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「足元も見えなかった…」海浜幕張駅で帰宅女性が体験した『将棋倒し寸前の恐怖』あの夜、“異常事態”はなぜ起きた?

  • 2025.11.10
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出典:photoAC ※画像はイメージです

近年、全国各地で音楽ライブやフェス、スポーツの試合などの大規模イベントが増加しています。ファンにとっては喜ばしい一方で、イベント終了後の交通混雑が大きな課題となっているのも事実です。特に、複数会場でイベントが同時に開催される地域では、帰宅時に駅やバス停へ人が集中し、安全面での懸念も高まっています。

11月8日、千葉県の海浜幕張駅周辺では、複数の大規模イベントの終演時刻が重なったことで、駅へ向かう人が大量に集中する状況となりました。

はたして現場ではどのような混雑が起きていたのでしょうか。実際の参加者の声とともに、詳しく紹介します。

複数イベントの終演が重なった海浜幕張

11月8日、千葉県の幕張エリアでは、複数の大規模イベントが同時開催されていました。

ZOZOマリンスタジアムでは、3月31日をもってグループを解散した人気アイドルグループ・KAT-TUNのコンサート「Break the KAT-TUN」を17時から20時頃まで開催。

一方、幕張メッセでは、LUNA SEA主催のロックフェス「LUNATIC FEST. 2025」(1日目)をはじめ、ももいろクローバーZのファンクラブイベント、Little Glee Monsterのライブ、超特急のリリース記念特典会、SKE48のトーク会・握手会なども行われていました。

これらのイベントの終演時間が重なったため、最寄り駅である海浜幕張駅に大量の人が集中。駅周辺は大混雑し、入場規制が実施される事態となりました。

さまざまなイベント帰りの人でごった返していて…

実際に現場はどのような状況だったのでしょうか。当日、KAT-TUNのコンサートに参加した、首都圏在住の女性・Aさんに話を聞きました。

駅に入るまでで一苦労

---コンサート終演後、海浜幕張駅周辺ではどの程度の混雑が起きていましたか?

Aさん:

私はZOZOマリンスタジアムで開催されたKAT-TUNのコンサートに行っていました。20時頃に終演し、規制退場などがあり、海浜幕張駅周辺に到着したのは21時前でした。

ZOZOマリンスタジアムからは係員の誘導で、歩道橋を通るルートと、道路沿いのルートが案内されていました。既に歩道橋は多くの人が歩いているのが見えたので、私達は道路沿いのルートを進んでいました。その際も人が非常に多く、大きな横断歩道の前には誘導員が配置されており、赤信号に変わっても渡りきれない人が出ないよう、横断歩道の通行が規制されている状態でした。人は多かったですが、道路沿いのほうは大きな混乱もなく進んでいました。

駅近のアウトレットの裏手から駅の方へ進むと、歩道橋側から来る人たちと、私たちのように道路沿いから来る人たちが合流し、駅前が大混雑するという状況でした。

---他のイベントから帰る方もいましたか?

Aさん:

他のコンサート等の終演時間とも重なっていたようで、手荷物などから見て、KAT-TUNのファンだけでなくさまざまな人たちが駅に向かっている形でした。

キャリーケースを持った人がいたり、大きな荷物を持っている人などもいて、ぎゅうぎゅうという感じではないですが、みんなが駅に入ろうとしていたため、満員電車のような密集度合いではありました。

駅に入る前の階段で入場規制をおこなっていたため、数分したら一定の人数が入れるように警備の方が通す、という流れでした。

通れるようになるとみんなが一斉に階段に向かいました。幸い、将棋倒しにはなりませんでしたが、多くの人が後ろや階段横から改札方面に向かっており、足元も見えにくいので「倒れたらどうしよう」という怖さを感じました。

駅の前に行くまで入場規制をしていることを知らず…

---混雑時にはどのようにスタッフや駅員の方々が誘導していましたか?

Aさん:

駅の階段前での入場規制では、拡声器を使ったアナウンスなどはなく(私がいた場所からは見えなかった、聞こえなかったのかもしれませんが)、なぜ改札方面に進めないのかがよくわからない状況になっていました。

階段を見ると、人が通っていない時間があったので、「きっと入場規制をしているんだな」と思って待っていましたが、後ろのほうの人からは状況がわからなかったかもしれません。

私たちが通ったルートでは、駅周辺で警備員を目にしたのは、前述の階段下ほどの場所のみでした。もう少し案内や呼びかけがあれば、より分かりやすかったのではないかと思います。

また、駅の目の前にいくまで、駅への入場規制をしていることがわかりませんでした。どこかに掲示があったのかもしれませんが、入場規制の時間等を記載してもらえれば近くで時間を潰す、隣駅までタクシー等で行くという手段も取れたかなと思います。

---入場規制を知ってからタクシー乗り場に行くのは難しい状況だったのでしょうか?

Aさん:

タクシー乗り場が入場規制をしている場所だったため、そこまで行くことが難しい状況でした。

また、バス乗り場は反対口だったため、そちらもまずは駅の入場規制を通過しないといけませんでした。駅の反対口まで行く別ルートはあったと思いますが、入場規制がわかったタイミングではそちら側に行くことはできない状況でした。

ただ、私がいたタイミングでは後ろから押されるなどということなどはなく、皆さん節度を守って待っていました。そのため大きなトラブル等はなく、将棋倒しの心配などもなかったので、良かったなと感じました。

舞浜駅からもたくさん人が乗ってきた

---電車やバスなど、帰宅時の交通手段に影響はありましたか?

Aさん:

私は海浜幕張駅から京葉線に乗車しました。海浜幕張駅に入場後、ホームは人がごった返すという感じではありませんでしたが、到着していた始発電車は、満員電車くらいぎゅうぎゅうでした。係員の方の誘導で、比較的余裕があるという最後尾に向かいましたが、それでも既に多くの人がいました。

発車時刻が近づき、次の電車を待っても同じような状況になりそうだったので詰めてもらい乗りましたが、荷物が多い人もいるので、かなり大変でした。

私は舞浜駅より前で乗り換えのため降りましたが、同じ時間帯に、舞浜駅のテーマパークからも多くの人が帰る時間だったため、そちらの方面に乗っていた友人は「舞浜駅でも多くの人が乗ってきて混雑していた」と言っていました。

SNSでは改善を求める声も

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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

SNS上では、当日の混雑について多くの投稿が見られました。

実際に現地にいたという方からは、「何度も駅への入場規制がかかっていて、列の後ろも見えないくらい」「海浜幕張駅は混雑するだろうと見込んで、JR総武線の幕張駅まで歩いた」「海浜幕張駅が混んでいたから、AEONで食事をしてから幕張豊砂駅まで歩いた。電車は混んでた」「自分が参加したイベントは早めの時間に終わったから、混雑に巻き込まれずに済んだ」といった声が上がっていました。

また、「去年の同じ時期も、ライブやイベントが重なって大変だった」「去年、1時間も駅の前で足止めされたな」など、海浜幕張駅で同じような経験をしたという方のコメントも投稿されていました。

さらに、今回の混雑を受けて、交通インフラの整備を求める意見も多く見られます。

「イベントの規模に比べて、交通網が弱い」「大型イベント時の輸送についてはもう少し検討してほしい」といった要望のほか、「幕張海浜公園にも新アリーナができるし、バスケと野球の試合も重なったら大変なことになりそう」など、今後の大規模イベント開催時への懸念を示す投稿も寄せられていました。

安全で快適なイベントのために

今回の海浜幕張駅での混雑は、複数の大規模イベントが同時開催され、終演時間が重なったことで生じました。参加者の証言やSNSの声からは、入場規制のアナウンス不足や、交通インフラの課題が浮き彫りになっています。

幕張エリアは今後も大型イベントの開催が見込まれており、新アリーナの開業も控えています。イベントの開演・終演時間をずらす、電車やバスの増便を検討する、入場規制の情報を会場付近などから早めに広く周知するなど、主催者や交通機関、自治体の連携した対策を求める声も見られました。

ファンが安全に、そして快適にイベントを楽しめる環境づくりが、今後ますます重要になっていくといえそうです。


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