があれば早めに専門医に相談しましょう。日本人にとって身近な大腸がんだからこそ、日頃のサインを見逃さずに、早期発見・早期治療で元気な毎日を守っていきましょう。


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

undefined

東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com