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「国勢調査のメールに注意!」総務省が警告 巧妙化する“詐欺の手口”とは?「うちにも来た」「本当に怖い」

  • 2025.10.6
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

5年に一度、日本で暮らす全ての人を対象として行われる「国勢調査」。今年から一人暮らしを始めたなどの理由で、生まれて初めて自分で回答するという人もいらっしゃるかもしれません。

そのような状況の中で、国勢調査を装った不審なメールが送付される事案が相次いで確認されています。事態を重く受け止めた総務省は9月19日、注意喚起を実施しました。

実際に、国勢調査に関する詐欺メールが届いたという方も多数。また、他にも国勢調査に便乗した詐欺行為が確認されているようです。

はたして、私たちはこれらの詐欺からどのようにして身を守れば良いのでしょうか?日常的に気を付けるべき点や、詐欺メールが届いてしまった際の対処法などを詳しくご紹介します。

国勢調査を装った不審メールが続出

総務省は19日、「国勢調査をよそおった不審メールにご注意ください」という文書を公開。「国勢調査をよそおった不審メールが送付される事案が多く発生しております」とした上で、「国勢調査では、国勢調査員が実地に調査書類を世帯に配布するため、メールにより調査への回答を依頼することは絶対にありません。メールに表示されているURLにはアクセスしないようご注意ください」と呼び掛けました。

また、不審メールだけでなく不審な訪問者や電話などにも注意が必要とのこと。そのため、「不審に思った際には回答せずに、速やかにお住まいの市区町村の国勢調査担当あてにご連絡ください」と説明しています。

具体的な詐欺の事例として、例えば国勢調査員を騙る人物が自宅に訪問し、家族構成や年収などを質問する事例が確認されています。また、回答しなければブラックリストに載ると告げられたり、自治体の男性を名乗る人物から非通知で、国勢調査に漏れがあったと連絡を受けた人もいるとのこと。

なお、総務省は「国勢調査では、金銭を要求することはありません。また、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号をお聞きすることもありません」と説明しています。もし国勢調査員を名乗る人物から該当の質問をされても、絶対に答えないようにしましょう。

また、「調査員は、その身分を証明する『調査員証』を携帯しています」(※一部の地域では、調査員業務を「建物を管理する事業者等」に委託しており、「国勢調査業務委託証明書」を携帯しています)とのこと。すぐに相手を信用せずに、身分を証明するものの提示を求めるのも手段の一つでしょう。

参考:国勢調査をよそおった詐欺(さぎ)や不審な調査にご注意ください。(総務省統計局)

詐欺メールが届きました…SNS上も被害者の声が多数

国民の義務を悪用した卑劣な詐欺行為に、SNSでは驚きや嘆きのコメントが続々と寄せられていました。

もしかしたら、自分のメールアドレスには国勢調査に関する不審メールが届いていないという人もいらっしゃるかもしれません。しかし、SNSを確認してみたところ、連日のように詐欺メールが送付されている方も少なくないようです。

  • 国勢調査の詐欺メールが来たよ。私はもう回答したというのにね。
  • うわ〜詐欺メールが来ている。変なURLだなぁ。
  • ついにうちにも詐欺メールが来た。

また、国勢調査に便乗した詐欺行為が発生している事態を受けて、今後被害者が増加するのではないかと懸念を抱いている人もいらっしゃいました。

  • 国勢調査員を装って、マイナンバーカードを提示させようとする事件も起きているみたい。
  • 国勢調査の回答は義務だし、この手の詐欺は本当に怖いなぁ。

フィッシング詐欺について

現在問題視されている国勢調査を装った不審メールは、いわゆる「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口に該当します。

フィッシング対策協議会によると、「フィッシング (Phishing) とは実在する組織を騙って、ユーザネーム、パスワード、アカウントID、ATMの暗証番号、クレジットカード番号といった個人情報を詐取することです」とのこと。「電子メールのリンクから偽サイト (フィッシングサイト))に誘導し、そこで個人情報を入力させる手口」が使われることが多いそうです。

注意しなければならないのは、フィッシングサイトを見破るのがとても困難であるという点です。フィッシング対策協議会は、「最近のフィッシング詐欺は非常に精巧に作られており、以下のような点で本物のメールやサイトと見分けがつかないことが多く、判別は非常に困難です」と警鐘を鳴らしています。そのため、見た目の印象だけで判断することは絶対にやめましょう。

また、フィッシング対策協議会は被害に遭いやすい状況として、「思い込んでいる時、急いでいる時、疲れている時に『ついうっかり』は起こりやすくなります」と説明しています。そのような時にこそ一度落ち着いて、サイトのURLなどに不審な点がないか確認するよう心掛けましょう。

怪しいメールから身を守るための対策は?

国勢調査を装った不審メールをはじめ、怪しいメールから身を守るために、私たちにできる対策はあるのでしょうか?

フィッシング対策協議会は、「日頃の習慣でフィッシングを回避」を提案しています。日常的に利用しているサービスにログインする際は、「『いつも』の公式アプリ、『いつも』の公式サイト(ブックマーク)から開くよう、習慣づけましょう」と説明。正規のアプリや正規のWebサイトにアクセスする癖を付けることにより、フィッシングサイトを開くことを防止できます。

大量にフィッシングメールが届く場合、フィッシング対策協議会は「迷惑メールフィルターが効果的」としています。もし怪しいメールに悩まされている方は、一度設定がオンになっているか、確認してみましょう。

また、フィッシング対策協議会は新しいメールアドレスの作成を勧めています。フィッシングメールが届くということは、使用しているメールアドレスがインターネット上に漏洩しているということ。そのため、新しいメールアドレスに移行することも有効な手段の一つです。

なお、もしフィッシングサイトにIDやパスワードを入力してしまった場合、フィッシング対策協議会は「すぐにパスワードを変更してください」と説明しています。他のサービスでも入力してしまったID(メールアドレス)と同じものを使用している場合、必要に応じてパスワードを変えた方が良いでしょう。また、ログイン履歴などを確認し、不審な点があれば公式に問い合わせることも検討しましょう。

不審メールにはくれぐれもご注意を

総務省が注意を呼び掛けているように、国勢調査を装った不審メールにはくれぐれも注意しましょう。また、この手のフィッシング詐欺の被害に遭わないようにするためにも、日頃から疑う姿勢を持ち続けることが重要です。手口も巧妙化しているため、自分は大丈夫と慢心することはやめましょう。

また、不審メールだけでなく、国勢調査に便乗した悪質な行為が増えているためご注意を。国勢調査員を騙る人物が来ても安易に信用せず、おかしな点があればお住まいの地域の国勢調査担当に問い合わせることも検討してくださいね。


参考:
国勢調査をよそおった不審メールにご注意ください(総務省統計局)
不審な調査にご注意ください(総務省統計局)
国勢調査をかたる不審な電話や訪問にご注意ください!-調査員が年収、口座情報といった資産状況などを聞くことは絶対にありません-(独立行政法人国民生活センター)
国勢調査への回答依頼をよそおうフィッシング (2025/09/22)(フィッシング対策協議会)


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