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「充電中に突然発火するかも!」“正しい使い方と捨て方を守って”消費者庁が注意喚起

  • 2025.10.7
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

スマートフォンやノートPCなど、日常生活に欠かせないリチウムイオン電池。便利で身近な存在ですが、最近ではモバイルバッテリーやスマートウォッチなどが発火し、火災に至る事故が相次いでいます。

実際に、「ワイヤレスイヤホンが充電後に発火した」「ネット通販で購入したスマートウォッチが充電中に熱で溶けた」といった事故が報告されており、発生件数も増加しています。こうした状況を受け、消費者庁は10月2日、リチウムイオン電池使用製品に関する注意喚起を発表しました。

はたして、どのような点に注意すべきなのでしょうか。消費者庁の発表内容と有効な対策、それに対する世間の反応を詳しくご紹介します。

消費者庁による「リチウムイオン電池使用」に関する注意喚起

ここ数年、リチウムイオン電池を使用した製品が原因とみられる火災事故が全国で多発しています。東京消防庁のまとめによると、令和6年中では106件発生し、過去最多となりました。

出火原因となったのは、モバイルバッテリーが最多の35件、携帯電話機10件、コードレス掃除機9件と続きます。そのほか、ポータブル電源や電動アシスト付き自転車、タブレットなど、私たちの生活に身近な製品ばかりです。

また、火災に至らないケースでも、事故情報データバンクには発煙・発熱・発火・破裂・爆発といった事例が、2020年度から2024年度までの5年間で計162件登録されています。162件のうち、リチウムイオン電池に起因すると考えられるものは5年間で136件と8割以上を占め、近年増加傾向となっています。

製品別の内訳はワイヤレスイヤホン64件、スマートウォッチ46件、携帯用扇風機26件と報告されており、いずれも日常的に持ち歩く人の多い製品ばかりです。

こうした実態を受けて、消費者庁は「リチウムイオン電池使用製品の取扱いに関する注意喚起」を公表し、製品の安全性や注意点を消費者に向けて周知しています。

私たちが取るべき対策

リチウムイオン電池は便利で身近な存在ですが、扱いを誤ると火災など重大な事故につながる危険性があります。だからこそ、発熱・発火などといった事故が発生する危険性を常に意識し、注意することが大切です。

消費者庁が公表した資料には、注意すべき点として以下の7つが紹介されています。

1、強い衝撃や圧力を加えないようにしましょう
2、高温になる場所では使用・保管しないようにしましょう
3、充電は、安全な場所で、なるべく起きている時に行いましょう
4、異常を感じたら使用を中止しましょう
5、発火した時はまず安全を確保し、できれば大量の水で消火しましょう
6、製品情報、リコール情報を確認しましょう
7、公共交通機関では、持ち込みルールを守りましょう
出典:リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう - 身に着ける、持ち歩く製品にも使用されています -(消費者庁)

これらのポイントを意識するだけでも、事故のリスクを減らせます。便利さの裏に潜む危険性を理解し、安心してリチウムイオン電池を活用していきましょう。

廃棄時の注意点

リチウムイオン電池は、廃棄する際にも注意が必要です。近年、ごみ収集車や処理場で押しつぶされた際に発火し、火災となるケースが頻繁に発生しています。

特にワイヤレスイヤホンなどの小型製品でも、大きな火災に発展する危険があることが指摘されています。そのため、安易に一般ごみと一緒に捨てないように注意しなくてはなりません。

廃棄する際には、まずその製品にリチウムイオン電池が使われているかを確認し、できるだけ電池を使い切ってから処分することが推奨されています。そのうえで、リサイクル可能なものはリサイクルに回し、自治体が定める方法に従って廃棄しましょう。

例えば、東京都杉並区では、購入した店舗またはメーカーでの回収ができない場合にはリサイクルボックス設置場所へ持って行くことが推奨されています。また、リチウムイオン電池の取り外しができない小型家電等が不要となった場合は、燃やさないごみまたは粗大ごみで出すよう呼びかけています。

大阪府大阪市の場合は、家庭から出されるリチウムイオン電池等の訪問回収を実施。市内10か所に「リチウムイオン電池等回収ボックス」を設置していますが、電話等の申込により訪問での回収も可能です。

福岡県福岡市では公共施設に設置された資源物回収ボックスなどで回収しています。リチウムイオン電池を含む小型充電式電池は火災の原因になるため、ごみ袋で出さないよう周知しています。

ただし、これらはあくまで一例です。自治体によって廃棄方法は異なるので、お住まいのルールを必ず確認しましょう。

「自分の市区町村名 リチウム電池」などで検索すると、回収方法が書かれている自治体の公式Webサイトにアクセスしやすいので、参考にしてください。

SNSでも「怖い」「危険」の声!

実際に、リチウムイオン電池で危険な場面に遭遇した人もいるようです。SNSでの声を紹介します。

  • 4年使用したスマホが膨らみもなく充電中でもないのに爆発した。
  • こういう事故を実際に何度か見てきました。

リチウムイオン電池の便利さを感じていても、使用するのが怖くなったという声も。

  • 便利なグッズにも危険な面がある。
  • 身近なものでも注意が必要。
  • 昔買ったけど使っていないモバイルバッテリーがあるので、早めに処分しよう。
  • 最近怖くなったのでモバイルバッテリーを持ち歩かなくなりました。
  • ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチまで発火事故があると思うと怖い。
  • 車内で保管するのも危険です!

その一方で、事故を未然に防ぐためには、制度面の整備も必要ではないかといった意見も挙がっています。

  • メーカーや販売者が廃棄も含めてもっと責任をもってほしい。
  • 国が窓口を設けて、安全に引き取ってくれると有難い。

正しく使い、廃棄方法を守りましょう

リチウムイオン電池は、スマートフォンやモバイルバッテリーなど身近な製品に広く使われていますが、便利さの裏には火災や事故のリスクが潜んでいます。実際に各地で発火事故が報告されており、正しい扱い方や廃棄方法を知ることが重要です。

日常的にできる対策を意識し、強い衝撃や高温を避けるなど、基本的なルールを守ることが事故防止につながります。また、廃棄時には安易にごみに混ぜて捨てず、自治体のルールに沿って廃棄することが大切です。

身近な製品であるからこそ、「正しく使う・正しく捨てる」ことで、自分自身の安全だけでなく、社会全体の安心にもつながるでしょう。


参考:
リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう - 身に着ける、持ち歩く製品にも使用されています -(消費者庁)
住宅でも注意!リチウムイオン電池関連火災(東京消防庁)
小型充電式(二次)電池の拠点回収(東京都杉並区)
リチウムイオン電池等の訪問回収を実施しています(大阪府大阪市)
充電式電池を含む小型電子機器はごみ袋で出さないでください(福岡県福岡市)


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